ハローワークを通じた障害者の就職件数が増加

2020年1月24日

ハローワークを通じた障害者の就職件数が増加

障害者の就職件数が9年連続で増加

 厚生労働省の調査によると、平成29年度のハローワークを通じた障害者の就職件数は9万7,814件で、対前年度比4.9%の増となったとのことです。

 今年4月の改正障害者雇用促進法の完全施行をにらみ、大企業などを中心に早くから障害者雇用が活発になっており、人材紹介会社や就労移行新事業所などへの問合せも多くなっているようです。調査結果の内容を見てみましょう。

精神障害、その他の障害で大幅な伸び

 障害者全体での新規求職申込件数は20万2,143件(対前年度比5.4%増)となり、就職件数は9万7,814件(同4.9%増)でした。

 このうち、精神障害者の新規求職申込件数は9万3,701件で、就職件数は4万5,064件(同8.9%増)、発達障害等を含む「その他の障害者」は1万2,167件で就職件数5,007件(同4.9%増)と大幅に増加しています。

 この理由としては、平成30年4月1日から、障害者雇用義務の対象として精神障害者が加わったことが大きいでしょう。

 なお、「その他の障害者」とは、身体障害者手帳、療育手帳、精神保健福祉手帳等を保有しない人であって、発達障害、高次脳機能障害、難治性疾患等により、長期にわたり、職業生活に相当の制限を受け、または職業生活を営むことが著しく困難な人を指します。

産業別就職件数

 産業別の就職件数では、「医療,福祉」(3万5,566件、構成比36.4%)、「製造業」(1万3,595件、同13.9%)、「卸売業,小売業」(1万2,412件、同12.7%)、「サービス業」(1万288件、同10.5%)などとなっています。障害種別に若干の違いはありますが、傾向としては同じとなっているようです。

ミスマッチを防ぐには

 障害者の雇用については、職場環境の整備と障害のある方への適切な対応が必要です。
 障害者雇用率を達成するためとか、人手不足だからといった消極的な理由だけでは、雇用のミスマッチが生まれ、社内にも混乱を生むだけです。障害者を雇用する場合のほか、既存の社員が障害者となる場合もあるでしょう。

 労務管理に関してはある程度の障害に対する知識のほか、コミュニケーションが何より重要となります。
 障害者の雇用を考える場合は、主治医や産業医、社会保険労務士等の専門家相談しながら進めましょう。

<出典:日本法令 https://www.horei.co.jp/>

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