最低賃金の引上げ(2019年)と活用したい助成金
最低賃金2019年は全国平均901円に引上げ
厚生労働省の諮問機関である中央最低賃金審議会で、2019年度の地域別最低賃金額改定の目安について答申が取りまとめられ、公表されました(7月31日)。
今年度(令和元年度)の目安が示した引上げ額の全国加重平均は27円(昨年度は26円)引き上げた901円となり、最も高い東京都は1,013円(昨年度は985円)、それに次ぐ神奈川県は1,011円(昨年度は983円)と、初めて1,000円を超えることになります。
今後は、各地方最低賃金審議会で、この答申を参考にしつつ、地域における賃金実態調査や参考人の意見等も踏まえた調査審議のうえ答申を行い、各都道府県労働局長が地域別最低賃金額を決定、10月以降に改定されます。
引上げ額が過去最大となる予定の今回の改定は、中小零細企業に厳しい状況を強いることになり、さらなる生産性向上が課題となってきます。
そこで今回は、厚生労働省が中小企業に対する支援策として設けている助成金をご紹介します。
業務改善助成金
本助成金は、生産性向上のための設備投資などを行い、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を一定額以上引き上げた中小企業・小規模事業者に対して、その設備投資など(POSレジシステム導入よる在庫管理の短縮や、顧客・在庫・帳簿管理システムの導入による業務の効率化など)にかかった経費の一部を助成するというものです。
例:【30円引き上げコース】
- 引き上げる労働者数:1~3人、助成上限額:50万円
- 助成対象事業場:事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内、および事業場規模30人以下の事業場、助成率:4分の3
平成31年度については、受付が始まっています(申請期限は翌年の1月31日まで)。
その他の助成金や支援策等
その他、中小企業事業主の団体やその連合団体が、その傘下の事業主のうち、労働者を雇用する事業主の労働者の労働条件の改善のために、時間外労働の削減や賃金引上げに向けた取組みを実施した場合に、その事業主団体等に対して助成する時間外労働等改善助成金(団体推進コース)があります。
また、厚生労働省のホームページには、上記助成金を活用し、業務の効率化や働き方の見直しなどを実施して生産性向上を実現し、最低賃金の引上げを行った事例や支援施策紹介マニュアル等が紹介されていますので、参考にすることをお勧めします。
<出典:日本法令 https://www.horei.co.jp/>
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