2024年最低賃金はついに1055円に、過去最大引上げ
最低賃金、全国平均1,055円に引き上げ 過去最大51円増
2024年度の最低賃金の全国加重平均は51円増額となり、1,055円となることが決まりました。
全国平均の上昇額は51円(前年度は43円)で、1978年度に目安制度が始まって以降で最高額となっています。政府が2030年代半ばまでに全国加重平均が1,500円を目指すことや地域間格差を是正するという方針を打ち出していること、物価高の影響などを重視した結果とみられます。
最低賃金の引き上げは労働者の待遇改善を期待できる一方で、企業が労働者に最低限支払わなければならない賃金なので過去最高の上げ幅となる51円の上昇は企業に与える影響としてもこれまでより大きいものになると考えられます。
下手すると、最低賃金を下回る労働力しか提供できない方は、お雇い出来なくなってしまうかも知れません。
令和6年(2024年)度の地域別最低賃金
※決定額です。
都道府県名 | 答申最低賃金 時間額※1【円】 |
引上げ額【円】 | 発効予定年月日 |
北海道 | 1,010 | 50 | 10月1日 |
青森 | 953 | 55 | 10月5日 |
岩手 | 952 | 59 | 10月27日 |
宮城 | 973 | 50 | 10月1日 |
秋田 | 951 | 54 | 10月1日 |
山形 | 955 | 55 | 10月19日 |
福島 | 955 | 55 | 10月5日 |
茨城 | 1,005 | 52 | 10月1日 |
栃木 | 1,004 | 50 | 10月1日 |
群馬 | 985 | 50 | 10月4日 |
埼玉 | 1,078 | 50 | 10月1日 |
千葉 | 1,076 | 50 | 10月1日 |
東京 | 1,163 | 50 | 10月1日 |
神奈川 | 1,162 | 50 | 10月1日 |
新潟 | 985 | 54 | 10月1日 |
富山 | 998 | 50 | 10月1日 |
石川 | 984 | 51 | 10月1日 |
福井 | 984 | 53 | 10月5日 |
山梨 | 988 | 50 | 10月5日 |
長野 | 998 | 50 | 10月1日 |
岐阜 | 1,001 | 51 | 10月1日 |
静岡 | 1,034 | 50 | 10月1日 |
愛知 | 1,077 | 50 | 10月1日 |
三重 | 1,023 | 50 | 10月1日 |
滋賀 | 1,017 | 50 | 10月1日 |
京都 | 1,058 | 50 | 10月1日 |
大阪 | 1,114 | 50 | 10月1日 |
兵庫 | 1,052 | 51 | 10月1日 |
奈良 | 986 | 50 | 10月1日 |
和歌山 | 980 | 51 | 10月1日 |
鳥取 | 957 | 57 | 10月1日 |
島根 | 962 | 58 | 10月5日 |
岡山 | 982 | 50 | 10月12日 |
広島 | 1,020 | 50 | 10月2日 |
山口 | 979 | 51 | 10月1日 |
徳島 | 980 | 84 | 11月1日 |
香川 | 970 | 52 | 10月2日 |
愛媛 | 956 | 59 | 10月13日 |
高知 | 952 | 55 | 10月9日 |
福岡 | 992 | 51 | 10月5日 |
佐賀 | 956 | 56 | 10月17日 |
長崎 | 953 | 55 | 10月12日 |
熊本 | 952 | 54 | 10月5日 |
大分 | 954 | 55 | 10月5日 |
宮崎 | 952 | 55 | 10月5日 |
鹿児島 | 953 | 56 | 10月5日 |
沖縄 | 952 | 56 | 10月9日 |
全国加重平均額 | 1,055 | 51 |
最低賃金決定の3要素
最低賃金を決める際は、「労働者の生計費」「一般的な賃金水準」「企業の支払い能力」という3要素を考慮することが定められています。
賃上げ傾向は全国的にも加速しており、各都道府県で50円以上の引き上げが決定しています。最も増額したのは、プラス84円の徳島県でした。改定額の全国加重平均額は、1,055円となっています。
生産性を向上させるしかない
50円のアップというと、月間100時間労働のパートだと5,000円アップ、月間労働170時間の月給者だと8,500円のアップとなりますが、世界的に見ると低い水準だということです。それだけ生産性も低いのでしょう。
どうやって生産性を上げるか、企業努力が望まれます。当事務所でも生産性のアップをいつも声高に叫んでいますが、実態は厳しいものがあります。しかしChat-GPTをはじめとするAI、またRPAやマクロの有効活用をしながら、人間はより難しいことにチャレンジする、業務を限りなく標準化するなど、まだ改善の余地はあります。とにかく厳しく闘っていくしかありません。
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
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