厚生労働省 社会保険電子申請ソフトを2020年4月無償提供へ

2020年1月21日

厚生労働省 社会保険電子申請ソフトを2020年4月に無償提供へ

公表された社保電子申請無償ソフト導入スケジュール

 行政手続きコスト削減の取り組みが着々と動いています。
 中小企業庁は2019年6月12日に開催した第9回中小企業・小規模事業者の長時間労働是正・生産性向上と人材確保に関するワーキンググループの中で、社会保険手続へのID/パスワード方式の導入に向けたスケジュールを公表しました。

 これによりますと、以下のスケジュールでの導入が予定されているようです。

2019年度の社会保険電子申請ソフトの動き

  • 法人共通認証基盤と連携するマイナポータルを活用したID/パスワード方式を実現するためのシステムの要件定義を検討し、設計・開発を実施。
  • 経済産業省より提示された機能概要を基に、マイナポータルと法人共通認証基盤の接続を検討。
  • 厚労省は、番号室の協力のもと、ID/パスワード方式による届出に対応したソフトを準備する(2020年4月から無償提供)。

 厚労省、番号室、経産省は、民間ソフトウェアからもID/パスワード方式による届出が可能となるよう、ソフトウェア事業者に対して、逐次の情報提供・働きかけを行う。

2020年度の社会保険電子申請ソフトの動き

  • 採用・退職時の届出(厚生年金、健康保険(協会けんぽ)雇用保険)にID/パスワード方式の導入を目指す。(法人共通認証基盤と連携したマイナポータルを活用)
  • 採用・退職時の届出(厚生年金、健康保険(協会けんぽ)、雇用保険)のオンライン・ワンストップ化
  • 雇用関係助成金について、オンライン申請を実現
  • ※雇用保険はハローワークシステム更改(2020年1月)後、可能な限り早期に実現
  • ※社会保険手続全体についても検討。
  • ※法人(事業所)の設立時に必要となる手続(厚生年金、健康保険(協会けんぽ)、雇用保険、労災保険)のオンライン・ワンストップについては、2019年度中に実現予定。

手続業務の自社内製化は社労士業務減少を危惧

 このように2020年4月には厚生労働省が、ID/パスワード方式による届出に対応したソフトを無償提供するとしています。
 ツイッターでは、社会保険労務士にとって、これはえらいことになると、手続業務の自社内製化、すなわち社労士業務の減少を危惧する声も多数見ました。

 社会保険手続の在り方が大きく変わる起爆となりえような気もしますが、当事務所は元々手続業務が少ないので、影響は軽微な予想です。
 しかし実務面を考慮すると、給与計算や保険給付など、社会保険・雇用保険以外も混然一体として進んでいくものです。就業規則や雇用契約との整合性や労働時間管理など、労務管理はややこしいので、入退社だけ手続きできても片手ちな感はあります。
 でも、この無償ソフトの動きは注視していく必要性を感じています。

参考リンク

中小企業庁「「第9回中小企業・小規模事業者の長時間労働是正・生産性向上と人材確保に関するワーキンググループ」を開催しました」
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/koyou/2019/190612jinzai.htm

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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