令和元年度労働組合の実態(厚労省調査より

2020年3月15日

令和元年度労働組合の実態(厚労省調査より

労働組合数は減少・組合員数は増加

 令和元年6月30日現在、単一労働組合は24,057組合、組合員数は1,008万8,000人で、前年と比べると組合自体は271組合減っているのに対し、組合員数は1万8,000人増えています。

 過去5年間の調査結果をみても、組合数は減少の一途に対し、組合員数は増加し続けています。

女性の労働組合員の割合

 労働組合員のうち、女性が占める割合は33.5%で、その数は毎年増加しています。

パートタイム労働者の割合

 労働組合員のうち、パートタイム労働者が占める割合は13.3%で、女性組合員と同様毎年増加傾向にあります。

産業別の実態

 産業別にみると、「製造業」が全体の26.6%と最も多く、次いで「卸売業、小売業」が14.6%、「運輸業、郵便業」が8.5%と続きます。

 逆に、組合がほとんどない業界として、「農業・林業・漁業」が0.1%、「鉱業、採石業、砂利採取業」0.1%、また「不動産業、物品賃貸業」が0.3%となります。

企業規模別の実態

 民営企業の労働組合員数(単位労働組合)は870万4,000人で、前年に比べて5万1,000人増えています。

 これを企業規模別にみると、1,000人以上規模が全体の65.3%を占めています。
 300~999人規模は全体の13.3%、100~299人規模は6.8%と、組合員数は企業規模の大きさに比例しています。

主要団体への加盟

 主要団体別に、産業別組織を通じて加盟している労働組合員数(単一労働組合)をみてみると、組合員が増えている団体は、インダストリオール・JAFで前年比4.2%増です。
 一方で、減少している組合は、全労協(全国労働組合連絡協議会)で前年比3.1%減となっています。

労働組合の用語の定義

  • 単位組織組合:規約上労働者が当該組織に個人加入する形式をとり、かつ、その内部に独自の活動を行い得る下部組織(支部等)を持たない労働組合。
  • 単一組織組合:規約上労働者が当該組織に個人加入する形式をとり、かつ、その内部に下部組織(支部等)を有する労働組合をいう。

 なお、このうち最下部の組織を「単位扱組合」、最上部の組織を「本部組合」といいます。

 単位労働組合とは、「単位組織組合」および単一組織組合の下部組織である「単位扱組合」をいい、単一労働組合とは、「単位組織組合」及び単一組織組合の最上部の組織である「本部組合」をいいます。

組合数は減少、組合員数は増加は継続か

 組合数は減少の一途に対し、組合員数は増加するという現象は、民営企業の労働組合員数(単位労働組合)増加が要因ですが、この現象は当座継続するように予想されます。

 みな生きるのに必死になれば、自分を守ることに懸命になるでしょうし、新型コロナウイルス感染症で経済活動縮小が懸念されるので、雇用の維持も大きなテーマとなることが予想されるので、組合に所属したい労働者は増えるものと予想されます。

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