中小企業地域資源活用プログラム

2017年8月6日

1.中小企業の地域資源を活用した事業展開に対する支援
○地域間格差の拡大が懸念される中で、地域がそれぞれの強みをいかして自立的・持続的な成長を実現していくことが重要。
○産地の技術、農林水産品、観光資源といった地域の特徴ある産業資源(地域資源)は、域外への事業展開において差別化の要素となり得るもの。したがって、地域経済の主体である中小企業の地域資源を活用した創意ある取組を推進し、それを核として地域資源の価値向上(ブランド化など)を図り、地域の強みをいかした産業を形成・強化していくことが重要。
○しかしながら、地域中小企業には以下のような課題が存在している。
?市場調査、商品企画、商品開発、販路開拓等に必要なノウハウや人的ネットワーク、資金、人材を確保することが容易でなく、域外市場を狙った新商品等の開発・事業化が実現されにくい。
?域外市場に関する情報や人的ネットワークが不足していることから、地域資源の価値を認識して新しい取組につなげる動きが起こりにくい。また、地域ブランドの確立など、地域全体で地域資源の価値を高めていくことは容易ではない。


○こうしたことから、「中小企業地域資源活用プログラム」を創設し、以下の2項目を柱とする支援を行う。
?域外市場を狙った新商品等の開発・事業化に対する支援
?地域資源を活用した新たな取組の掘り起こしや地域資源の価値向上(ブランド化等)に対する支援
各地域の「強み」となり得る地域資源(産地の技術、地域の農林水産品、観光資源)を活用した中小企業による新商品・新サービスの開発・市場化を、関係省とも連携して総合的に支援する。地域産業発展の核となる新事業を5年間で1,000創出する。
2.中小企業地域資源活用促進法(仮称)の認定を受けた中小企業等に対する主な支援措置
(域外市場を狙った新商品等の開発・事業化に対する支援)
《補助金等》
○地域資源活用売れる商品づくり支援補助金(売れる商品づくり支援事業30.0億円)
試作品開発、展示会出展等に係る費用の一部を補助。(補助率2/3)
○マーケティング等の専門家による継続的なアドバイス(ハンズオン支援事業20.3億円)
○中小企業基盤整備機構が主催する商談会やアンテナショップに対する優先的な出展(中小機構交付金8.4億円)
《融資等》
○政府系金融機関による低利融資(中小公庫、国民公庫、商工中金)
必要な設備資金及び長期運転資金を低利で融資。
○信用保証協会の債務保証枠の拡大(中小企業信用保険法の特例)
既存の保証制度とは別枠での債務保証を実施。
○高度化融資
組合が行う施設の整備に必要な資金を都道府県と中小機構が協力して融資。
○食品流通構造改善促進機構による債務保証等
食品関係の取組に必要な資金の借入れに係る債務保証等を実施。
《税制》
○設備投資減税(中小企業等基盤強化税制)
?機械及び装置を取得した場合、取得価格の7%税額控除、又は30%特別償却
?機械及び装置をリースした場合、リース費用の総額の60%相当額の7%の税額控除
3.その他の支援措置
(地域資源を活用した新たな取組を掘り起こしや地域資源の価値向上(ブランド化等)に対する支援)
1.地域資源を活用した新たな取り組みの掘り起こし
○地域資源活用企業化コーディネート活動支援、普及啓発(中小機構)(11.8億円)
・商工会、商工会議所、地場産業振興センター、中小企業組合、NPO法人等が行う交流会や研究会など、地域中小企業と外部人材とのネットワーク構築活動(コーディネート活動)等を支援する。
・顧客志向の商品企画・開発に関するマニュアルや先進的な企業事例等の普及を通じて、地域中小企業の市場開拓力の向上を図る。
・フォーラムを開催し、各地域の先進的な取組の紹介等を通じて、地域におけるブランドづくりへの意識喚起や、取組の促進などを図る。
○地域資源活用型研究開発事業(委託費)(19.6億円)
・地域資源を活用するための大学等と連携した研究開発を支援。
○市場志向型ハンズオン支援事業(委託費)(20.3億円、再掲)
・各地域ブロック毎に支援拠点を設置し、マーケティング等に精通した専門家が、市場調査、商品企画に対するアドバイスを実施。
2.地域資源の価値向上(ブランド化等)に向けた地域一体の取組に対する支援
○地域資源活用販路開拓支援事業(補助金)(11.3億円)
・地域資源を活用した商品の販路開拓などに地域一体で取り組む組合等に対し、展示会出展等の費用の一部を補助する。
○JAPANブランド育成支援事業(補助金)(13.1億円)
・地域の関係事業者が一体となって、国際市場で通用する高いブランド力(JAPANブランド)の構築を目指す取組を支援する。
○(独)中小機構による商談会の開催やアンテナショップの開設(8.4億円、再掲)
・地域中小企業の取引機会やテストマーケティングの機会の拡大を図るため、中小機構が商談会の開催やアンテナショップの開設を行う。

助成金

Posted by 菅野 哲正