菅野労務FP事務所ブログ

治療と仕事の両立支援制度の導入時に活用できる助成金

治療と仕事の両立支援の重要性と制度導入時に活用できる助成金

障害や傷病の治療と仕事の両立支援が企業に求められる

 いまや2人に1人が罹患するといわれるがんや、メンタルヘルス不調による精神障害者の増加により、障害や傷病の治療と仕事の両立を支援することが企業に求められるようになってきました。

 そこで今回は、企業における両立支援の取組みのポイントがまとめられた「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」(以下、「ガイドライン」という)の内容を紹介すると共に、治療と仕事の両立支援制度を導入する際に活用できる助成金についてとり上げます。

1.職業生活の両立支援のためのガイドラインの内容

 医療技術の進歩により、がんや脳卒中などの疾病を抱え、反復・継続した通院による治療を行いながら、就労を継続する人が増加しています。
 そこで厚生労働省ではガイドラインを策定し、疾病を抱える人々が治療と仕事を両立できる環境の整備を推進しています。

 このガイドラインでは、企業における意識啓発のための研修や、治療と仕事を両立しやすい休暇制度・勤務制度の導入など、両立支援の取組みがまとめられており、企業が両立支援を進める際の参考にすることができます。

 また、厚生労働省は先日、このガイドラインの新たな参考資料として、「企業・医療機関連携マニュアル」と「難病に関する留意事項」を追加しました。
 ガイドラインに掲載されている様式例の作成ポイントや記載例、いわゆる「難病」と呼ばれる疾病に罹患した従業員に対する留意事項が加えられています。

2.障害者雇用安定助成金(障害や傷病治療と仕事の両立支援コース)

 ガイドライン等に沿って治療と仕事の両立支援のための制度を導入する際に活用できるものとして、障害者雇用安定助成金(障害や傷病治療と仕事の両立支援コース)が設けられています。

 この助成金は以前からあったものですが、平成30年4月より、支給要件等が一部変更になり、環境整備助成と制度活用助成という2つのコースに区分されました。

環境整備助成

 従業員の障害や傷病の特性に応じた治療と仕事を両立させるための柔軟な勤務制度や休暇制度を導入し、かつ両立支援に関する専門人材を新たに配置した場合に助成されます。

 この助成金を利用するためには以下のすべてに該当する制度を導入する必要があります。

  1. 現在雇用している対象従業員または新たに雇い入れる対象従業員の、障害や傷病に応じた治療のための配慮を行う制度であること
  2. 雇用形態を問わず適用される両立支援制度であること
  3. 当該制度が実施されるための合理的な条件が労働協約または就業規則に明示されていること

 なお、専門人材とは、企業在籍型企業適応援助者または両立支援コーディネーターのことをいい、平成30年4月以降に、雇用する従業員に専門人材を養成するための研修を受講・修了させる必要があります。

制度活用助成

 がん等の反復・継続して治療が必要となる傷病を抱える従業員のために、両立支援コーディネーターを活用して社内制度を運用し、就業上の措置を行った場合に助成されます。

助成金の活用にあたっては様々な要件に注意

 どちらのコースにおいても、提出期限までに、本社の所在地を管轄する労働局へ計画を提出する必要があります。
 助成金の活用にあたっては、これらの他にも様々な要件がありますので、厚生労働省のホームページで最新情報を確認するか、最寄りの労働局もしくは当事務所までお問い合わせください。

 長期間に亘る疾病の治療では、治療費が必要になることで経済的な不安を抱えることもあります。自社で対応できる範囲のことを考え制度化することにより、従業員は安心して働くことができるようになります。

 治療と仕事の両立支援については、いま、対象となる従業員がいなくても、積極的に検討していきたいものです。

参考リンク

厚生労働省「治療と仕事の両立支援に関するガイドラインの新たな参考資料を公表します」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000199224.html

厚生労働省「障害者雇用安定助成金(障害や傷病治療と仕事の両立支援コース)」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000162833.html

厚生労働省「雇用・労働分野の助成金のご案内(詳細版)」「障害者雇用安定助成金」
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/dl/koyouantei_07.pdf

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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