有給休暇取得に関する動向とキッズウィークへの対応

2020年1月27日

有給休暇取得に関する動向とキッズウィークへの対応

◆10月は取得促進期間

厚生労働省は10月を「年次有給休暇取得促進期間」とし、広報活動を行っています。企業において、翌年度の年次有給休暇の計画づくりを行う時期が10月とされているためです。

ここでは、有給休暇に関する動向をお伝えします。

◆有給休暇取得の現状

現状として、わが国の有給休暇の取得の状況は低水準にあります。

厚生労働省の「就労条件総合調査」によると、有給休暇の取得率はこの15年間、ずっと50%弱で停滞し続けています。一方で政府は、2020年までに有給取得率を70%以上まで引き上げることを目標として掲げています(内閣府「第4次男女共同参画基本計画」)。

また、有給休暇の平均取得日数でみると、最新(2015年)の平均取得日数は8.8日です(パートタイム労働者を除いた労働者の平均値)。

意外に多い結果とも感じられますが、その実態は、特定企業に勤務する取得日数の多い労働者が平均値を押し上げているだけであり、大半の労働者は有給休暇をほとんど取得できていないということは、現場に近しい方なら実感としておわかりではないでしょうか。

◆労働基準法改正で義務化も

9月に厚労省が公表した「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」では、労働基準法の改正案として、使用者は、年次有給休暇が10日以上付与される労働者に対し、そのうちの5日を、時季を指定して与えるよう義務化することが盛り込まれています。

法案の内容にて改正法が成立すれば、企業は対応を迫られることとなります。

◆キッズウィークの影響と企業対応

また、来年からは、「キッズウィーク」(地域ごとに夏休みなどの一部を他の日に移して学校休業日を分散化する取組み)がいよいよスタートします。これにより、小・中学校に通う子どもを扶養する従業員が、学校の日程に合わせて会社を休まざるを得なくなり、有給休暇の取得する、ということも増えそうです。

企業の対応策としては、例えば、「年次有給休暇の計画的付与制度」の活用などが考えられます。

自社の現状に照らしあわせ、年次有給休暇の無理のない計画づくりを行いたいものです。

<出典:日本法令 https://www.horei.co.jp/>

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