2019年も11月に実施される過重労働解消キャンペーン
過重労働解消に向けた気運を更に高める狙い
働き方改革関連法により改正労働基準法の一部が2019年4月1日に施行されました。
時間外労働の上限規制については、大企業では既に2019年4月から適用となり、中小企業も2020年4月1日から適用されます。
国としては、長時間労働の削減等の過重労働解消に向けた気運を更に高めるために、例年11月に実施されている過重労働解消キャンペーンを、今年も実施することにしています。
過重労働解消キャンペーンとは
このキャンペーンは、2014年に施行された「過労死等防止対策推進法」に基づき、11月が「過労死等防止啓発月間」とされることから実施されるものであり、過労死等の一つの要因である長時間労働の削減等、過重労働解消に向けた集中的な周知・啓発等の取組みが行われます。
過重労働解消キャンペーンの実施内容
キャンペーンにおいて実施される事項の一つとして、過重労働が行われている事業場などへの重点監督が予定されています。
対象となる事業場や確認される事項等は以下のとおりです。
1.監督の対象となる事業場等
- a) 長時間にわたる過重な労働による過労死等に係る労災請求が行われた事業場等
- b) 労働基準監督署およびハローワークに寄せられた相談等から、離職率が極端に高いなど若者の「使い捨て」が疑われる企業等
2.重点的に確認される事項
- a) 時間外・休日労働が「時間外・休日労働に関する協定届」(36協定)の範囲内であるか等について確認され、法違反が認められた場合は是正指導が行われる。
- b) 賃金不払残業が行われていないかについて確認され、法違反が認められた場合は是正指導される。
- c) 不適切な労働時間管理が行われているときは、労働時間を適正に把握するよう指導される。
- d) 長時間労働者に対しては、医師による面接指導等、健康確保措置を確実に講じるよう指導される。
3.書類送検
- 重大・悪質な違反が確認された場合は、送検され、社名公表もされる。
面接指導対象者が適正運用されているか等確認が予想される
このうち、2のd) の医師による面接指導の対象者は、2019年4月に施行された労働安全衛生法により、時間外・休日労働時間が1ヶ月当たり80時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められる者に拡大されています。
そのため、今回の過重労働解消キャンペーンでは、面接指導の対象者が適正に運用されているか等、重点的に確認されることが予想されます。この改正は中小企業についても2019年4月より適用されていますので、改めて現在の運用に問題がないか、確認しておきましょう。
参考リンク
厚生労働省「過重労働解消キャンペーン」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/roudoukijun/campaign.html
厚生労働省「11月は「過労死等防止啓発月間」です」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177422_00004.html
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
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