このページの翻訳:
  • ja

第9章 無期労働契約への転換(厚労省モデル就業規則

 社会保険労務士事務所の菅野労務FP事務所(茨城県石岡市)が作成した法令や厚労省モデル就業規則の参照集で、可能な限りリンクでつないでいます。

※期間の定めのある労働契約(有期労働契約)で働く従業員に適用される就業規則を別に作ることもできます。

第57条(無期労働契約への転換)

 期間の定めのある労働契約(有期労働契約)で雇用する従業員のうち、通算契約期間が5年を超える従業員は、別に定める様式で申込むことにより、現在締結している有期労働契約の契約期間の末日の翌日から、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)での雇用に転換することができる。

2 前項の通算契約期間は、平成25年4月1日以降に開始する有期労働契約の契約期間を通算するものとする。ただし、契約期間満了に伴う退職等により、労働契約が締結されていない期間が連続して6ヶ月以上ある従業員については、それ以前の契約期間は通算契約期間に含めない。

3 この規則に定める労働条件は、第1項の規定により無期労働契約での雇用に転換した後も引き続き適用する。ただし、無期労働契約へ転換した時の年齢が、第51条に規定する定年年齢を超えていた場合は、当該従業員に係る定年は、満__歳とし、定年に達した日の属する月の末日をもって退職とする。

解説【第57条 無期労働契約への転換】

1 平成25年4月1日以後に開始する有期労働契約が、同一の使用者との間で通算5年を超えて更新された場合は、労働者の申込みにより期間の定めのない労働契約(無期労働契約)へ転換します(契約法第18条)。無期労働契約への申込みは、申込みをしたかどうかの争いを防ぐため、書面の様式を整備し、書面で行うことをおすすめします。

2 なお、有期労働契約とその次の有期労働契約の間に、契約がない期間(無契約期間)が6ヶ月以上あるときは、その空白期間より前の契約期間は通算されません。
 ただし、無契約期間以前の通算契約期間が1年未満の場合は、次の表の左欄の通算契約期間の区分に応じて、右欄の無契約期間がある場合に、当該無契約期間以前の契約期間は通算されないこととなります。

通算の対象となる有期労働契約の契約期間 契約がない期間 
  2か月以下  1か月以上
  2か月超~4か月以下  2か月以上
  4か月超~6か月以下  3か月以上
  6か月超~8か月以下  4か月以上
  8か月超~10か月以下  5か月以上
  10か月超~   6か月以上

3 無期労働契約への転換後の労働条件(職務、勤務地、賃金、労働時間など)は、別段の定め(労働協約、就業規則、個々の労働契約)がない限り、直前の有期労働契約と同一となります。特に、定年など、有期契約労働者には通常適用されない労働条件を無期転換後の労働条件として適用する必要がある場合には、あらかじめ労働協約、就業規則、個々の労働契約により、その内容を明確化しておくようにしてください。
 ただし、例えば65歳で無期転換した者の定年を66歳とするような場合など、無期労働契約への転換を通じて雇用の安定を図るという無期転換ルールの趣旨を没却させるような目的で定年の定めをすることは、法の趣旨に照らして望ましいものとは言えません。

 無期転換ルール全般について詳しくは、パンフレット「労働契約法改正のあらまし」4~7頁や、『有期契約労働者の無期転換ポータルサイト』をご参照ください。

厚生労働省モデル就業規則の関連ページ

このページの翻訳:
  • ja
就業規則_第9章_無期労働契約への転換.txt · 最終更新: 2023/05/28 18:07 by norimasa

菅野労務FP事務所(茨城県石岡市の社会保険労務士事務所)