2022年~25年に施行される人事労務関連の法令改正

2022年~25年に施行される人事労務関連の法令改正

毎年のように法改正される人事労務関連法令

 人事労務管理を行う中で、実務に関連する法令改正の動向を押さえておくことは重要です。特に近年、人事労務分野においては働き方改革の影響もあり、大小様々な法令改正が頻繁に行われています。
 今後、2022年から2025年までに施行が予定される法令改正の項目を確認してみます。

1.注目すべき2022年~25年の改正法令

 現時点で2022年から2025年までに施行が予定されている主な法令改正は下表のとおりです。
 企業規模によって、施行時期が異なるものも多く、また、就業規則を変更し、労働基準監督署への届出が必要なものもあります。対応漏れのないよう進めたいものです。

表 2022年~25年に施行される人事労務関連の法令改正
2022年~25年に施行される人事労務関連の法令改正

 いちおう法改正について、上記の表内容を列記します。

2022年4月に施行の人事労務関連法改正

  • 育児休業等の環境整備・個別周知・意向確認義務化、有期労働者の要件緩和
  • 女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の策定(101人以上の企業)
  • 職場におけるパワー八ラスメント対策の義務化(中小企業)

2022年10月に施行の人事労務関連法改正

  • 社会保険(週20時間等の加入基準)の適用拡大(101人以上の従業員規模)
  • 出生時育児休業制度の創設
  • 雇用保険育児休業給付制度の変更
  • 社会保険育児休業中の保険料免除制度の変更

2023年4月に施行の人事労務関連法改正

  • 1ヶ月60時間超の割増賃金率50%以上の適用(中小企業)
  • 育児休業取得状況の公表義務化(1,001人以上の企業)

2024年4月に施行の人事労務関連法改正

  • 建設業・自動車運転業務・医師等の限度基準適用除外の廃止

2024年10月に施行の人事労務関連法改正

  • 社会保険(週20時間等の加入基準)の適用拡大(51人以上の従業員規模)

2025年4月に施行の人事労務関連法改正

  • 雇用保険高年齢雇用継続給付の給付率上限の引き下げ

2.影響が大きい社会保険加入の適用拡大

 直近で企業に大きな負担になりうるものとして社会保険の適用拡大があります。
 2022年10月より、厚生年金保険の被保険者数が101人以上の企業では、週の所定労働時間が20時間以上で、その他の要件を満たす従業員について、社会保険の加入が必要になります。

 新たに対象となる企業で、例えば2022年4月から週の所定労働時間を25時間、契約期間1年間で締結した場合、契約当初は社会保険の加入基準を満たさなくても、2022年10月1日からは加入基準を満たすことになります。
 社会保険に加入しない範囲で働きたいと考えている従業員も少なくないと考えられることから、今後、契約更新の面談を行う際には適用拡大について説明等を行い、労働条件を決めておくとよいでしょう。

 なお、有期雇用労働者の加入基準について、現状、「雇用期間が1年以上見込まれること」であったものが、2022年10月からは「雇用期間が2ヶ月を超えて見込まれること」に変更になります。すでに適用拡大の対象になっている企業についても、注意が必要な項目になります。

対応が必要な事項を確認し万全な計画を

 2022年4月施行のものは、事前に就業規則(育児・介護休業規程等)の変更が必要になるものもあることから、対応が必要な項目を確認し、あらかじめスケジュールを立てて進めたいところです。

参考リンク

厚生労働省「社会保険適用拡大特設サイト」
https://www.mhlw.go.jp/tekiyoukakudai/

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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