菅野労務FP事務所ブログ

傷病手当金

傷病手当金とは

 私傷病で欠勤し給料が支給されない場合、安心して療養に専念出来るように健康保険から賃金の一部に相当する現金が給付されます。これが傷病手当金です。

傷病手当金の支給要件

 次の4つの要件を満たすことが必要です。

①療養のため労務に服することが出来ないこと。
②労務不能の日が継続して3日間あること。
 (年次有給休暇を利用した休業でも構いません)
③労務不能により報酬の支払がないこと。
④健康保険の被保険者(任意継続被保険者を含む)であること。

※ 年次有給休暇を利用して、休業している場合は、報酬の支払いがありますので、傷病手当金は、年次有給休暇扱い出来ない日(欠勤となる日)から、支給が開始されます。

※ 療養には、自費診療自宅療養も含まれます。

※ 健康保険の被扶養者や国民健康保険の被保険者の場合は、傷病手当金は受給出来ません。
 (自営業者等の場合、民間の損害保険会社が販売している所得補償保険等に健康なうちに加入しておいた方が良いと思います。)

傷病手当金の支給金額

 労務不能1日につき、標準報酬日額の6割(月給日額の約6割)が支給されます。

※ 平成19年4月以降は、労務不能1日につき、標準報酬日額の3分の2が支給されます。

【支給額計算方法 例】

 糖尿病のため、60日間入院及び通院のため、労務不能であった。
 標準報酬月額30万円の人の場合。

     30万円÷30日=1万円    1万円×0.6×60日=36万円

     この人の場合、36万円が支給されます。

月給との調整

 傷病手当金は、月給の全部又は一部が支給される場合、この間は支給されません。
 但し、その受ける月給が、傷病手当金より少ない日については、その差額が支給されます。

傷病手当金の各種の併給調整

出産手当金との調整


 傷病手当金と出産手当金が両方支給される日にあっては、出産手当金が支給され、傷病手当金は支給されません。

 傷病手当金が先に支給されたときは、出産手当金の内払とみなされます。

障害厚生年金・障害手当金との併給調整

 同一の傷病により障害厚生年金又は障害手当金が支給されるときは、1年6ヶ月未経過でも傷病手当金の支給が打ち切られます。
 但し、1日当りの傷病手当金の額が障害厚生年金の1日当りの額より多い場合は、その差額が支給されます。
 障害手当金の支給を受けたときは、障害手当金の額に達するまで傷病手当金は支給されません。

休業補償給付との併給調整

 労災保険の休業補償給付を受けている間は、傷病手当金を受給することは出来ません。
 但し、1日当りの傷病手当金の額が休業補償給付の1日当りの額より多い場合は、その差額が支給されることがあります。

老齢退職年金給付との調整

 傷病手当金の支給を受けるべき者(任意継続被保険者又は資格喪失後の継続給付受給者に限る)が、老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付(老齢退職年金給付)の支給を受けることが出来る時は、傷病手当金は支給されません。
 但し、老齢退職年金給付の額を360で除して得た額と傷病手当金の日額を比較し、支給される老齢退職年金給付の額が傷病手当金の額より低い場合は、その差額が支給されます。

傷病手当の支給期間

 支給を始めた日から起算して1年6月が限度です。
 なお、労務不能となった最初の3日間は支給されません。
 1ヶ月に1度位の間隔で請求すれば良いでしょう。

 同一病名の場合は、完治しない場合は、1年6ヶ月が限度ですので、それ以降は支給されません。
 支給を受けた病気と関連のない病気にかかった場合や以前の病気が完治(社会的治癒を含む)し、その後再発した場合は、支給されます。

【社会的治癒】

 社会的治癒とは、同じ病気であって一定期間薬を飲んでいないとか、病院に通院していない場合に病気が治癒したものと扱うことです。

 厚生労働省の通達では、
「社会的治癒とは、医療を行う必要がなくなり、社会的に復帰している状態をいう。薬治下又は療養所内にいるときは、一般社会における労働に従事している場合でも社会的治癒とは認められない」
 ことになっています。

 結核、糖尿病、精神疾患では「3年くらい」薬を飲んでいない、通院、入院していないことが必要です。

傷病手当金と退職

 私傷病で休業して退職する場合、傷病手当金を受給するためには、次の条件が必要です。

①在職中3日間(退職日を含みません)以上続けて休業し、待機期間を満たした後に退職し被保険者の資格喪失を喪失しても継続して傷病手当金が支払われます。
1年以上継続して被保険者であったことが必要です
 これを、資格喪失後の継続給付と言います。
 この場合、3日間の連続休業も含めて、在職中の休業を全て年次有給休暇扱いしてくれる会社にいた場合は、退職後支給が開始されますので、退職日の翌日から起算して1年6ヶ月が支給期間の限度となります。
 退職し被保険者の資格喪失後は、病気等になった場合は、治療費等は資格喪失後の給付はありませんので、任意継続被保険者になるか、国民健康保険に加入することが必要です。

②1年以上継続して被保険者でなかった場合は、2ヶ月以上継続して被保険者であれば、自分で住所地を管轄する社会保険事務所(政府管掌健康保険の場合)または健康保険組合に「任意継続被保険者」の申請を退職日の翌日から20日以内にすることが必要です。
 任意継続被保険者になれば、保険料は自己負担分に、会社負担分も合わせて支払うことになりますが、支給事由に該当すれば、傷病手当金が支給されます。
(保険料を払う基準が変更されるため、給付額が変わるケースもあります(政府管掌健康保険の被保険者で標準報酬月額が28万円以上の方の場合、28万円に標準報酬月額が下がるため)ので、ご注意下さい。)
 また、退職後病気・負傷等で傷病手当金の支給要件を満たせば、傷病手当金支給の対象となった以外の病気・負傷等であっても傷病手当金は支給されます。
 (但し、既に傷病手当金受給中の日については、二重に支給されません。傷病手当金支給の対象となった病気・負傷による受給が終了し、なお、新たな病気・負傷による傷病手当金受給期間が残っている場合、その期間につき支給されます。)

③平成19年4月以降は任意継続被保険者の保険給付から傷病手当金の支給がなくなります。

※1日当りの支給額について

 ①の資格喪失後の給付を受ける場合、支給額は労務不能1日につき、退職時の「標準報酬日額」の6割となります。
(退職後、国民健康保険に加入した場合)
 ①又は②で任意継続被保険者になった場合、政府管掌健康保険では、標準報酬月額28万円または退職時の標準報酬月額が28万円未満の場合は、いずれか少ない方のその標準報酬月額を30で割り、「標準報酬日額」を算出します。
 支給額は労務不能1日につき、算出した「標準報酬日額」の6割となります。

傷病手当金 在職中の受給手続

 「健康保険傷病手当金請求書」に医師の意見と事業主の証明を記入して貰い、会社を管轄する社会保険事務所に提出します。
 総務担当者がいれば、傷病手当金請求書の用紙を送付して貰い、医師の意見を記入して頂き、会社へ返送すれば、総務担当者が、会社の証明の記入と社会保険事務所又は健康保険組合への提出を代行してくれます。

傷病手当金 退職後の受給手続

 会社を退職していますので、社会保険事務所又は健康保険組合から「健康保険傷病手当金請求書」の用紙を取り寄せ、医師に意見を記入して頂き、会社を管轄する社会保険事務所又は健康保険組合に自分で送付または提出することが必要です。
 任意継続被保険者の場合は、住所地を管轄する社会保険事務所又は健康保険組合に送付または提出することになります。

退職後の健康保険制度

 退職後の健康保険制度は、こちらをご覧下さい。

★サラリーマンを退職し、無職又は自営業になるとクレジットカードが作れなくなります。
 これは安定的な収入がないと返済が滞るとクレジット会社が懸念するためです。
 そこで、使う使わないは別として、在職中にクレジットカードだけを作っておいた方がいざというとき高金利の消費者金融から借りなくても済みます。
 在職中にクレジットカードが作れる主な会社は下記の通りです。取り合えず、カードだけは作っておかれた方が良いと思います。

メール相談・電話相談

 病気・ケガで退職せざると得ない場合も出来るだけ有利な条件で退職することが重要です。
 折角長い間、健康保険料、雇用保険料を払ってきたのですから。

□ 退職後は「資格喪失後の継続給付として傷病手当金受給+国民健康保険」と「任意継続後の給付としての傷病手当金受給+任意継続保険」のどちらが有利か?

□ 雇用保険の基本手当(失業手当)を病気が治った後に受給するには?

□ 年次有給休暇の残日数を消化するには?

 これらの内容に関し、有料でご相談に応じます。
 相談料は、メール相談、電話相談(30分程度)とも1回当たり3,000円です。
 関東圏の方は事務所での個別相談にも応じています。
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