一般化するリファラル採用とインセンティブ支給留意点

2020年1月22日

一般化するリファラル採用と、インセンティブ支給の留意点

「リファラル採用」とは

 リファラル採用(referral recruiting)をご存知でしょうか。いわゆる縁故採用の一種で、「自社従業員に、採用候補者を紹介してもらう採用(制度)」をいいます。

最新調査結果

 株式会社リクルートキャリア「リファラル採用で声をかけられた人の実態調査」によれば、「リファラル採用の制度がありますか」という質問に対し、

  • 「制度があり、推進している」48%
  • 「制度があるが、推進していない」23%

 と、回答企業の7割以上で社内制度化されています。
 ほかにも、「知人の会社に誘われた人のうち、実際に選考を受けた人」が54.8%にのぼるなど、広く行われている結果となりました。

 「リファラル採用」という言葉が広まったのは最近のことですが、従業員(以下「紹介者」)の紹介による採用は、珍しいことではありません。

リファラル採用のメリット

 企業にとっては、リファラル採用のメリットとして、

  • 「採用のミスマッチが起こりにくい」(紹介者が詳細に企業説明をするため)
  • 「定着率が高い」(紹介者による入社後のアフターフォローのため)
  • 「採用コストが低い」
  • 「通常の採用活動では応募しないような人材を採用できる」

 などが挙げられます。

 一方、デメリットとしては、「不採用とした場合の、人間関係悪化」、「紹介者が退職した場合の、採用者の意欲低下」などが懸念されることがあります。

紹介者へのインセンティブの相場

 採用に至った場合、紹介者にインセンティブ(成功報酬)を支払う場合もあります。

 エン・ジャパン株式会社「リファラル採用(社員紹介)意識調査」によれば、リファラル採用実施企業の44%が、紹介者へインセンティブを支給しています。
 また、その支給額は「3万円から10万円」が最多(52%)とのことです。

インセンティブ支給の留意点

 紹介者にインセンティブ支給の際は、「賃金として支払う必要がある」点に留意しましょう。「被用者で当該労働者の募集に従事するもの」に「賃金、給料その他(略)報酬」以外を支払うことは、職業安定法40条(報酬の供与の禁止)違反となるからです。

 リファラル採用を社内制度化するにあたっては、労働局等に相談のうえで、就業規則や賃金規程に明文化するとよいでしょう。

参考

リクルートキャリア「リファラル採用で声をかけられた人の実態調査」
https://www.recruitcareer.co.jp/news/pressrelease/2018/181101-01/
エン・ジャパン「リファラル採用(社員紹介)意識調査」
https://corp.en-japan.com/newsrelease/2017/11266.html

<出典:日本法令 https://www.horei.co.jp/>

【PR】茨城県で社会保険労務士をお探しなら菅野労務事務所へ