菅野労務FP事務所ブログ

恐ろしい雇用情勢 実際の完全失業率が9%近くに

 09年6月の完全失業率が5.4%と過去最悪(5.5%)に迫り、嫌な感じを覚えるが、実際の雇用情勢は数字よりもはるかに深刻だという声が高まっている。

 恐らく間違いないだろう。

 “隠れ失業者”という概念で論じられているが、緊急雇用対策の助成金で雇用がつながれている現状があり、それを考慮すると、失業率は8.8%に跳ね上がるというのだ。

 なんとも恐ろしい事態ではないか・・・

 08年終盤来の景気の急激な悪化に伴い、08年補正予算、09年予算において、雇用対策関連の資金がかなり計上されたことは記憶に新しい。

 特に「雇用調整助成金」の拡充や、「中小企業緊急雇用安定助成金」の創設拡充で、息も絶え絶えの状態で命をつないでいる企業が少なからず存在するのは、なんとなく実感できる。

 自分も「雇用調整助成金」、「中小企業緊急雇用安定助成金」に関しては、企業がその申請をスムーズに行くことを応援しようと考え、申請様式のデータ無料ダウンロードサービスを6月から約2ヶ月間実施しているが、ダウンロード数、アクセス数がかなりの数を数えており、その関心の高さというか、深刻さの度合いを垣間見ることが出来る。

 ちなみにそのダウンロードサービスのURLは次の通りである。

 この急場において、タイムリーで不可欠な助成金だったと思う。
 この施策が無かったらと思うと、ぞっとしないではいられない。

 ただ、である。

 下記の参照記事にもあるように、産業構造の転換や、人手不足産業に対しての予算配分を通して、経済界全体のマッチングを図らないと、いたずらに問題を先送りにしていることにはならないのだろうか?

 そうした疑問が、頭を過ぎる。
 様々な経営者から話を聞くにつけ、そうした感覚は強くなる。

 株価も足腰が弱いながらも、最悪の水準は脱し、なんとか上昇基調にある中で、今後の産業育成に寄与するような施策を本気で考え、実行していく時期ではないだろうか。

 助成金頼みの現状では、根本対策として弱いものがあることは論を待たず、本気で自らが次代を考え、様々な人と意見交換をしなくてはいけないと思う次第だ。

【関連記事】
IZA –
(http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/policy/285059/)

“隠れ失業者”本当は失業率8.8%?

 6月の完全失業率が5.4%と過去最悪(5.5%)に迫る中、実際の雇用情勢は数字よりもはるかに深刻だという声が高まっている。

 解雇せずに一時休業などで雇用を維持する企業に国が給付する雇用調整助成金で、“隠れ失業者”の顕在化を食い止めているためだ。
 助成金申請者は6月で約238万人に達し、これを含めると単純計算で失業率は8.8%に跳ね上がる。
 衆院選でも雇用政策が大きな争点となりそうだ。

 厚生労働省が集計した月ごとの申請状況によると、6月の対象者は前年同月の1774人に比べ1300倍超に激増した。
 昨秋の米国発の金融危機以降の景気の急降下に加え、経済対策で適用条件が大幅に緩和されたためだ。

 助成金がなければ、解雇されていた可能性があり、経済専門家の間では「隠れ失業者」と位置づける考えが広がっている。

 これに対し、6月の完全失業者数(季節調整前)は約348万人。
 助成金の申請者数には一時休業や職業訓練の重複があるが、単純に合計すると約586万人となる。
 失業率として計算すると、8.8%に達し、米国の6月の9.5%に迫る高水準となる。

 日本で失業率が過去最悪となった平成14、15年に比べ、現在は適用条件の緩和によってより多くの失業が食い止められており、日本総合研究所の山田久主任研究員は「実態はすでに史上最悪を超えている」と指摘する。

 失業率の数値が実態とかけ離れていると、政策対応を誤る原因にもなり、第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミストは「失業率の過小評価は経済政策の立案にマイナスになる」と警鐘を鳴らす。

 隠れ失業者の問題は、今後の雇用政策にも大きな影響を及ぼしそうだ。
 助成金の原資は企業と従業員が折半で払う雇用保険料だが、実質的に国の税金も投入されており、救済を続けるコストは重い。
「中小企業では人件費の穴埋めに使うことが多い」(地方銀行幹部)と、“流用”を指摘する声もある。

 過度の公的支援は、経済の構造改革や効率化を阻害する要因にもなり、日本総研の山田氏は「衰退事業、産業を延命させては本末転倒だ。雇用の受け皿となる成長産業への転換を促さないと、成長シナリオは描けない」と指摘する。

 助成金制度のさらなる拡充など安全網の整備にとどまらず、環境などの新規産業の育成に加え、人手不足感が強い福祉や農業分野などに労働力を供給するミスマッチの解消が急務だ。

 雇用をどう守り、創出していくのか。各党は政権選択を問う総選挙で、はっきりと示すことが求められている。

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