協会けんぽの被扶養者資格の再確認と活用できる文書例

2020年1月20日

協会けんぽの被扶養者資格の再確認とその際に活用できる文書例

医療費が不当に高くなることを防止するため行われる

 全国健康保険協会(以下、「協会けんぽ」という)では、健康保険の被扶養者になっている人について、毎年一定の時期に被扶養者の要件に該当しているかの確認を行っています。
 今年度は、10月下旬までに確認のための被扶養者状況リスト(以下、「状況リスト」という)が送付されることになっています。

 この確認は、要件に該当しない被扶養者により、医療費および高齢者の医療費への拠出金が不当に高くなることで、保険料が増加することを防止する目的で行われるものです。
 そこで、今回はこの再確認の概要と、確認を行う際に利用できる、協会けんぽから提供された文書例をとり上げましょう。

2018年度に行われた被扶養者資格の再確認の状況

 被扶養者資格の再確認は昨年度も行われましたが、その際、被扶養者から削除となった人は約7.1万人(2018年11月16日現在)となっており、結果、17億円程度の高齢者医療制度への負担削減効果が見込まれたと発表されています。

 被扶養者から削除となった主な理由としては、「就職したが削除する届出を年金事務所へ提出していなかった」というものがほとんどを占めたようですが、収入超過によるものも見られたとのことです。

被扶養者資格の再確認の概要

 2019年度の被扶養者資格の再確認の対象者、再確認の方法、提出期限は以下のとおりとなります。

1.対象者

 今回は、2019年9月13日現在の被扶養者の人が対象ですが、2019年4月1日以降に被扶養者となった人は確認の対象外となります。
 なお、今回は、健康保険法改正により、2020年4月から被扶養者の国内居住要件が新設されることを踏まえ、現在の居住状況の確認を併せて行うため、18歳未満の被扶養者の人も含めて全被扶養者を対象として行われます。

2.再確認の方法

 再確認は協会けんぽから会社に送付されてくる状況リストに従い、被扶養者の要件を満たしているかについて、文書または口頭により、各被保険者に対して行います。
 文書での確認に利用できる文書例(健康保険被扶養者資格再確認調査票)が以下からダウンロードできます。

→ 健康保険被扶養者資格再確認調査票

 なお、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書により所得税法上の控除対象配偶者または扶養親族について、確認できている場合は、被保険者に対する文書または口頭による確認を省略することができます。

3.要件を満たしていない場合の対応

 要件を満たしていない場合、状況リストに同封されている被扶養者調書兼異動届を作成し、該当する被扶養者の健康保険被保険者証を添付し、協会けんぽに返送します。
 ただし、この届出で手続きを行う場合には、提出から処理が完了するまで1ヶ月ほどかかることもあるため、処理を急ぐときには、通常の手続きである健康保険被扶養者(異動)届を事務センター(年金事務所)へ提出することにより行います。

再確認する被扶養者範囲が広くなるのでスムーズに確認を

 今回は、再確認する被扶養者の範囲が広くなることから、上記でとり上げた文書例などを活用して、従業員の方がスムーズに確認できるようにしたいものです。
 提出期限は2019年11月20日(水)となっています。

参考リンク

協会けんぽ「事業主・加入者のみなさまへ「令和元年度被扶養者資格再確認について」」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g5/cat590/info10531

協会けんぽ「事業主・加入者のみなさまへ「平成30年度被扶養者資格の再確認及びマイナンバーの確認にご協力ありがとうございました」」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g5/cat590/31010901

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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