職場意識改善助成金制度

2017年8月6日

 職場意識改善助成金制度は、中小企業における労働時間等の設定の改善を通じた職場意識の改善を促進し、仕事と生活の調和を図ることを目的に制定されました。

 職場意識改善に係る2ヵ年計画(職場意識改善計画)を作成し、この計画に基づく措置を効果的に実施した中小企業の事業主に対して、2年間で最高150万円 の助成金を支給するものです。

職場意識改善助成金の支給対象となる事業主

【支給要件】

 支給対象となる事業主は、次のいずれにも該当する事業主です。

1 労働者災害補償保険の適用事業主であること。

2 資本金又は出資の総額、及び常時使用する労働者数が次の通りの事業主であること。

小売業(飲食店を含む)
「常時雇用する労働者数50人以下」及び「資本又は出資の額が5千万円以下」

サービス業
「常時常用する労働者数100人以下」及び「資本又は出資の額が5千万円以下」

卸売業
「常時雇用する労働者数100人以下」及び「資本又は出資の額が1億円以下」

その他の業種
「常時雇用する労働者数300人以下」及び「資本又は出資の額が3億円以下」

3 事業場の所在地を管轄する都道府県労働局長(以下「都道府県労働局長」という。)に(1) の計画を届け出、次の(1)、(2) の認定を受けた事業主であること。

(1) 労働時間等の設定の改善に向けた職場意識改善に係る計画(以下「職場意識改善計画」という。)を策定すること。

(2) 2年間にわたり、労働時間等の設定の改善に向けた職場における意識の改善に積極的に取り組む意欲があり、かつ成果が期待できること。

4 職場意識改善計画に基づき、労働時間等設定改善委員会の設置等労働時間等の設定の改善を効果的に実施するために必要な体制の整備など、職場意識改善に係る措置を行った結果、効果的に実施した事業主であること。

5 3及び4に基づく措置の実施の状況を明らかにする書類を整備している事業主であること。

職場意識改善計画について

 職場意識改善助成金を受けようとする中小事業主は、「職場意識改善計画」を策定し、これを事業場の所在地を管轄する都道府県労働局に提出し、認定を受ける必要があります。

【職場意識改善計画の実施期間】

 「職場意識改善計画」の実施期間は、都道府県労働局長による認定日が属する年度を含めて、2年間となります。

【職場意識改善計画に盛り込まなければならない措置】

 「職場意識改善計画」には、次の(1)から(3) の措置を盛り込む必要があります。

(1) 実施体制の整備のための措置(ア、イは必須)
 ア 労働時間等設定改善委員会の設置等労使の話し合いの機会の整備
 イ 労働時間等に関する個々の苦情、意見及び要望を受け付けるための担当者の選任

(2) 職場意識改善のための措置(ア、イは必須)
 ア 労働者に対する職場意識改善計画の周知
 イ 職場意識改善のための研修の実施

(3) 労働時間等の設定の改善のための措置(ア、イは必須、ウからオのうち1つ以上を選択)
 ア 年次有給休暇の取得促進のための措置
 イ 所定外労働削減のための措置
 ウ 労働者の抱える多様な事情及び業務の態様に対応した労働時間の設定
 エ 労働時間等設定改善指針(通称「労働時間等見直しガイドライン」)の「特に配慮を必要とする労働者について事業主が講ずべき措置」のイからトに定められた、特に配慮を必要とする労働者に対する休暇の付与等の措置
 オ ワークシェアリング、在宅勤務、テレワーク等の活用による多様な就労を可能とする措置

支給額について

 職場意識改善助成金の支給額や支給要件等は、以下のとおりです。

第1回(1カ年度目)50万円

 職場意識改善計画に基づき、1年間取組を効果的に実施した場合
 (事業実施前に比べ設定改善指標の得点が向上した事業主)
 ※ 設定改善指標の得点が、50 点に満たない場合は支給されません。

50 万円

第2回(2カ年度目)最大100万円

 職場意識改善計画に基づき、1カ年度よりさらに取組を効果的に実施した場合
 (設定改善指標の得点が、1カ年度よりさらに向上した事業主)
 ※ 設定改善指標の得点が、70 点に満たない場合は支給されません。

50 万円

 2カ年度にわたり効果的な取組を実施し、顕著な成果を上げた場合
o年次有給休暇の平均取得率が60%以上
o事業実施前と比較して所定外労働時間数の平均を20%以上削減
o職場意識改善計画に基づいた措置を行うとともに、効果的に実施(設定改善指標の得点が100 点以上)

50 万円

 合計 150 万円

支給手続

(1)「職場意識改善計画」の認定申請

o 「職場意識改善計画認定申請書」の提出
 「職場意識改善計画」等を添付して都道府県労働局へ提出してください。
o 申請書類の審査
o 承認されれば、「職場意識改善計画認定通知書」により、通知されます。

(2) 助成金の支給申請

o「職場意識改善助成金支給申請書」の提出
 1カ年度(事業実施承認を受けた年度)及び2カ年度とも、当該年度の2月1日から2月末日まで。
「職場意識改善助成金事業実施状況報告書」、「職場意識改善助成金事業実施結果報告書」、その他事業実施を確認できる書類等を添付して都道府県労働局へ提出してください。
o申請書類の審査
o適当と認められれば、「職場意識改善助成金支給決定通知書」により、支給決定の通知が行われ、指定した口座に助成金が振り込まれます。

職場意識改善助成金 支給手続の流れ

職場意識改善計画の策定

職場意識改善計画認定申請

職場意識改善計画等の審査

職場意識改善計画認定通知

第1回(1カ年度目)支給申請

支給申請書類の作成(事業実施状況報告書等)
2月末日までに提出

支給申請

提出書類の審査

助成金支給決定

第2回(2カ年度目)支給申請

支給申請書類の作成(事業実施状況報告書等)
2月末日までに提出

支給申請

提出書類の審査

助成金支給決定

職場意識改善計画認定申請期限

 毎年度、職場意識改善計画の認定申請期限が定められますが、予算に限りがありますので期限前であっても申請を締め切る場合があるそうなので注意が必要です。

助成金

Posted by 菅野 哲正