メタボ検診を上手に活用してメタボ対策

2017年10月13日

 『特定健康診断』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

 『特定健康診査』は、
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した健診です。
 マスコミなどでは「特定健診」、「メタボ健診」と呼ばれています。

 日本人の生活習慣の変化等により、近年、糖尿病等の生活習慣病の有病者・予備群が増加しており、それを原因とする死亡は、全体の約3分の1にものぼると推計されています。
 このため、内臓脂肪型肥満に着目した
「内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)」の概念を導入し、国民の運動、栄養、喫煙面での健全な生活習慣の形成に向け
(「1に運動、2に食事、しっかり禁煙、最後にクスリ」)、
国民や関係者の「予防」の重要性に対する理解の促進を図る「健康づくりの国民運動化」を推進するとともに、必要度に応じた効果的な保健指導の徹底を図る「網羅的・体系的な保健サービス」を積極的に展開することとされています。

 予防医療を確実に実施することで、国民医療費を削減しようということが狙いなのでしょう。
 非常に大切なことですね。

 では、このメタボ健康診断はどういう制度でしょうか?

 まず、対象者は40~74歳の医療保険加入者です。

 そして、この制度の目的は
 ○糖尿病
 ○高脂血症
 ○高尿酸血症

 などの生活習慣病の発症、重症化の予防です。
 そして、メタボリックシンドロームに該当する人、また、その予備群を減らすためのものです。

 では、メタボリックシンドロームとは何でしょう。
 例えば、内臓脂肪が原因となり、高血圧などになる状態です。

 その判断基準として、ウエストサイズ(腹囲)が採用されています。
 ○男性 → 85センチ以上
 ○女性 → 90センチ以上

 しかし、実際には、この数値未満でも該当する場合があります。

 それは、厚生労働省が定める
 ○血糖検査
 ○血中脂質検査
 ○血圧測定

 などの基準をクリアしないと、メタボに該当することになります。

 それから、この診断項目を見てみましょう。

 基本的な項目

 ○質問票(服薬歴、喫煙歴等)
 ○身体計測(身長、体重、BMI、腹囲)
 ○血圧測定
 ○理学的検査(身体診察)
 ○検尿(尿糖、尿蛋白)
 ○血液検査
 ・脂質検査(中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール)
 ・血糖検査(空腹時血糖またはHbA1c)
 ・肝機能検査(GOT,GPT,γ―GTP)

 詳細な健診の項目

 ※一定の基準の下、医師が必要と認めた場合に実施
 ○心電図
 ○眼底検査
 ○貧血検査(赤血球、血色素量、ヘマトクリット値)

 これらの項目が従来の健康診断の制度に追加されたのです。

 今回の制度でメタボと判定された人には、生活習慣の改善などを指導しなければならないのです。

 さらに、診断結果が悪い人には

 ○医師
 ○保健師
 ○管理栄養士

 の指導の下、生活習慣の改善計画を作成させる義務があるのです。
 生活習慣病の発症リスクが高く、生活習慣の改善による生活習慣病の予防効果が多く期待できる方に対して、生活習慣を見直すサポートをします。
 これを、特定保健指導といいます。

 特定保健指導には、リスクの程度に応じて、動機付け支援と積極的支援があります。
 (よりリスクが高い方が積極的支援)

 そして、この計画を

 ○3ヵ月以上に渡り、定期的に改善計画の進捗状況を評価する
 ○6ヶ月以上経過後に実績の評価を行なう

 ことが保険者に義務付けられました。

 中長期で考えれば、社員の健康は会社の発展に大きく寄与すると予想されます。
 上手に活用して、ご自身の健康につながることを期待しています。