届出漏れの多い従業員の住所変更届

2020年1月28日

 国民年金および厚生年金保険の被保険者には、毎年1回、日本年金機構より年金の加入記録の確認と、年金制度に対する理解を深めるため「ねんきん定期便」が送付されます。ねんきん定期便の送付先は、日本年金機構に登録されている住所地であり、原則として従業員が社会保険に加入する際に提出する資格取得届に記載した住所(その後、住所変更届を提出した場合には変更後の住所)になります。

1.届出漏れが発生しやすい住所変更届

 従業員が引越し等により住所が変更となる場合には、被保険者住所変更届により年金事務所(事務センター)に届け出ることになります。この届出は、氏名が変更となった場合に行なわれる健康保険証の差換えとは異なり、被保険者等の手元にある年金手帳といったものの差替えがないため、届出漏れが発生しやすくなっています。
 なお、健康保険証の裏面には住所を記入する欄がありますが、被保険者自身で新しい住所に書き換えることになっています。

2.一覧で確認ができる従業員等の住所

 従業員の住所の変更手続きがきちんとできているかを確認する方法として、日本年金機構より従業員と被扶養配偶者の住所が記載された住所一覧表の提供を受けることができます。これは事業主が日本年金機構に申し込むことにより、後日、住所一覧表が送付されてくる仕組みとなっています。取り寄せた住所一覧表の住所と、現在の従業員と被扶養配偶者の住所を確認し、仮に異なるものがあった場合には、取り寄せた住所一覧表に朱書きで訂正することで住所の変更の届出を行うことが可能です。

 この住所は、最終的に年金の受給開始年齢の直前に日本年金機構から送付されてくる年金請求書等の送付先としても利用されることになります。いざ、年金を受給するタイミングで年金請求書等の用紙が送付されてこないということのないように確実に届出を行いましょう。

■参考リンク

日本年金機構「事業主への「住所一覧表」提供サービス
(厚生年金保険、国民年金第3号被保険者)」
https://www.nenkin.go.jp/service/nenkinkiroku/torikumi/sonota/sonota/20140627.html

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。