裁判員候補者名簿登録者への通知 2018年11月14日発送

2020年1月24日

裁判員候補者名簿に登録された方への通知 平成30年11月14日に発送

11月14日に2019年裁判員候補者に対する通知発送

 最高裁判所から、「平成30年11月14日、平成31(2019)年の裁判員候補者名簿に登録された方に「裁判員候補者名簿への記載のお知らせ」(「名簿記載通知」ともいいます。)をお送りします」という案内が出ています。

 裁判員候補者名簿記載通知の発送は今年で11回目になります。
 これまでにこの通知を発送した裁判員候補者の方は、合計で約266万人だということです。

 裁判員候補者名簿に登録された方には、11月15日頃から、封筒に入った名簿記載通知が届くとのことです。
 この通知を受け取った場合に求められる対応などについては昨年も述べていますが、改めてとり上げましょう。

1.裁判員制度について

 そもそも裁判員候補者とは、市町村の選挙管理委員会が「くじ」により作成した名簿に基づいて、裁判所ごとに作成された裁判員候補者名簿に登録された者のことを言い、裁判員に選ばれる可能性がある者を指します。
 この裁判員候補者名簿に登録される人数は、予想される裁判員裁判対象事件の数などによって毎年変動しています。

 今回は2019年1月1日から同年12月31日までの間に対象となる裁判員候補者に対し、2018年11月14日より通知が発送されています。

2.裁判員候補者となった後の流れと企業に求められる対応

 従業員が裁判員候補者に選ばれた場合であっても必ずしも裁判員となる訳ではなく、実際に裁判員を選任する必要が出てきた際に、裁判員候補者に「裁判員等選任手続期日のお知らせ」が送付されることになっています。

 実際、この「裁判員等選任手続期日のお知らせ」を受け取った時点で業務の都合等で裁判員となることが難しいケースが考えられ、このとき、会社にどのように対応したらよいのか相談が寄せられることもあるでしょう。

 これについては、具体的な事件が起訴された後、「裁判員等選任手続期日のお知らせ」に質問票が同封されることになっています。
 送付された時点で裁判の日程が決まっていることから、その日程を前提とした辞退事由など(事業上の重要な用務で、自分で処理しないと当該業務に著しい損害が生じるおそれがある事情の有無や、重い疾病又は傷害により裁判所に行くことが困難な事情の有無など)を回答することになっており、辞退が認められるかが判断されることになります。

 そのため、従業員から相談があった際には、この質問票を必ず提出するように伝え、辞退が認められなかった場合には上長や現場と調整し、従業員が安心して裁判員として役割が担えるようにすることが求められます。

最高裁判所/裁判員制度Q&A活用を

 確率は低いかもしれませんが、自分自身や従業員に通知が届く可能性があります。
 そんな場合に備えて、最高裁判所/裁判員制度のホームページにQ&Aが用意されています。

 特に、【参加しやすい環境整備】の項目では、社員が裁判員に選ばれた場合の会社の対応を想定したようなQ&Aがいくつか用意されています。

  • (例)
  • 裁判員になって仕事を休んだために、会社を辞めさせられないかと心配です。
  • 裁判員又は裁判員候補者として裁判所に行くために会社を休む場合、有給休暇扱いにしてもらえるのでしょうか。
  • 就業規則において、(1)裁判員候補者名簿記載通知を受けたこと、(2)裁判員候補者として呼出しを受けたこと、(3)裁判員や補充裁判員に選任されたことについて、使用者に対する報告を義務付けることは問題ないでしょうか。

 自分や従業員に通知が来た際に、間違えず速やかに対応するために目を通しておきたいものです。

参考リンク

最高裁判所「11月14日、裁判員候補者名簿に登録された方に名簿記載通知を発送します」
https://www.saibanin.courts.go.jp/topics/13_11_12_meibo_hassou.html

最高裁判所「裁判員制度Q&A」
https://www.saibanin.courts.go.jp/qa/index.html#q07

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

【PR】茨城県で社会保険労務士をお探しなら菅野労務事務所へ