有期雇用労働者の離職理由の取扱い変更(2018.2月

2020年1月27日

雇用保険の有期雇用労働者の離職理由の取扱い変更(2018.2月

離職証明書右側【⑦離職理由欄】の記入方法変更

 この4月から労働契約法の無期転換ルールが本格化しています。これに先立ち、無期転換申込権が発生する直前での雇止めが一部で話題になっていますが、これに関連し、有期雇用労働者の契約更新上限到来にすることで退職するときの離職票の記載方法が変更になっています。

 離職証明書右側【⑦離職理由欄】の記入方法が変更されているものです。
 下部に厚生労働省の案内チラシのリンクを貼っておきました。そのチラシに詳しいので、ご一読をお勧めします。

対象となる労働者

 対象となる労働者は、契約更新上限(通算契約期間や更新回数の上限をいう)がある有期労働契約の上限が到来したことにより離職した人であり、次の~のいずれかに該当する場合となっています。

  1. 採用当初はなかった契約更新上限がその後追加された人、または不更新条項が追加された人
  2. 採用当初の契約更新上限が、その後引き下げられた人
  3. 基準日(平成24年8月10日)以後に締結された4年6ヶ月以上5年以下の契約更新上限が到来した(定年後の再雇用に関し定められた雇用期限の到来は除く。)ことにより離職された人

※ただし、基準日前から、同一事業所の有期雇用労働者に対して、一様に4年6ヶ月以上5年以下の契約更新上限が設定されていた場合を除きます。

離職票にへの記載方法

 そして、この~に該当する場合の離職票については、以下のように記載することになりました。

  • a.離職票の「⑦離職理由欄」は「3 労働契約期間満了等によるもの」
     「(1)採用又は定年後の再雇用時等にあらかじめ定められた雇用期限到来による離職」を選択
  • b.便宜的に「(2)労働契約期間満了による離職」中の「1回の契約期間、通算契約期間、契約更新回数」に契約に係る事実関係を記載する
  • c.最下部の「具体的事情記載欄(事業主用)」にそれぞれ以下のとおり記入する
     上限追加
     上限引下げ
     4年6ヶ月以上5年以下の上限

採用当初の雇用契約書と最終更新時の雇用契約書などが添付の要求

 対象となる労働者は、平成30年2月5日以降に有期労働契約の更新上限が到来したことにより離職した人であり、離職票をハローワークに提出する際には、採用当初の雇用契約書と最終更新時の雇用契約書など、それぞれの事情がわかる書類を添付することとなっています。

 今後、対象となる労働者が発生する会社も多いかと思いますので、誤りのないように記載することが求められます。

 また記載の内容によっては失業給付の内容に影響がある場合がありますので、間違えのないよう、よく確認して記入するように気を付けたいものです。

参考リンク

厚生労働省:有期雇用労働者の離職理由の取扱いが変わります(PDF)
https://jsite.mhlw.go.jp/yamagata-roudoukyoku/library/yamagata-roudoukyoku/info/antei/antei/pdf/h29/201827134949.pdf

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