中小企業雇用安定化奨励金

2017年8月6日

中小企業雇用安定化奨励金とは

 中小企業雇用安定化奨励金は、中小企業事業主が、契約社員やパートタイマーなどの期間を定めて雇用している従業員を、新たに正社員として転換する制度を就業規則などに定めて、実際に正社員に転換させた場合に支給されるものです。

 平成20年4月1日から開始されています。

中小企業雇用安定化奨励金の支給要件の概要

○ 支給対象事業主

1. 中小企業事業主であること
2. 雇用保険の適用事業主であること
3. 新たに有期契約労働者を通常の労働者(正社員)に転換させる制度(以下「転換制度」といいます。)を労働協約または就業規則に定め、かつ、その制度に基づいて1人以上を通常の労働者に転換させた事業主であること
4. 転換制度を公正かつ適正に実施していること
 など

○ 支給額

1. 転換制度導入事業主
 新たに転換制度を導入し、かつ、この制度を利用して、直接雇用する有期契約労働者を1人以上通常の労働者として転換させた場合
 → 一事業主について35万円

2. 転換促進事業主
 転換制度を導入した日から3年以内に、直接雇用する有期契約労働者を3人以上通常の労働者として転換させた場合
 → 対象労働者1人について10万円
 (1人目から、10人を限度として支給します)

※ ただし、対象労働者のいずれかが母子家庭の母等である場合は、次の拡充措置があります。

o 転換制度を導入した日から3年以内に、直接雇用する有期契約労働者を2人以上通常の労働者として転換させた場合
 母子家庭の母等である対象労働者1人について15万円
 母子家庭の母等でない対象労働者1人について10万円
(あわせて10人までを限度)

○ 支給申請期間

1. 転換制度導入事業主
 対象労働者に通常の労働者としての1か月分の基本給を支給した日の翌日から1か月以内

2. 転換促進事業主
 対象労働者に通常の労働者としての6か月分の基本給を支給した日の翌日から1か月以内

中小企業雇用安定化奨励金のQ&A

Q1 有期契約労働者とは?

A 契約社員、嘱託社員、パートタイマーなど、名称に係わらず事業主と期間の定めのある労働契約を結んでいる労働者をいいます。

Q2 中小企業事業主とは?

A 資本の額または常時雇用する労働者数が次のとおりの事業主です。

業 種 資本金額 労働者数
製造業・その他の業種 3億円以下 300人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
サービス業 5千万円以下 100人以下
小売業 5千万円以下 50人以下

Q3 対象労働者とは?

A 次のとおりです。

1. 通常の労働者への転換前に、有期契約労働者として6か月以上雇用され、その間、雇用保険の被保険者であること
2. 通常の労働者への転換後も引き続き雇用されることが見込まれること
  など

Q4 人材派遣会社から派遣社員を受け入れていますが、この社員を当社の正社員として採用した場合に、奨励金の対象となりますか?

A 御社が直接雇用する有期契約労働者を通常の労働者に転換させることが支給要件となります。
 したがって、派遣社員は対象となりません。

Q5 通常の労働者とは?

A 次のいずれにも該当する労働者です。

1. 事業主に直接雇用される方で、事業主と期間の定めのない労働契約を締結している労働者
2. 事業所においてフルタイムで働く労働者の所定労働時間の9割を超えていること
3. 雇用保険の被保険者

その他、社会通念に照らして、その雇用形態や賃金体系、社会保険への加入状況などから、正規の従業員として妥当なものであることが必要です。

Q6 当社にはパート社員を正社員に転換する制度が既にありますが、20年4月1日以降に、この転換制度を活用して正社員に転換させた場合、奨励金の対象となりますか?

A 20年4月1日以降に、労働協約または就業規則に正社員への転換制度を定め、実際に転換した場合に支給対象となります。
したがって、転換制度を20年3月31日以前に既に定めている場合は対象となりません。

Q7 勤務成績の良い契約社員を対象に転換制度を創設し、本人が希望する場合に正社員に転換させようと考えていますが対象となるのでしょうか?

A 就業規則などに転換条件が明示され、かつ、転換制度の運用が公平であることが必要です。
 したがって、全ての従業員(対象労働者でない方も含む)に転換条件が明示(回覧や掲示板への掲示など)され、かつ、要件を満たす希望者が応募できる制度であることが必要です。
 これらの条件が満たされれば対象となります。

中小企業雇用安定化奨励金の不支給要件

 次のいずれかに該当する事業主に対しては、この助成金は支給されません。

(1) 申請事業主が、労働保険料を2年間を超えて滞納している場合。

(2) 申請事業主が、不正行為により本来支給を受けることのできない奨励金などの支給を受け、または受けようとしたことにより過去3年間に雇用保険事業に係る奨励金などの不支給措置がとられている場合。

(3) 申請事業主が、労働関係法令の違反を行っていることにより、当該事業主に奨励金を支給することが適切でないものと認められる場合。

助成金

Posted by 菅野 哲正