補正予算の成立を受けて新設された65歳超雇用推進助成金

2020年1月28日

 現在、開催されている臨時国会の補正予算成立を受けて、雇用関係の助成金について見直し・新設が行われました。今回は、その中から中小企業を中心に活用が期待される65歳超雇用推進助成金についてとり上げましょう。

1.65歳超雇用推進助成金とは

 この助成金は、「ニッポン一億総活躍プラン」を受け、将来的に継続雇用年齢や定年年齢の引上げを進めていく必要があることから、66歳以上の継続雇用延長や65歳までの定年年齢の引上げを行う企業に対する支援のために新設されました。

2.支給対象となる事業主の主な要件

 主な要件としては以下の3つがあります。

  1. 平成28年10月19日以降に、労働協約または就業規則に次の(イ)から(ハ)までのいずれかに該当する新しい制度を実施した事業主であること。
  2. (イ)旧定年年齢を上回る65歳以上への定年引上げ
    (ロ)定年の定めの廃止
    (ハ)旧定年年齢および継続雇用年齢を上回る66歳以上の継続雇用制度の導入

  3. 1.の制度を規定する際に、経費を要した事業主であること。
  4. 支給申請日の前日において、1年以上継続して雇用している60歳以上の雇用保険被保険者が1人以上いる事業主であること。

 この他にも細かな要件がありますので、申請を検討される場合には必ず事前にご確認ください。

3.助成額

 助成額は導入する制度により異なり、以下の金額が一時金として支給されます。

  • 65歳への定年引上げ・・・100万円
  • 66歳以上への定年引上げまたは定年の定めの廃止・・・120万円
  • 希望者全員を66~69歳まで継続雇用する制度の導入・・・60万円
  • 希望者全員を70歳以上まで継続雇用する制度の導入・・・80万円

 なお、定年引上げと継続雇用制度の導入を合わせて実施した場合でも、支給額は定年引上げを実施した際の金額となります。

 企業において、高齢者の雇用拡大を検討されているような場合は、この機会にこうした助成金を活用して、制度整備を進めたいものです。活用を検討されている場合は、当事務所または独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の都道府県支部にお尋ねください。

■参考リンク

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 「65歳超雇用推進助成金」
https://www.jeed.or.jp/elderly/subsidy/subsidy_suishin.html

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。