就業規則は変化に対応させ労使双方の最適環境を

2024年3月24日

就業規則の見直しは変化に対応させ労使双方の最適環境を

公正な労働環境を確保するため時代の変化に合わせ適切に

 就業規則は、雇用関係の基本ルールを定めた重要な文書です。近年、働き方改革や法改正の影響を受け、就業規則の見直しや新規制定の重要性が高まっています。しかし、具体的な手順やポイントを理解せずに行うと、労務トラブルに繋がるリスクも存在します

 就業規則の見直しや新規制定においては、法的要件を満たすだけでなく、企業文化や従業員のニーズに合致した内容であることが重要です。

 従業員の権利を守り、公正な労働環境を確保するためには、時代の変化に合わせて適切に見直すことが必要になります。以下の点を検討すると良いでしょう。見直しや新規制定の際のステップを紹介します。

1. 法的要件の確認と現状分析・評価

  1. 労働基準法や労働契約法など、関連する法律の最新要件を理解し遵守する。
  2. 必要に応じて、業界固有の法規制も確認する。
  3. 現行の就業規則が企業の現状、業界の標準、および法的要件に適合しているか評価する。
  4. 従業員からのフィードバックを収集し、現在の就業規則の効果や問題点を把握する。
  5. 多様な働き方へのニーズ増加や高齢化社会への対応など社会情勢の変化を見極める。
  6. 法令遵守状況や従業員のニーズなど現在の就業規則の内容を分析し評価する。
  7. 法令違反、時代に合っていない内容、従業員の不満などの課題を特定する。

2. 従業員との信頼関係に配慮し関連部署との協議

  • ワークライフバランス、多様な働き方への対応など働きやすい環境の整備を意識する。
  • 企業理念や経営戦略に沿った内容になっているか人材育成、イノベーション促進、企業の競争力強化の観点からも検討する。
  • 従業員の意見を反映した内容に配慮するため、アンケート、意見交換会、ヒアリング等を実施する。
  • 経営陣、人事部、法務部門、そして代表的な従業員や従業員代表(労働組合など)との協議を行い、見直しの方向性を決定する。
  • 多様な視点を取り入れ、公平かつ実行可能な規則を目指す。

就業規則の見直しは変化に対応させ労使双方の最適環境を

3. 草案の作成とレビュー

  • 法的要件と協議の結果を基に、就業規則の草案を作成する。
  • 草案は、分かりやすく明瞭で理解しやすい言葉を使用し、曖昧にならない明確な表現を目指す。
  • 関係各位とのレビューを重ね、必要に応じて調整を行う。

4. 従業員への説明とテスト運用

  • 草案が完成したら、従業員向けに説明会を開催し、質疑応答の機会を提供する。
  • 従業員の理解と受け入れを促進するため、変更点やその理由を明確に伝える。
  • 信頼関係構築、納得感の醸成を行うために双方向のコミュニケーションを大切にする。

5. 最終版の作成と公示

  • 説明会でのフィードバックを反映させ、最終版を作成する。
  • 最終版を従業員に公示し、適切な方法でアクセスできるようにする。

6. 実施と実態の監視、記録保持

  • 新しい就業規則の実施にあたって、予定通りに運用されているかを監視する。
  • その後も定期的に効果をモニタリングし、必要に応じて追加の見直しを行う。
  • 過程の各ステップでの文書化を徹底し、将来の参照や法的要求に備えて記録を保持する。

就業規則の見直しは変化に対応させ労使双方の最適環境を

会社と従業員の良好な関係を維持する重要なプロセス

 就業規則の見直しや新規制定は、組織の透明性と公平性を高め、従業員との良好な関係を維持する重要なプロセスです。このプロセスを通じて、企業文化の向上と法的コンプライアンスの確保を目指すことが重要だと言えます。

文書類は継続的な改善をいつまでも

 就業規則に限らず、社内文書類は定期的な見直しが大切です。法改正や社会情勢の変化に対応させ、企業の成長に合わせて内容を更新していくことが必要です。現実に不都合は、すぐに起こりえます。

 ルールは決して固定的なものではありません。常に見直し、改善することで、より実効性の高く、時代に適応できる文書類を維持できます。変化への対応力が高まり、組織の成長にもつながっていきます。

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