障がい者雇用をめぐる最近の動き
平成30年4月からの障がい者雇用率制度
すべての事業主には、法定雇用率以上の割合で障がい者を雇用する義務があります。
この法定雇用率が、平成30年4月1日から次のように変わっています。
- 民間企業 2.0% → 2.2%
- 国、地方公共団体等 2.3% → 2.5%
- 都道府県等の教育委員会 2.2% → 2.4%。
平成30年12月公表の「平成30年国の機関等における障がい者雇用状況の集計結果」
例年、一般事業主、国、地方公共団体及び独立行政法人等は、6月1日時点の障がい者雇用の状況を報告しなければならず、それを受けて12月に厚生労働省から「障がい者雇用状況の集計結果」が公表されます。
平成30年12月の公表では、「国の機関等における障がい者雇用状況の集計結果」とされ、民間企業についての記述はありませんでした。
民間企業については、データ入力のための作業ツールの不具合により、平成31年3月末までに公表する予定とされています。
12月の集計結果によると、行政や司法など国の機関での2018年6月時点の障がい者雇用率が1.22%でした。
法定雇用率の2.5%を満たすには計算上で約4,300人不足し、8割以上の機関が基準を達成していませんでした。
障がい者雇用については、国や地方自治体の機関で水増しが相次いで発覚し、各機関が法定雇用率の達成に向け採用を急いでいます。
障がい者雇用率未達成の省庁は予算減額
民間企業では、障がい書雇用率を達成すると、超過人数1人につき月2.7万円の調整金が支給されます。
一方、未達成の場合は、不足人数1人につき月5万円の納付金が徴収されます。
このペナルティーが民間企業だけにあり、国等の機関にないのは不公平だとの批判が以前からありました。
政府は来年度から、法定雇用率を達成できなかった省庁の予算を減額する方針を決めました。
国の機関では不足1人につき、翌年度の予算から60万円を減額します。
減額対象の予算項目は備品購入などに充てられる「庁費」とします。
障がい者手帳のカード化、自治体判断で4月から
厚生労働省は、以前から障がい者手帳をカード化する方針を打ち出していましたが、この4月にも省令を改正し、各自治体の判断で障がい者手帳や精神障がい者保健福祉手帳をカード化できるようにする方針を決めました。
現在の身体障がい者手帳は縦11.4センチ、横7.5センチで、「持ち運びしにくく、劣化しやすい」など、障がい者などからカード型に変更するよう求める声がありました。
カード型の手帳は耐久性のあるプラスチックなどの素材を利用し、運転免許証やクレジットカードと同じ大きさにします。また、カードに氏名や住所、障がいの度合いなどを記載します。
<出典:日本法令 https://www.horei.co.jp/>
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