社会保険労務士とは?
簡潔に言えば、労働・社会保険諸法令に基づく、人事・労務・年金に関するスペシャリストであり、人事に係わるコンサルタントの業務を行ったりする国家資格です。
高齢化社会の到来や、日本型経営からの脱却といった時代の要請を受け、とてもニーズの高い資格です。
社労士の主な業務としては以下のようになります。
1)雇用・労災・社会保険、年金の加入給付など企業が行政機関に提出する、
労働・社会保険関係の書類作成・手続き・事務代行、
2)賃金台帳などの帳簿書類作成、
3)人事・労務に関する相談・指導
の3つに大別されます。
中でも1)と2)は、社労士以外は行ってはいけないと規定された独占業務です。
人事・総務のプロとしての社労士は、今後、就業規則の作成や年金相談のようなコンサルティング業務のウエイトが増していくでしょう。
リストラや早期退職など日本の雇用情勢が急速に流動化してきている今、雇用や退職の頻度が増えれば増えるほど労務関係の実務が増えて、社労士の仕事も増加していきます。
社労士の試験は現在でも、相当難関ですが、すでに述べたような将来性を踏まえれば、今後さらに難しくなることも予想されています。
企業では、激変する経営環境の中で、労務・人事といった問題の改善が急務とされていますが、社内にそうした職務の専門家がいないため、経営者の多くは頭をいため、有能な社労士の確保に力を注いでいます。
ところが、現在10万名を数える有資格者のうち、実際に開業登録して業務を行なっている方は約14,500名(平成11年現在)と、その絶対数は不足気味だと言われています。
今後ますます労働環境の複雑化が予想される社会にあって、確かな手腕を持った社労士への評価は、年ごとに高まっています。
また、年金アドバイザーのニーズは、高齢化社会の到来とともに年々高まっていますが、まだまだ、複雑な年金制度に対応できる人材は少数なので、年金の専門家としての活躍が期待されています。
各家庭についても、加入されている民間の保険は、公的な保障制度が柱となり、その不足に対する補充として保険を考慮していくことが大切です。
従いまして、家庭における、公的な保障がどのようになっているか、明確に把握していくために、社労士の知識や技量が必要となってくることでしょう。
逆に言うと、本当のアドバイスを求めるなら、社労士がふさわしいとも言えます。
加えて解雇問題を始めとする、労働問題のスペシャリスト・相談役としても、社労士の活躍どころです。
当事務所への最近の相談は、労働問題に関するものが多くなってきています
(参考)
第34回社会保険労務士試験の合格者について
第34回社労士(平成14年)試験は、平成14年8月25日(日)に実施され、その結果は次の通りです。
・受験申込者数 58,322人(前年54,203人、対前年 7.6%増)
・受験者数 46,713人(前年43,301人、対前年 7.9%増)
・合格者数 4,337人(前年 3,774人)
・合格率 9.3%(前年8.7%)
※受験申込者数、受験者数及び合格者数は過去最高とのことでした。