求人数が増加している「高卒採用」の2019年現状
高卒求人倍率が右肩上がり
売り手市場で新卒採用の苦戦が続くなか、近年、若手の人材不足解消のため、高卒採用に積極的に取り組む企業が増加しています。
厚生労働省の発表によると、2019年7月末時点の来年3月の高卒予定者の求人倍率は2.25倍(前年同期比0.15ポイント増)で大卒を上回り、1993(平成5)年以来の高水準となりました。
高卒採用の特徴
高卒採用は、毎年9月5日から応募書類の提出を開始し、9月16日から採用選考・内定が解禁となります。
また、「1人1社制」という独自の採用ルールがあります。このルールは、大卒と異なり、企業がハローワークを通じて高校に求人を申し込み、生徒は届いた求人票の中から教師と相談の上「1人1社」しか応募することができないということです(秋田、沖縄県を除く)。
その後、一定期間を過ぎれば、複数の企業に応募することができます。
「1人1社制」は、複数の企業に興味があっても併願できないというデメリットがありますが、特定の生徒に内定が集まることがなく多くの生徒が内定を得られることになります。
また、企業側のメリットとして、内定辞退が少なく、短期間で採用することができます。
入社後3年の離職率は大卒以上
一方、高卒採用の場合、企業への直接応募ではないため必ずしも希望する企業に就職できない、自分のやりたい仕事がわからないまま就職をしてしまうことなどが原因で早期離職となってしまうといったことが多々あります。
厚生労働省の2015年の調査では、高卒者は大卒者よりも離職率が高く、入社3年で約4割が離職してしまうのが現状です。
変わりつつある高卒採用
こうした現状から、「1人1社制」の見直しを求める声が企業側から相次ぎ、文部科学省と厚生労働省は、今年1月に有識者による高卒の採用ルールを見直す検討を始めました。来年の初め頃には結論を出す見通しです。
また、近年では高校生向けの就職サイトの誕生や合同企業説明会の開催など、高校生が主体的に企業を選ぶための取組みが増えています。
これから高卒採用を始めようとお考えの企業は、大卒採用との違いを確認し、今後の動向を注目しながら検討されるとよいでしょう。
<出典:日本法令 https://www.horei.co.jp/>
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