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第四章 特定業種退職金共済契約(中小企業退職金共済法

 社会保険労務士事務所の菅野労務FP事務所(茨城県石岡市)が作成した法令の参照集で、可能な限りリンクでつないでいます。各ページ基本は章ごとのページにしています。

第一節 通則

第三十九条(特定業種退職金共済契約)

 第三条第三項第一号に該当する者として特定業種に属する事業を営む中小企業者に雇用され、かつ、当該特定業種に属する事業に従事することを常態とする者に係る特定業種退職金共済契約については、この章の定めるところによる。

第四十条(特定業種の指定)

 厚生労働大臣は、特定業種の指定をするに当たつては、機構により当該特定業種に係る第七十条第一項第一号に掲げる業務が行われた場合において当該特定業種に属する事業を営む相当数の中小企業者が当該特定業種に係る特定業種退職金共済契約の共済契約者となる見込みがあることその他の事情を考慮し、かつ、労働政策審議会の意見を聴かなければならない。

第二節 特定業種退職金共済契約の締結等

第四十一条(締結等)

 中小企業者でなければ、特定業種退職金共済契約を締結することができない。

2 特定業種退職金共済契約が締結されたときは、第四項の規定により被共済者とならないものとされた者を除き、共済契約者が雇用する第三十九条に規定する者は、当該特定業種退職金共済契約の効力が生ずる時(当該特定業種退職金共済契約の効力が生じた後当該共済契約者に新たに雇用された者については、その者が雇用された時)において、すべて当該特定業種退職金共済契約の被共済者となる。

3 前項の規定にかかわらず、現に特定業種退職金共済契約の被共済者である者その他厚生労働省令で定める者は、特定業種退職金共済契約の被共済者とならない。

4 中小企業者は、特定業種退職金共済契約の締結に当たつて(第七十三条第七項の規定によつて締結されたものとみなされる特定業種退職金共済契約については、同条第六項の規定による募集に応ずるに当たつて)、所定労働時間が特に短い者その他の厚生労働省令で定める者が当該特定業種退職金共済契約の被共済者とならないものとすることができる。

5 機構は、特定業種退職金共済契約の申込者が次条第二項第一号の規定により特定業種退職金共済契約を解除され、その解除の日から六月を経過しない者である場合その他厚生労働省令で定める正当な理由がある場合を除き、その締結を拒絶してはならない。

6 共済契約者は、特定業種退職金共済契約の効力が生じた後においても、第四項に規定する者であつて当該特定業種退職金共済契約の被共済者とならないこととなるものの範囲を拡大し、及び縮小することができる。

7 共済契約者は、前項の規定により同項に規定する者の範囲を拡大しようとする場合において、現にその者が雇用する従業員のうちにその範囲の拡大により被共済者とならないこととなる者があるときは、これらの者の四分の三以上の同意を得なければならない。ただし、これらの者に係る掛金の納付を継続することが著しく困難であると厚生労働大臣が認めたときは、この限りでない。

第四十二条(解除)

 機構又は共済契約者は、次項又は第三項に規定する場合を除いては、特定業種退職金共済契約を解除することができない。

2 機構は、次の各号の一に該当する場合には、特定業種退職金共済契約を解除するものとする。ただし、第二号に該当する場合であつて、厚生労働省令で定めるところにより、あらかじめ、厚生労働大臣の承認を受けたときは、この限りでない。

  • 一 共済契約者が、厚生労働省令で定める期間について、その期間中に納付すべき掛金の総額のうち厚生労働省令で定める割合に相当する額以上の掛金の納付を怠つたとき(厚生労働省令で定める正当な理由がある場合を除く。)。
  • 二 共済契約者が中小企業者でない事業主となつたとき。
  • 三 共済契約者が当該特定業種に属する事業の事業主でなくなつたとき。

3 共済契約者は、次の各号の一に該当する場合には、特定業種退職金共済契約を解除することができる。

  • 一 被共済者の四分の三以上の同意を得たとき。
  • 二 掛金の納付を継続することが著しく困難であると厚生労働大臣が認めたとき。

第四十三条(退職金)

 機構は、被共済者が次の各号のいずれかに該当するときは、その者に係る特定業種掛金納付月数(当該被共済者に係る特定業種退職金共済契約に基づき掛金の納付があつた全ての日数(その者が既に退職金の支給を受けたことがある者である場合においては、その退職金の額の算定の基礎となつた日数を除く。)を当該特定業種に従事する者の就労状況を考慮して政令で定める方法により月数に換算したものをいう。以下同じ。)に応じて、退職金を支給する。ただし、特定業種掛金納付月数が二十四月(被共済者が第一号若しくは第二号イに該当するとき、又は特定業種のうち厚生労働大臣が指定するものに係る特定業種退職金共済契約の被共済者であるときは、十二月)に満たないときは、この限りでない。

  • 一 死亡したとき。
  • 二 退職した後再び被共済者となることなくして次のいずれかに該当するとき。
    • イ 死亡したとき。
    • ロ 負傷又は疾病により当該特定業種に属する事業に従事することができない者となつたとき。
    • ハ 当該特定業種に属する事業の事業主でない事業主に雇用されるに至つたとき、その他厚生労働省令で定める場合に該当するに至つたとき。
  • 三 前号ロ又はハに該当した後退職したとき。

2 共済契約者が中小企業者でない事業主となつたとき(前条第二項ただし書の承認があつた場合を除く。)又は当該特定業種に属する事業の事業主でなくなつたときは、前項第二号又は第三号の規定の適用については、当該被共済者は、退職したものとみなす。

3 被共済者がその者を現に雇用する事業主に期間を定めないで雇用されるに至つたときは、その者は、第一項第二号ハに該当したものとみなす。

4 被共済者が第一項第一号又は第二号イに該当したことによる退職金は、当該死亡者の遺族に支給する。

5 退職金の額は、掛金の日額及び特定業種掛金納付月数に応じ、かつ、第十条第二項の退職金の額の算定の方法その他の事情を勘案して、特定業種ごとに、政令で定める。

第四十四条(掛金)

 掛金は、日を単位として定めるものとし、その額は、被共済者一人につき、三百円以上八百円以下の範囲において、特定業種退職金共済規程で定める。

2 掛金の日額には、十円未満の端数があつてはならない。

3 掛金の日額は、特定業種ごとに、単一の金額でなければならない。

4 共済契約者は、被共済者に賃金を支払う都度、退職金共済手帳に退職金共済証紙を貼り付け、これに消印することによつて掛金を納付しなければならない。

5 特定業種のうち厚生労働大臣が指定するものに係る特定業種退職金共済契約についての掛金の納付については、共済契約者が電子情報処理組織(機構の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下この項において同じ。)と共済契約者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を使用して、厚生労働省令で定めるところにより、被共済者の就労の実績を機構に報告することとした場合には、前項に規定する方法に代えて、厚生労働省令で定めるところにより、現金をもつてすることができる。

6 退職金共済手帳、退職金共済証紙その他掛金の納付に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。

第四十五条(加入促進等のための掛金負担軽減措置)

 機構は、特定業種に属する事業を営む中小企業者が特定業種退職金共済契約の申込みをすることの促進その他この章の規定による中小企業退職金共済事業の円滑な実施を図るため、厚生労働省令で定めるところにより、共済契約者の掛金に係る負担を軽減する措置として、一定の日分の掛金の納付を免除することができる。

2 前項の規定に基づき掛金の納付の免除の措置が講ぜられた日のある被共済者について、第四十三条第一項の規定による月数への換算又は次条第一項若しくは第五十五条第四項の規定により繰り入れるべき金額の算定をするときは、当該日については、掛金の納付があつたものとみなす。

第四十六条(被共済者が特定業種間を移動した場合の取扱い)

 機構は、第一号に掲げる場合にあつては同号に規定する被共済者に支給すべき退職金、第二号に掲げる場合にあつては甲特定業種に係る特定業種退職金共済契約の被共済者が乙特定業種に係る特定業種退職金共済契約の被共済者となつた時において第四十三条第一項第二号ハに該当したものとみなした場合にその者に支給すべきこととなる退職金に相当する額(納付された掛金の総額がこれを超える場合(第五十一条において準用する第十条第五項の規定により退職金が減額して支給されるべきときを除く。)又は第四十三条第一項ただし書の規定に該当する場合は、納付された掛金の総額)を、厚生労働省令で定めるところにより、第七十四条第一項の規定により設けられている甲特定業種に係る勘定から、同項の規定により設けられている乙特定業種に係る勘定に繰り入れなければならない。

  • 一 甲特定業種に係る特定業種退職金共済契約の被共済者が退職した後三年以内に、退職金を請求しないで乙特定業種に係る特定業種退職金共済契約の被共済者となり、かつ、その者から甲特定業種に係るその者の特定業種掛金納付月数を乙特定業種に係るその者の特定業種掛金納付月数に通算することを希望する旨の申出があつた場合において、その退職が当該被共済者の責めに帰すべき事由又はその都合(厚生労働省令で定めるやむを得ない事情に基づくものを除く。)によるものでないと厚生労働大臣が認めたとき。
  • 二 共済契約者から、現に甲特定業種に係る特定業種退職金共済契約の被共済者である者の同意を得て、その者を乙特定業種に係る特定業種退職金共済契約の被共済者に変更し、かつ、甲特定業種に係るその者の特定業種掛金納付月数を乙特定業種に係るその者の特定業種掛金納付月数に通算することを希望する旨の申出があつたとき(当該被共済者が乙特定業種に係る特定業種退職金共済契約の被共済者となつたときに限る。)。

2 前項の繰入れがあつたときは、その者について、同項の乙特定業種に係る特定業種退職金共済契約についての掛金の納付があつたものとみなす。この場合において、甲特定業種に係るその者の特定業種掛金納付月数に乙特定業種に係るその者の特定業種掛金納付月数を加えた月数が二十四月(その者が第四十三条第一項第一号若しくは第二号イに該当するとき、又は特定業種のうち厚生労働大臣が指定するものに係る特定業種退職金共済契約の被共済者であるときは、十二月)以上となる者及び当該繰り入れた金額から当該加えた月数に係る金額として政令で定める金額を控除した残余の額を有する者に関して前項の繰入れがあつた後に行われる退職金の支給については、同条第一項ただし書の規定は、適用しない。

3 前項の規定により納付があつたものとみなされる掛金に係る特定業種掛金納付月数の算定方法その他退職金の支給に関し必要な事項は、政令で定める。

第四十七条(元請負人の事務処理)

 事業が数次の請負によつて行われる場合の元請負人が、下請負人の委託を受けて、特定業種退職金共済契約の締結その他特定業種退職金共済契約に関して下請負人が行うべき事務を処理する場合におけるその事務の処理に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。

第四十八条(退職金共済手帳の交付)

 機構は、共済契約者から請求があつたときは、遅滞なく、退職金共済手帳を交付しなければならない。

2 共済契約者は、その者が現に雇用する従業員が被共済者となつたとき、又は新たに従業員を雇用することによつて当該従業員が被共済者となつたときは、当該被共済者に対し、遅滞なく、退職金共済手帳を交付しなければならない。ただし、現に退職金共済手帳を所持している者については、この限りでない。

 罰則:第八十九条(三十万円以下の罰金)

第四十九条(従業員に対する告知等)

 共済契約者は、新たに従業員を雇用するに当たつては、その者に対し、その者が被共済者となるかどうかを告知しなければならない。

2 事業主は、共済契約者でなくなつたときは、遅滞なく、その旨を、各作業場の見やすい場所に掲示する等の方法により被共済者でなくなつた者に周知させなければならない。その現に雇用する被共済者である従業員の全部又は一部が、第四十一条第三項又は第六項の規定により被共済者でなくなつたときも、同様とする。

 罰則:第八十九条(三十万円以下の罰金)

第五十条(届出)

 共済契約者は、当該特定業種に属する事業を営む中小企業者でない事業主となつたときは、遅滞なく、その旨を機構に届け出なければならない。

 罰則:第八十九条(三十万円以下の罰金)

第五十一条(準用)

 第五条第七条第一項、第八条第四項、第十条第五項、第十一条第十四条第十五条第十七条の二第十九条から第二十一条まで、第三十三条第三十四条第三十五条第三項、第三十六条及び第三十八条の規定は、特定業種退職金共済契約について準用する。この場合において、第十四条第一項中「第十条第一項」とあるのは、「第四十三条第四項」と読み替えるものとする。

 罰則:第八十九条(三十万円以下の罰金)

第三節 特定業種の指定等に伴う経過措置

第五十二条(被共済者に関する経過措置)

 機構は、特定業種の指定があつたことに伴い当該特定業種に係る第七十条第一項第一号に掲げる業務を開始する際、当該業務の正常な運営を図るため必要がある場合において、厚生労働大臣の認可を受けたときは、第四十一条第二項の規定にかかわらず、当該特定業種に係る共済契約者の雇用する従業員のうち一定の職種、地域等に係る者が一定の期間内は被共済者とならないものとすることができる。ただし、この期間は、当該特定業種に係る同号に掲げる業務の開始の日から五年を超えることができない。

第五十三条(従前の積立事業についての取扱い)

 機構が特定業種の指定があつたことに伴い当該特定業種に係る第七十条第一項第一号に掲げる業務を開始する際現に当該特定業種に属する事業を営む中小企業者が共同して実施している従業員のための退職金積立ての事業(以下この条において「積立事業」という。)で厚生労働省令で定める基準に適合すると厚生労働大臣が認定するものに参加している当該特定業種に属する事業を営む中小企業者が、第七十三条第五項の規定による募集に応じ、同条第八項の規定によつて機構との間に特定業種退職金共済契約が締結されたものとみなされ、又は当該特定業種に係る同号に掲げる業務の開始の日から一年以内に、機構との間に特定業種退職金共済契約を締結し、当該従業員が被共済者となつた場合において、当該中小企業者が、当該期間内に、当該被共済者について当該積立事業に積み立てられている金額の範囲内で政令で定める金額を機構に納付したときは、その金額に応じて政令で定める月数を当該被共済者に係る特定業種掛金納付月数に通算するものとする。この場合において、通算すべき月数は、当該従業員について当該中小企業者が積立事業に参加していた期間の月数(その期間の月数が七十二月を超えるときは、七十二月)を超えることができない。

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中退共法4.txt · 最終更新: 2023/09/11 18:32 by tokita

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