今年2018度の厚生労働省・地方労働行政運営方針策定
企業実務に影響が大きい3部署(雇用環境・均等担当、労働基準担当、職業安定担当)の主な重点施策
先日、厚生労働省は「平成30年度地方労働行政運営方針」(以下、「運営方針」という)を策定し、その内容を公表しました。
各都道府県労働局は、この運営方針を踏まえつつ、各局の管内事情に則した重点課題・対応方針などを盛り込んだ行政運営方針を策定し、運営していくことになります。
そこで今回は、この運営方針の中から、企業の実務に影響が大きい3つの部署(雇用環境・均等担当部署、労働基準担当部署、職業安定担当部署)の主な重点施策の項目を見ておきましょう。
1.雇用環境・均等担当部署の重点施策
- 働き方改革と女性活躍の推進の一体的な取組支援
- 雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保など非正規雇用の処遇改善
- 長時間労働の抑制及び年次有給休暇の取得促進等
- 女性の活躍推進等
- 職業生活と家庭生活の両立支援対策の推進
- テレワークの普及促進及び就業環境整備
- 副業・兼業の促進
- 民間企業における「配偶者手当」の在り方の検討に向けた取組
- 安心して働くことができる環境整備の推進
- 総合的ハラスメント対策の一体的実施
- 妊娠・出産、育児休業等を理由とする不利益取扱いへの厳正な対応
- 労働条件の確保・改善対策(周知・啓発等)
- 最低賃金・賃金引上げに向けた中小企業・小規模事業者の生産性向上の支援
2.労働基準担当部署の重点施策
- 「働き方改革」の推進などを通じた労働環境の整備・生産性の向上
- 長時間労働の抑制及び過重労働による健康障害防止の徹底
- 労働条件の確保・改善対策
- 最低賃金制度の適切な運営(最低賃金額の周知徹底等)
- 働き方改革の推進に向けた労働時間改善指導・援助チームの編成
- 第13次労働災害防止計画に基づく労働者が安全で健康に働くことができる職場づくり
- 死亡災害の撲滅を目指した対策の推進
- 過労死等の防止対策等の労働者の健康確保対策等の推進
- 就業構造の変化及び働き方の多様化に対応した対策の推進
- 疾病を抱える労働者等の健康確保対策の推進
- 迅速かつ公正な労災保険給付を行うための事務処理等
- 各種権限の公正かつ斉一的な行使、労働基準監督署の窓口サービスの向上
- 電子申請の利用促進に向けた取組
3.職業安定担当部署の重点施策
- 公共職業安定所のセーフティネットとしての機能の強化
- 「働き方改革」の着実な実行や人材投資の強化等などを通じた労働環境の整備・生産性の向上
- 生産性向上、賃金引き上げのための支援
- 雇用吸収力、付加価値の高い産業への転職・再就職支援
- 非正規雇用労働者の正社員転換・待遇改善
- 女性、若者、障害者、高年齢者等の多様な働き手の参画
- 女性の活躍推進
- 若者や就職氷河期世代の活躍促進
- 治療と仕事の両立
- 障害者の活躍推進
- 高年齢者の活躍促進
どの部署においても「働き方改革」がキーワード
上記のどの部署においても「働き方改革」がキーワードとなっており、その推進に向けた取組が重点的に行われることになっています。企業においても、どのように従業員に働いてもらうのか検討し、企業全体での取組が求められています。
参考リンク
厚生労働省:「平成30年度地方労働行政運営方針」の策定について
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000201842.html
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
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