外国人と日本人の賃金格差が明らかに~パーソル総合研究所調査

2020年1月19日

外国人と日本人の賃金格差が明らかに~パーソル総合研究所調査より

外国人雇用実態等調査の概要

 人口減少、労働力不足の一助として、外国人材の活用が進んでいます。
 また、人材の多様化の推進に取り組む企業が採用を進める人材として、女性活用に続いて、外国人活用をあげているという調査結果(エン・ジャパン調べ)もあります。

 今回は、総合人材サービスの株式会社パーソル総合研究所が実施した、「外国人雇用に関する企業の意識・実態調査」結果において注目すべき点を取り上げます。

外国人雇用等調査結果

 外国人材の離職が日本人よりも低い職場では、支援体制が充実していることが判明しています。外国人雇用上の課題はコミュニケーション・日本語能力が中心となっており、多いトラブルは雇用形態によって様々なようです。

外国人と日本人の賃金格差と離職率

 外国人材の職種としては、「専門的・技術的職業」が43.2%と、「販売」(9.8%)や「管理的職種」(9.4%)と比較すると圧倒的に多いことがわかります。

 今回の調査で最も注目すべき点として、外国人と日本人の賃金格差が明らかになったことがあげられます。
 外国人正社員の給与(月収)について、外国人の平均36.6万円に対し、日本人は41.2万円と4.6万円の差があることがわかりました。

 また、外国人の離職率については、外国人と日本人の賃金格差が小さいほど離職率も低く、格差が大きいほど離職率が高いこともわかりました。

外国人雇用の今後の動向

 既に外国人雇用をしている企業では、さらに外国人の雇用を拡大する意向が約7割あり、雇用形態別でみると、正社員雇用している企業で73.7%、パート・アルバイト雇用している企業で67.4%、技能実習生を雇用している企業で71.9%が拡大する意向を示しています。

 また、既に外国人雇用をしている企業の41.2%が、人材確保対策の優先順位として「外国人採用・活用強化」を最優先としてあげていて、「中途採用の促進」を押さえて1位となっています。

 一方、現在は外国人雇用をしておらず、今後検討するとしている企業では、9.2%の企業が最優先としてあげていて、12位の優先順位となっています。

特定技能の雇用

 2019年4月施行の改正入管法で新しく始まった在留資格「特定技能」について、対象となる14業種に属する企業に尋ねたところ、「検討していない」45.2%、「よく知らない」18.4%と、6割超の企業が消極的で、「検討している」は34%、「既に雇用している」は2.4%にとどまりました。

企業が適切な外国人雇用対応を

 外国人雇用をめぐっては、送り出し機関や管理団体等関連団体の不正や外国人労働者の自殺・失踪等、ブラックな問題は根深くありますが、企業が適切な雇用対応をすることで、外国人従業員も安心して安全に働け、結果的にタイバーシティの効力につながるのでしょう。

参考リンク

パーソル総合研究所:外国人雇用に関する企業の意識・実態調査
https://rc.persol-group.co.jp/research/activity/data/employment-of-foreigners.html

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