新型コロナ休業で労働時間が短くなり退職した場合は「特定理由離職者」に
休業が続き労働時間が短くなり2022年5月1日以降に退職を選んだ雇用保険取扱い
新型コロナウイルス感染症(以下、「新型コロナ」という)の影響が長引いており、引き続き休業する企業もまだ多くあります。
休業が続くことで労働時間が短くなり2022年5月1日以降に退職を選んだ従業員の雇用保険の取扱いが周知されたことから、その取扱いについて取り上げます。また雇用保険に関連して、不正受給と判断された場合の処分についてもあわせて確認します。
1.2022年5月1日以降からの取扱い
2022年5月1日以降に、新型コロナの影響により、事業所が休業し、概ね1ヶ月以上の期間、労働時間が週20時間を下回った、または下回ることが明らかになったことにより退職した場合、雇用保険の求職者給付の受給において、「特定理由離職者」と判断されることになりました。
特定理由離職者と判断されることで、求職者給付において給付制限(退職後に一定期間、求職者給付を受けられない期間)が設けられないことになります。
なお、この休業は、1日の一部の時間のみが休業となる部分休業の場合も含まれ、また休業手当が支給されたかは問われません。
また、シフト制労働者に関しては、同様の取扱いがすでに2021年3月31日以降の退職から行われています。
2.雇用保険基本手当等不正受給の際の処分
本来、基本手当等を受けることができないにも関わらず、不正な手段により支給を受けたり、受けようとしたりした場合、不正受給処分を受けることになります。
不正受給処分の具体的内容としては、以下のようなものがあります。
- 不正のあった日から、基本手当等の支給を受ける権利がなくなる。
- 不正な行為により支給を受けた金額は、全額返還しなければならない(返還命令)。
- さらに悪質な場合、不正行為により支給を受けた金額の最高2倍の金額の納付が命じられる(納付命令)。
3については、いわゆる「3倍返し」として、2と併せて不正受給した金額の3倍の金額を納めることになります。この場合、財産の差し押えが行われることがあり、また詐欺罪などにより処罰されることもあります
3.事業主が離職票に虚偽の記載を行った場合
事業主が離職票に虚偽の記載を行う等、偽りその他不正の行為をした場合、不正に受給した人と連帯して、不正受給金の返還、納付命令を課されるほか、詐欺罪として刑罰に処せられる場合があります。退職理由を確認し、正しく記載しましょう。
参考リンク
厚生労働省「新型コロナウイルス感染症に伴う雇用保険求職者給付の特例のお知らせ」
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
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