休憩を交替制にするときに締結が必要な労使協定
交替制で休憩時間を運用するときに必要な手続は
労働基準法に定められている休憩は、同じ時間に全労働者が一斉に取ることが原則となっています。しかし、お昼の休憩時間にも電話番が必要なことなどから、交替制を取っている会社も多いかと思います。
そこで、交替制で休憩時間を運用するときに必要な手続について確認してみましょう。
1.休憩時間の原則
労働基準法では、休憩時間について以下の3点を規定しています。
- (1)労働時間の途中に一定の休憩時間を与えること
- (2)休憩時間は一斉に与えること
- (3)休憩時間には業務から離れて自由に利用できる時間である必要があること
なお、以下の8つの業種では、休憩を一斉付与することが事業活動にとって不都合となる可能性があるため、この(2)に関する原則は適用除外されています。
【一斉付与の適用が当然に除外される事業】
運輸交通業、商業、金融・広告業、映画・演劇業、通信業、保健衛生業、接客娯楽業、官公署
2.休憩の一斉付与の原則を除外する手続
1.の通り、休憩時間は原則として労働者に対して一斉に与える必要がありますが、過半数労働組合あるいは労働者代表と事業場ごとに以下の2点を定めた労使協定を締結することで、その適用を除外することができます。
なお、この労使協定は労働基準監督署への届出までは不要です。
【労使協定で締結する内容】
- (1)一斉に休憩を与えない対象となる労働者の範囲を定める
- (2)具体的な休憩の与え方を定める
時折問題となる休憩時間における外出の許可制
休憩時間を一斉に付与すること以外に時折問題となることが、休憩時間における外出の許可制です。これについては、食堂や休憩室を設置しているなど事業場内で自由に休憩できる環境を用意している場合は、許可制とすることも差し支えないとしています。
休憩時間に関する労使協定は、その存在があまり知られていないこともあり、実質的な運用が行われていても締結されていないことがあります。そのため、休憩時間を交替制にしている会社は一度、労使協定の締結の有無を確認するとよいでしょう。
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
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