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第4章 労働時間、休憩及び休日(週休2日、厚労省モデル就業規則

 社会保険労務士事務所の菅野労務FP事務所(茨城県石岡市)が作成した法令や厚労省モデル就業規則の参照集で、可能な限りリンクでつないでいます。

1 労働時間、休憩及び休日に関することは、就業規則の絶対的必要記載事項に当たります。

2 労基法第32条第1項において、1週間の労働時間の上限は40時間と定められています。ただし、特例措置として、商業(労基法別表第1第8号)、映画の製作の事業を除く映画・演劇業(第10号)、保健衛生業(第13号)、接客娯楽業(第14号)の事業であって、労働者数10人未満の事業場(以下「特例措置対象事業場」といいます。)は、1週44時間まで働かせることが認められています(労基法第40条労基則第25条の2)。
 また、労基法第32条第2項において、1日の労働時間の上限は8時間と定められています。

3 休憩時間については、1日の労働時間が6時間を超える場合には少なくとも45分、8時間を超える場合には少なくとも1時間の休憩時間を与えなければなりません(労基法第34条)。

4 休日については、毎週少なくとも1回又は4週間を通じ4日以上与えなければなりません(労基法第35条)。

5 上記2から4までの労基法の規定に適合する労働条件とするためには、①週休2日制とする、②週休1日制で1日の所定労働時間を短く設定する、③変形労働時間制(1か月単位、1年単位等)を導入する等の方法がありますので、それぞれの事業場の実情に応じて、下記の規程例を参考に就業規則を作成してください。

[例1]完全週休2日制を採用する場合の規程例

 1日の労働時間を8時間とし、完全週休2日制を採用する場合の規程例です。

第19条(労働時間及び休憩時間)

 労働時間は、1週間については40時間、1日については8時間とする。

2 始業・終業の時刻及び休憩時間は、次のとおりとする。ただし、業務の都合その他やむを得ない事情により、これらを繰り上げ、又は繰り下げることがある。この場合、前日までに労働者に通知する。

3 交替勤務における各労働者の勤務は、別に定めるシフト表により、前月の〇〇日までに各労働者に通知する。

4 交替勤務における就業番は原則として〇〇日ごとに〇〇番を〇〇番に、〇〇番を〇〇番に、〇〇番を〇〇番に転換する。

5 一般勤務から交替勤務へ、交替勤務から一般勤務への勤務形態の変更は、原則として休日又は非番明けに行うものとし、前月の〇〇日前までに〇〇が労働者に通知する。

解説【第19条 労働時間及び休憩時間】

1 始業及び終業の時刻、休憩時間は、就業規則に必ず定めておかなければなりません。また、交替勤務をとる場合は、勤務形態ごとの始業・終業時刻及び休憩時間を規定するとともに、就業番の転換についても就業規則に規定してください。

2 休憩は、原則として事業場すべての労働者に一斉に与えなければなりませんが、本規程例のように交替勤務を採用する等一斉に与えることが困難な場合には、労働者代表との書面による協定(以下「労使協定」といいます。)を結ぶことにより交替で与えることができます(労基法第34条第2項)。この場合、一斉に休憩を与えない労働者の範囲及び当該労働者に対する休憩の与え方について、労使協定で定めなければなりません(労基則第15条)。
また、一斉休憩付与に対する例外として、労基法第40条に基づき、労基則第31条において、運輸交通業(労基法別表第1第4号)、商業(同第8号)、金融・広告業(同第9号)、映画・演劇業(同第10号)、通信業(同第11号)、保健衛生業(同第13号)、接客娯楽業(同第14号)及び官公署の事業について、一斉に休憩を与えなくてもよい旨が定められています。
 労使協定の労働者代表については、本規程例第21条の解説を参照してください。

3 休憩時間は、労働者に自由に利用させなければなりません。使用者の指示があった場合には即時に業務に従事することを求められており、労働から離れることが保障されていない状態で待機等している時間(いわゆる「手待ち時間」)については労働時間に当たり休憩時間ではありませんので注意してください。

第20条(休日)

 休日は、次のとおりとする。

  • ① 土曜日及び日曜日
  • ② 国民の祝日(日曜日と重なったときは翌日)
  • ③ 年末年始(12月〇〇日~1月〇〇日)
  • ④ 夏季休日(〇〇月〇〇日~〇〇月〇〇日)
  • ⑤ その他会社が指定する日

2 業務の都合により会社が必要と認める場合は、あらかじめ前項の休日を他の日と振り替えることがある。

解説【第20条 休日】

1 労基法では何曜日を休日とするかあるいは国民の祝日を休日とするかについて規定していません。1週間の中で何曜日を休日としても、また、週によって異なる曜日を休日としても差し支えありません。さらに、勤務の実態に合わせて、労働者ごとに異なる日に交替で休日を与えることもできます。

2 休日は、原則として暦日(午前0時から午後12時までの継続24時間をいう。)で与えなければなりません。しかし、番方編成による交替制(8時間3交替勤務のような場合をいう。)を導入するような場合、以下の要件を満たせば休日は暦日ではなく、継続した24時間を与えれば差し支えないとされています(昭和63年3月14日付け基発150号)。

  • (イ)番方編成による交替制によることが就業規則等により定められており、制度として運用されていること。
  • (ロ)各番方の交替が規則的に定められているものであって、勤務割表等によりその都度設定されるものではないこと。

3 本条第2項において定めている、いわゆる「振替休日」とは、例えば業務の都合によって所定休日である日曜日に勤務させなければならない場合に、当該日曜日を勤務日に変更し、その代わり勤務日である例えば月曜日を休日とするように、所定の休日とあらかじめ他の勤務日と振り替えることをいいます。
 また、「代休」とは、休日に休日労働を行わせた場合に、その代わりに以後の特定の勤務日又は労働者の希望する任意の勤務日の労働義務を免除し、休みを与える制度のことをいいます。振替休日と代休の労基法上での取扱いの違いは次のとおりです。

「労働基準法上の振替休日と代休の取扱いの違い」

  • ①振替休日は、あらかじめ定められた法定休日を他の日に振り替えることですから、振替前の休日に勤務しても通常の勤務と同じです。したがって、休日労働に対する割増賃金の問題は発生しませんが、振り替えた休日が週をまたがった場合、振替勤務したことにより、当該週の実労働時間が週の法定労働時間を超える場合があります。その場合は時間外労働に対する割増賃金の支払が必要となります。

その一方で、代休は、定められた法定休日に休日労働を行わせた場合ですから、その後に代休を与えても休日労働をさせたことが帳消しにされるものではありませんので、休日労働に対する割増賃金を支払う必要があります。

  • ② 休日は労働者の労働義務のない日ですから、これを振り替える場合は、以下に示す措置が必要となります。
  • ア 就業規則に振替休日の規程を置くこと。
  • イ 振替休日は特定すること。
  • ウ 振替休日は4週4日の休日が確保される範囲のできるだけ近接した日とするこ と。
  • エ 振替は前日までに通知すること。

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就業規則_第4章_労働時間_休憩及び休日_週休2日.txt · 最終更新: 2023/05/28 18:05 by norimasa

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