残業削減雇用維持奨励金

2017年8月6日

 残業削減により、労働者の雇用を維持する事業主を支援する奨励金です。

 景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた場合において、その雇用する労働者や役務の提供を受けている派遣労働者の雇用の安定を図るため、残業時間を削減して雇用の維持等を行う事業主に助成が行われます。

残業削減雇用維持奨励金の支給要件

 残業削減雇用維持奨励金は、売上高又は生産量等の指標の最近3か月間の月平均値がその直前の3か月又は前年同期に比べ5%以上減少している事業所(中小企業の場合は直近の決算等の経常損益が赤字であれば5%未満でも可)の事業主に対し、それぞれの判定期間において、以下の支給要件を満たした場合に支給されます。

1.判定期間における事業所労働者(事業所の雇用保険被保険者及び事業所に役務の提供を行う派遣労働者)1人1月当たりの残業時間が、比較期間の平均と比して1/2以上かつ5時間以上削減されていること。
 (比較期間とは計画届の提出月の前月又は前々月から遡った6か月間)

2.判定期間の末日における事業所労働者数が、比較期間の月平均事業所労働者数と比して4/5以上であること

3.計画届の提出日から判定期間の末日までの間に事業所労働者の解雇等(有期契約労働者の雇止め、派遣労働者の事業主都合による中途契約解除等を含む。)をしていないこと

残業削減雇用維持奨励金の支給額

 残業削減雇用維持奨励金の支給額は、各判定期間の末日時点における有期契約労働者及び役務の提供を受けている派遣労働者1人当たり、判定期間ごとに以下のとおりです。
 ただし、上限はそれぞれ100人で、残業削減計画届の提出日の翌日以降に新たに雇い入れられた人等は対象となりません。

  〔有期契約労働者〕 〔派遣労働者〕
中小企業事業主 15万円(年30万円) 22.5万円(年45万円)
中小企業事業主
以外の事業主
10万円(年20万円) 15万円(年30万円)

支給手続き等

 当該奨励金を受給するためには、労働組合等との間に残業削減に関する書面による協定を締結し、当該書面の写しを添えた残業削減計画届を事前に提出する必要があります。

 本奨励金の支給は、事業主の指定した対象期間(1年間)の初日から6か月ごとに区分した判定期間ごとに2回に分けて行い、支給申請期間は当該判定期間の末日の翌日から起算して1か月となります。

ワークシェアリング推進が本格化か

 この未曾有の不況にあって、「ワークシェアリング」が叫ばれていますが、その推進としての大型助成金と目されています。

 どの程度普及するか注目です。

助成金

Posted by 菅野 哲正