退職の申出時期と残期間、有給取得と認定の注意点
退職時の申出時季と年休
年度末は転職などにより退職者が発生しやすい時期です。従業員が退職する際に、退職の申出時期や年次有給休暇(以下、「年休」という)の取扱いなどに関して、対応に困ることがあります。そこで、今回は、従業員の退職の申出時期と年休の取得に関して確認しておきましょう。
退職の申出時期
退職に関する事項は、就業規則の絶対的必要記載事項になっていることから、通常、従業員が自己都合で退職するときの申出方法と、申出時期について就業規則に明記されています。申出時期は、退職日の1ヶ月前までや14日前までとしているケースをよく見かけます。
この14日前とは、退職の申出をした日から起算して原則として14日を経過したときは雇用契約が終了するという民法の規定に揃え、そのまま就業規則に定めていることがあります。
しかし現実に14日前の申出となると、退職者が従事している業務の後任者を選定したり、採用したりすることは難しく、また業務の引継ぎも十分にできず、現場が混乱する可能性があります。民法の規定があるものの、申出時期から退職日までの日数が極端に長いときには問題となりますが、後任者の選定や引継ぎ等の期間も考慮の上、会社として必要な申出時期を就業規則に定めることを検討するとよいでしょう。
退職時の年休取得
退職時には従業員から残っている年休をまとめてとりたい、年休が消化できないため会社の休日に取得したいという申出が会社に寄せられることがあります。
会社には年休の取得時季を変更する権利がありますが、退職時に残っている年休をまとめて取得したいというときには、取得時季を変更することができず、退職前にまとめて取得することを拒むことはできません。
一方、年休が消化できないため会社の休日に取得したいという申出については、年休は労働日に対して取得できるものであり、会社の休日に年休を取得することはできません。
特に転職先が決まっており、退職日までにすべての年休を取得したいということで、申出が行われることがありますが、休日に年休の取得が認められないことに注意しましょう。
退職予定者で、年休が10日以上付与されている場合、退職日までに年5日の年休を取得してもらうことが原則となっています。そのため、退職の申出があった際には、年休の取得状況を確認しましょう。
参考リンク
大阪労働局「退職・解雇・雇止め」
東京労働局「年次有給休暇関係」
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
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