新型コロナウイルス感染症影響の雇用調整助成金特例

2020年4月19日

新型コロナウイルス感染症影響の雇用調整助成金特例

2020年2月17日(月)雇用調整助成金の特例公表

 2020年2月17日(月)新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ雇用調整助成金の特例を実施すると厚生労働省は公表しました。
 以下、厚生労働省公表のリーフレットやQ&Aから重要なところを転載してお伝えします。

雇用調整助成金とは

 雇用調整助成金とは、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者に対して一時的に休業、教育訓練又は出向を行い、労働者の雇用の維持を図った場合に、休業手当、賃金等の一部を助成するものです。

雇用調整助成金特例の対象となる事業主

 日本・中国間の人の往来の急減により影響を受ける事業主であって、中国(人)関係の売上高や客数、件数が全売上高等の一定割合(10%)以上である事業主が対象です。

 「影響を受ける」事業主の例

  • 中国人観光客の宿泊が無くなった旅館・ホテル
  • 中国からのツアーがキャンセルとなった観光バス会社等
  • 中国向けツアーの取扱いができなくなった旅行会社

※総売上高等に占める中国(人)関係売上高等の割合は、前年度または直近1年間(前年度が12か月ない場合)の事業実績により確認しますので、初回の手続の際に、中国(人)関係売上高の割合を確認できる書類をご用意ください。

特例措置の内容

 休業等の初日が、令和2年1月24日から令和2年7月23日までの場合に適用します。

1.休業等計画届の事後提出を可能とします。

 通常、助成対象となる休業等を行うにあたり、事前に計画届の提出が必要ですが、令和2年1月24日以降に初回の休業等がある計画届については、令和2年3月31日までに提出すれば、休業等の前に提出されたものとします。

2.生産指標の確認対象期間を3か月から1か月に短縮します。

 最近1か月の販売量、売上高等の事業活動を示す指標(生産指標)が、前年同期に比べ10%以上減少していれば、生産指標の要件を満たします。

3.最近3か月の雇用指標が対前年比で増加していても助成対象とします。

 通常、雇用保険被保険者及び受け入れている派遣労働者の雇用量を示す雇用指標の最近3か月の平均値が、前年同期比で一定程度増加している場合は助成対象となりませんが、その要件を撤廃します。

4.事業所設置後1年未満の事業主についても助成対象とします。

 令和2年1月24日時点で事業所設置後1年未満の事業主については、生産指標を令和元年12月の指標と比較し、中国(人)関係売上高等の割合を、事業所設置から初回の計画届前月までの実績で確認します。

助成内容と受給できる金額

 休業を実施した場合の休業手当または教育訓練を実施した場合の賃金相当額、出向を行った場合の出向元事業主の負担額に対する助成(率)

  • 大企業1/2
  • 中小企業2/3
※対象労働者1人1日当たり 8,335円 が上限(令和元年8月1日現在)

教育訓練を実施したときの加算(額)

 1人1日当たり1,200円

支給限度日数

 1年間で100日(3年間で150日)

その他の主な支給要件

  • 雇用保険適用事業所の事業主であること
  • 支給のための審査に協力すること
  • 審査に必要な書類等を整備・保管していること
  • 審査に必要な書類等の提出を、管轄労働局等から求められた場合に応じること
  • 管轄労働局等の実地調査を受け入れること等
  • 労使間の協定により休業等をおこなうこと
  • 休業手当の支払いが労働基準法第26条の規定に違反していないものであること
  • 判定基礎期間における対象労働者に係る休業等の実施日の延日数が、対象労働者に係る所定労働延日数の1/20(大企業の場合は1/15)以上となるものであること
  • 同一事業主に引き続き雇用保険被保険者として雇用された期間が6か月以上の者の休業等が支給対象
  • 支給の円滑化のため、書類等の整備や休業手当の算定方法の整理にご協力ください。
  • 詳細については最寄りの労働局の助成金相談窓口にお尋ねください。

参考リンク

厚生労働省:雇用調整助成金
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html

特例案内のリーフレット
https://www.mhlw.go.jp/content/000596026.pdf

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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