2025年最低賃金は全国平均1,121円に、過去最大引上げ

2025年最低賃金はついに1,121円に、過去最大引上げ

最低賃金、全国平均1,121円に引き上げ 過去最大66円増

 2025年度の最低賃金の全国加重平均は66円増額となり、1,121円となることが決まりました。
 全国平均の上昇額は66円(前年度は51円)で、1978年度に目安制度が始まって以降で最高額となっています。政府が2030年代半ばまでに全国加重平均が1,500円を目指すことや地域間格差を是正するという方針を打ち出していること、物価高の影響などを重視した結果とみられます。

 最低賃金の引き上げは労働者の待遇改善を期待できる一方で、企業が労働者に最低限支払わなければならない賃金なので過去最高の上げ幅となる66円の上昇は企業に与える影響としてもこれまでより大きいものになると考えられます。
 下手すると、最低賃金を下回る労働力しか提供できない方は、お雇い出来なくなってしまうかも知れません。

令和7年(2025年)度の地域別最低賃金

※決定額です。

都道府県名 答申最低賃金
時間額※1【円】
引上げ額【円】 発効予定年月日
北海道 1,075 65 令和7年10月4日
青森 1,029 76 令和7年11月21日
岩手 1,031 79 令和7年12月1日
宮城 1,038 65 令和7年10月4日
秋田 1,031 80 令和8年3月31日
山形 1,032 77 令和7年12月23日
福島 1,033 78 令和8年1月1日
茨城 1,074 69 令和7年10月12日
栃木 1,068 64 令和7年10月1日
群馬 1,063 78 令和8年3月1日
埼玉 1,141 63 令和7年11月1日
千葉 1,140 64 令和7年10月3日
東京 1,226 63 令和7年10月3日
神奈川 1,225 63 令和7年10月4日
新潟 1,050 65 令和7年10月2日
富山 1,062 64 令和7年10月12日
石川 1,054 70 令和7年10月8日
福井 1,053 69 令和7年10月8日
山梨 1,052 64 令和7年12月1日
長野 1,061 63 令和7年10月3日
岐阜 1,065 64 令和7年10月18日
静岡 1,097 63 令和7年11月1日
愛知 1,140 63 令和7年10月18日
三重 1,087 64 令和7年11月21日
滋賀 1,080 63 令和7年10月5日
京都 1,122 64 令和7年11月21日
大阪 1,177 63 令和7年10月16日
兵庫 1,116 64 令和7年10月4日
奈良 1,051 65 令和7年11月16日
和歌山 1,045 65 令和7年11月1日
鳥取 1,030 73 令和7年10月4日
島根 1,033 71 令和7年11月17日
岡山 1,047 65 令和7年12月1日
広島 1,085 65 令和7年11月1日
山口 1,043 64 令和7年10月16日
徳島 1,046 66 令和8年1月1日
香川 1,036 66 令和7年10月18日
愛媛 1,033 77 令和7年12月1日
高知 1,023 71 令和7年12月1日
福岡 1,057 65 令和7年11月16日
佐賀 1,030 74 令和7年11月21日
長崎 1,031 78 令和7年12月1日
熊本 1,034 82 令和8年1月1日
大分 1,035 81 令和8年1月1日
宮崎 1,023 71 令和7年11月16日
鹿児島 1,026 73 令和7年11月1日
沖縄 1,023 71 令和7年12月1日
全国加重平均額 1,121 66

ついに1000円突破、2023年大幅な引き上げの最低賃金はやばい

最低賃金決定の3要素

 最低賃金を決める際は、「労働者の生計費」「一般的な賃金水準」「企業の支払い能力」という3要素を考慮することが定められています。

 賃上げ傾向は全国的にも加速しており、各都道府県で60円以上の引き上げが決定しています。最も増額したのは、プラス82円の熊本県でした。改定額の全国加重平均額は、1,121円となっています。しかも発行年月日にバラつきがあり、最も遅い発行は秋田県の令和8年3月31日です。ちゃんと準備してくださいという意なのでしょうか?

生産性を向上させるしかない

 66円のアップというと、月間100時間労働のパートだと6,600円アップ、月間労働170時間の月給者だと11,220円のアップとなりますが、世界的に見ると、まだ低い水準だそうです。それだけ日本の生産性は低いのでしょう。
 どうやって生産性を上げるか、企業努力が望まれます。当事務所でも生産性のアップをいつも声高に叫んでいますが、実態は厳しいものがあります。しかしChat-GPTをはじめとするAI、あるいはAIエージェント、またRPAやマクロなどの有効活用をしながら、人間はより難しいことにチャレンジしたり、業務を限りなく標準化するなど、まだ改善の余地はあります。とにかく厳しく闘っていくしかありません。

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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