農商工等連携施策 (経産省と農水省連携のH20年度最重要施策)
農商工等連携施策が平成20年度の最重要施策と言われるわけ
“異分野連携”による地域活性化施策が始動しました。
経済産業省と農林水産省が双方の強みを活かしながら、相乗効果を発揮する「農商工連携」と銘打った施策です。
例えば、重労働と言われる農業の省力化を新たな設備を導入し、商品が売れる道筋をつくるようなイメージです。
地域を活性化し、日本の成長力を加速する手だてとして注目が集まっています。
これまでの縦割り主義の弊害をなくし、省庁横断的に施策に取り組むということです。
経済産業省が中小企業向けに展開してきた施策を、農業従事者にも使えるようにするなど、それぞれの得意分野を持ち寄りながら、新たなサービス、新たな商品を次々生み出そうとしています。
農商工連携のねらい
08年5月16日に、農商工等連携関連2法、いわゆる
「中小企業者と農林漁業者との連携による事業活動促進に関する法律(農商工等連携促進法)」、
「企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律の一部を改正する法律(企業立地促進法改正法)」
が成立したのは記憶に新しいのではないでしょうか。
中小企業者と農林漁業者が連携し、相互の経営資源を活用して、事業者にとって新商品や新サービスを生み出すこと。工夫を凝らした取り組みを展開することで、それぞれにとって経営改善が見込まれます。
これまでも“異分野連携”は「地域活性化の切り札」として注目され、施策として実行されてきました。
05年度の目玉施策「新連携支援」は分野の異なる事業者同士が手を組み、新事業を生み出す仕組みでした。
07年度に始動した「地域資源活用プログラム」ではあらためて地域を見直し、またデザイナーなどプロの力も借りながら、新たな事業を生み出す仕組みでした。
すでに新連携、地域資源活用とも新商品開発による売り上げ実績が着実に出始めています。
そして農業とタッグを組んだ今回の施策が、異分野連携の第3弾となるわけです。
なぜ今「農商工連携」なのか
中国産ギョーザによる食中毒事件など、食品の安全性があらためて見直されています。
高価でも「安心・安全」なイメージが定着する日本の農業を、急伸するアジアの富裕層へ売り込むことができますし、実際に需要も増えているといいます。
農商工等連携促進法が支援する二つの事業スキーム
新連携、中小企業地域資源プログラムとの比較
日本の中小施策は世界一
日本の中小企業施策は世界にも類を見ないほど充実しているそうです。
「施策を使い倒す」(甘利明経産相)という言葉にあるように、これまで作り上げてきた施策を十分に活用し、中小企業と農林漁業者向けの施策を共有することで、新たな展開が拓ける可能性があります。
具体的な取り組みとして、地域産品の販売を促進したり、地域産品の輸出を強化したりする事例がすでに始まっています。
また農林水産、経産省が連動して
「まるごと食べようニッポンブランド!」、
「ニッポン・サイコー!キャンペーン」
が各地で展開されています。
日本にとどまらず、中国など海外も含めてPR活動を展開しているようです。
基本的な要件
中小企業者と農林漁業者が共同で実施する事業であることが前提です。
具体的な要件は、法律施行後に経済産業、農林水産両大臣が定める基本方針で決まる予定となっております。
「経営資源」として想定されるもの
(1)中小企業者
技術、ノウハウ、ネットワーク、特許や商標、販売方法など。
(2)農林漁業者
生産技術、ノウハウ、機械設備など。
「新商品」、「新サービス」として想定される事例
(1)中小企業者
農林水産物を活用した新たな加工食品、化粧品の開発・製造・販売など。レストランでの新メニューの提供、農林水産物やその加工品の直売所の設置など。
(2)農林漁業者
中小企業の技術を活用した新しい品種の開発・生産など
「工夫を凝らした取り組み」として想定されるもの
新しい材料の導入や新たな製造方法、加工方法の導入、顧客ニーズに合わせた新たなサービスの導入など。
経営の改善
中小企業の経営の向上かつ農林漁業経営の改善が実現すること
具体的にどんな事例が認められるのかは、経産省と農林水産省は法律が施行となる前に88件の事例を選び公表しています。
参考までにご覧になって下さい。
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