菅野労務FP事務所ブログ

雇用関係助成金の不正受給対策強化ショックと対応

雇用関係助成金の不正受給対策強化ショックと対応

 2019年4月以降の雇用関係助成金の不正受給対策強化が発表され、衝撃を受けましたが、まあ当たり前かとも感じました。以下は厚生労働省発表の資料です。そのまま原文で情報提供いたします。

厚生労働省発表資料「雇用関係助成金の不正受給対策の強化について」原文

 平成29年8月に雇用保険二事業に係る各種助成金の不正受給(※)対策強化を行ったところだが、不正受給対策の更なる強化策として、平成31年度より以下の対応を行う。

※「不正受給」とは、偽りその他不正の行為(詐欺、脅迫、贈賄等刑法に触れる行為のほか、刑法上犯罪を構成するに至らない場合であっても、故意に支給申請書に虚偽の記載を行い又は偽りの証明を行うこと。)により本来受けることのできない助成金の支給を受け、又は受けようとすること。したがって、故意性があることを要件としており、過失や重過失は該当しない。

違約金相当の新設

  • 不正受給の返還に際し、現状では、元本と延滞金を請求しているところ、新たに違約金に相当するものを課すこととする。
  • 額は不正受給額の20%とする。

不支給期間の延長・対象の拡大

  • 現状では、3年間、事業主に対して不支給としているところ、5年間に期間を延長する。
    (なお、5年を経過しても、不正受給に係る返還金が納付されていない場合は、時効が完成している場合を除き、返還日まで不支給期間を延長する。)
  • 不正受給を行った事業主の役員等(不正に関与した役員等に限る)が他の事業主の役員等となっている場合は、役員等となっている他の事業主に対しても、同期間(5年間)助成金を支給しない。

不正を行った社会保険労務士、代理人及び訓練実施者への対応

  • 現状では、不正受給を行った事業主に対してのみ返還請求できるところ、不正に関与した社会保険労務士、代理人又は訓練実施者を連帯債務者として設定し、返還請求を行う。
  • 不正に関与した社会保険労務士、代理人又は訓練実施者については公表を行う。
  • 不正に関与した社会保険労務士又は代理人が行う雇用関係助成金の申請について、事業主の不支給期間と同期間(5年間)、受理しない。
  • 不正に関与した訓練実施者が行った訓練については、事業主の不支給期間と同期間(5年間)、助成金の支給対象としない。

(厚生労働省発表資料ここまで)

 かなり厳罰強化された印象です。それを受けて当事務所のスタンスも次の通りにしたいと考えています。

助成金不正受給厳罰化の背景

 そもそも、平成29年8月に雇用保険二事業に係る各種助成金の不正受給対策強化が行われたにも関わらず、何故にまた厳しい対応がなされたのか、その背景を紐解きます。

 それは、ここ2~3年でしょうか、「すぐに簡単に助成金がもらえる」といったようなFAXが各社さんにも届いたかと思います。それが誤りの元でした。そんなに簡単に助成金がもらえるはずは無いんですね。しかも、そうした悪質業者は、実態を無視して、その会社の用意するひな形に、ただ社名や個人名などの必要情報を入力して安易に申請していた可能性があります。

 当社にも、そうしたFAXに関する問い合わせが、それなりにありました。

 社会保険労務士業界内でも、「助成金提案で顧客増大」のようなセミナーが多数行われていた節があります。うちは参加しようとも思いませんでしたが。
 この厳罰化の背景は、実態を無視して、国策を安易に曲げて悪用したことが原因だと強く想定できます。

当社の助成金受注のためのスタンス

 助成金は返済不要な資金であり、要件をきちんと満たせば権利を有するものです。
 要件をきちんと満たしていること、これが重要です。社労士仲間では、助成金受注から完全撤退するという人もおり、今回の連帯責任には、かなりのショックが広まっています。

 この状況を鑑みて、当社では以下のスタンスで臨みます。

1.助成金業務受注の原則は、顧問契約

 助成金業務受注の原則は、顧問契約をしていることとさせていただきます。
 スポットで助成金だけやるという受注はお断りとします。

※顧問契約で長期にお付き合いができる、そして今不整備でも、関与させていただくことで、中長期的には整備が進むことが予想されるからです。

2.コンプライアンス意識が弱い顧客は助成金お断り

 顧問先でも、コンプライアンス(法令順守)意識が弱いお客さまは、助成金については、お断りさせていただきます。あまりにリスクが大きすぎます。

3.会社を良くしたい経営者を支援

 長期的にみれば、助成金を活用して労務管理を強化するのは、会社にとっても大いに利益があります。未整備に対して助成金をしっかりと活用して会社を良くしたいという経営者を支援するスタンスでまいります。

 以上、ご理解を賜りますよう、お願いを申し上げる次第です。

参考リンク

厚生労働省「第139回労働政策審議会職業安定分科会資料」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04207.html

厚生労働省「資料No.1-2 雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案(概要)」
https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000494190.pdf

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