時間外労働削減に向けた取組を行う際に中小企業が活用したい助成金
働き方改革に取り組む企業を支援する時間外労働等改善助成金
働き方改革への関心が徐々に高まっており、実際に、労働時間の削減などに着手している企業もあるかと思います。
国も、働き方改革に取り組む企業を支援するために時間外労働等改善助成金を設けています。この助成金はいくつかのコースに分かれていますが、今回はこの助成金の中の「時間外労働上限設定コース」を紹介しましょう。
1.時間外労働等改善助成金(時間外労働上限設定コース)の概要
この助成金は、時間外労働の削減に向けた取組を行う中小企業に対して、その実施に要した費用の一部を助成するものです。
以下の1.~8.のいずれか1つ以上の取組を実施した一定の事業主に対し、助成金が支給されます。
- 労務管理担当者に対する研修
- 労働者に対する研修、周知・啓発
- 外部専門家によるコンサルティング
- 就業規則・労使協定等の作成・変更
- 人材確保に向けた取組
- 労務管理用ソフトウェア、労務管理用機器、デジタル式運行記録計の導入・更新
- テレワーク用通信機器の導入・更新
- 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新
具体的な活用事例としては表1のようなものが想定されています。
2.対象となる事業主
助成金の対象となる事業主は、平成28年度または平成29年度の36協定において、特別条項を締結している中小企業で、実際に、特別条項が適用された月が複数月あった従業員がいること、または特別条項に該当する従業員が単月に複数名いたことが要件となっています。
助成金を受給するためには上記の要件に該当したうえで、以下の定められた成果目標を達成する必要があります。
具体的には、平成30年度または平成31年度に有効な36協定の「延長する時間」を短縮し、以下のいずれかの上限設定を行い、労働基準監督署へ届出を行う必要があります。
成果目標
- (1)時間外労働時間数で月45時間以下かつ、年間360時間以下に設定
- (2)時間外労働時間数で月45時間を超え月60時間以下かつ、年間720時間以下に設定
- (3)時間外労働時間数で月60時間を超え、時間外労働時間数および法定休日における労働時間数の合計で月80時間以下かつ、時間外労働時間数で年間720時間以下に設定
3.支給額
支給額は、2.の成果目標(1)~(3)の達成状況に応じて、支給対象となる取組の実施にかかった経費の一部が助成され、以下のいずれか低い額となります。
- 1企業あたり上限200万円
- 上限設定の上限額(表2)および休日加算額(※1)の合計
- 対象経費の合計額に補助率4分の3を乗じた額(※2)
※1 2.の成果目標に加え、週休2日制の導入に向けて休日を増加させた場合、休日加算額が支給されます。
※2 一定の要件を満たした場合、補助率が4/5となります。
提出〆切など、その他要件
活用にあたっては、事業実施計画などの必要書類を平成30年12月3日までに労働局雇用環境・均等部(室)へ提出し、平成31年2月15日までに支給申請を行う必要があります。その他、様々な要件がありますので、利用にあたっては最新情報をご確認ください。
参考リンク
厚生労働省「時間外労働等改善助成金(時間外労働上限設定コース)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120692.html
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
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