新型コロナウイルス対応雇用調整助成金の特例措置大幅に拡大

2020年4月19日

新型コロナウイルス対応雇用調整助成金の特例措置大幅に拡大

コロナ特例雇用調整助成金の最大助成率90%へ更に拡充

 (2020.3.30加筆)
 新型コロナウイルスの影響が深刻化を受け、2020年4月1日から6月30日までの期間が緊急対応機関と定められ、雇用調整助成金の更なる特例措置が実施されることになりました。

(1)対象となる事業主の拡大

 新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主(全業種)

(2)生産指標要件の緩和

 1か月5%以上低下

(3)対象者の拡大

 雇用保険被保険者でない労働者の休業も助成金の対象に含める

(4)助成率の引き上げ

 4/5(中小)、2/3(大企業)
 ※解雇等を行わない場合は9/10(中小)、3/4(大企業)

(5)計画届

 計画届の事後提出を認める(1月24日~6月30日まで)

(6)支給限度日数

 1年100日、3年150日+上記対象期間

(7)その他

 上記の拡充にあわせて、短時間一斉休業の要件緩和、残業相殺の停止、支給迅速化のため事務処理体制の強化、手続きの簡素化も行われる。

参考リンク

厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の影響に伴う雇用調整助成金の特例措置の更なる拡大について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10551.html

 詳細は改めて示されることになろうかと思います。こうした助成金も活用し、雇用を守り、自社を守り抜くことを祈念しています。

(2020.3.30加筆分ここまで)

雇用調整助成金対象事業主拡大で活用しやすく

 新型コロナウイルス感染症の問題が深刻化しており、世界的パンデミックとの発表もなされ、まったく予断を許さず、企業経営にも大きな影響が出ています。

 従業員の休業を行うケースも増加が見込まれますが、厚生労働省では先日より特例措置を講じていた雇用調整助成金について、更なる対象事業主拡大を発表しました。
 これにより格段に活用できるケースが増加すると思われます。

1.特例措置の対象事業主の範囲の拡大

 特例措置の対象となる事業主が、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主とされ、大幅に拡大されます。

これまでの特例対象事業主の範囲

 日本・中国間の人の往来の急減により影響を受ける事業主であって、中国(人)関係の売上高や客数、件数が全売上高等の一定割合(10%)以上である事業主とされていました。

拡大後の対象事業主の範囲

 新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主

 これにより、日本人観光客の減少の影響を受ける観光関連産業や、部品の調達・供給等の停滞の影響を受ける製造業なども幅広く特例措置の対象となります。

2.特例措置の内容

 休業等の初日が、2020年1月24日から2020年7月23日までの場合に適用されます。

(1)休業等計画届の事後提出が可能

 通常、助成対象となる休業等を行うにあたり、事前に計画届の提出が必要ですが、2020年1月24日以降に初回の休業等がある計画届については、2020年5月31日までに提出すれば、休業等の前に提出されたものとされます。

(2)生産指標の確認対象期間が3か月から1か月に短縮

 最近1か月の販売量、売上高等の事業活動を示す指標(生産指標)が、前年同期に比べ10%以上減少していれば、生産指標の要件を満たします。

(3)最近3か月の雇用指標が対前年比で増加していても助成対象

 通常、雇用保険被保険者及び受け入れている派遣労働者の雇用量を示す雇用指標の最近3か月の平均値が、前年同期比で一定程度増加している場合は助成対象となりませんが、その要件が撤廃されます。

(4)事業所設置後1年未満の事業主についても助成対象

 2020年1月24日時点で事業所設置後1年未満の事業主については、生産指標を令和元年12月の指標と比較します。

従業員の休業検討の際には雇用調整助成金特例要件を確認

 今回の対応で多くの企業で雇用調整助成金の特例を適用できるようになります。
 やむなく従業員の休業も視野に入ってくるかも知れません。休業を検討する場合には、要件に該当しないか確認しておきたいものです。

経済産業省の新型コロナウイルスに関する支援策

 新型コロナウイルスについては、今後、経営面でも大きな影響を受ける事例が急増することが予想されますが、この緊急事態において厚生労働分野ではなく、経済産業省による支援策についても情報収集を進め、理解しておきたいところです。

 経済産業省ホームページでは、新型コロナウイルス(COVID-19)による企業への影響を緩和し、以下にような企業を支援するための様々な施策を打ち出しています。

  • (1)資金繰り支援(貸付・保証)
  • (2)新型コロナウイルス対策補助事業
  • (3)中小企業・小規模企業の相談窓口
  • (4)現地進出企業・現地情報及び相談窓口(ジェトロ)
  • (5)輸出入手続きの緩和等
  • (6)下請中小企業への配慮要請

 特に以下リンク先の資料はこれらが1枚にまとめられていますので、この内容は把握しておきたいものです。

https://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2019/pdf/yobihi_gaiyo_0214.pdf

関連リンク

新型コロナウイルス感染症影響の雇用調整助成金特例Q&A
https://www.kannosrfp.com/blog/3902/

コロナウイルス対策 保護者の休暇取得支援助成金発表
https://www.kannosrfp.com/blog/3908/

参考リンク

厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の影響に伴う雇用調整助成金の特例措置の対象事業主の範囲の拡大について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09852.html

厚生労働省「雇用調整助成金」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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