社会保険労務士事務所の菅野労務FP事務所(茨城県石岡市)が作成した法令の参照集で、可能な限りリンクでつないでいます。各ページ基本は章ごとのページにしています。
中小企業者でなければ、退職金共済契約を締結することができない。
2 現に退職金共済契約の被共済者である者については、その者を被共済者とする新たな退職金共済契約を締結することができない。
3 中小企業者は、次の各号に掲げる者を除き、すべての従業員について退職金共済契約を締結するようにしなければならない。
4 機構は、次の各号に掲げる場合を除いては、退職金共済契約の締結を拒絶してはならない。
退職金共済契約は、被共済者ごとに、掛金月額を定めて締結するものとする。
2 掛金月額は、被共済者一人につき、五千円(退職金共済契約の申込みの日において、一週間の所定労働時間が、当該共済契約者に雇用される通常の従業員の一週間の所定労働時間に比し短く、かつ、厚生労働大臣の定める時間数未満である者に該当する被共済者(第二十七条第四項において「短時間労働被共済者」という。)にあつては、二千円)以上三万円以下でなければならない。
3 掛金月額は、二千円を超え一万円未満であるときは千円に整数を乗じて得た額、一万円を超え三万円未満であるときは二千円に整数を乗じて得た額でなければならない。
被共済者及びその遺族は、当然退職金共済契約の利益を受ける。
中小企業者は、その雇用する従業員の意に反して当該従業員を被共済者とする退職金共済契約の申込みを行つてはならない。
2 中小企業者は、退職金共済契約の申込みをするときは、当該退職金共済契約の被共済者となる者の氏名及び掛金月額を明らかにしなければならない。
退職金共済契約は、機構がその申込みを承諾したときは、その申込みの日において成立したものとみなし、かつ、その日から効力を生ずる。
2 退職金共済契約が成立したときは、共済契約者は、遅滞なく、その旨を被共済者に通知しなければならない。
3 機構は、退職金共済契約の成立後遅滞なく、共済契約者に退職金共済手帳を交付しなければならない。
4 退職金共済手帳は、掛金の納付状況を明らかにすることができるものでなければならない。
罰則:第八十九条(三十万円以下の罰金)
機構又は共済契約者は、第二項又は第三項に規定する場合を除いては、退職金共済契約を解除することができない。
2 機構は、次の各号に掲げる場合には、退職金共済契約を解除するものとする。ただし、第二号に該当する場合であつて、厚生労働省令で定めるところにより、あらかじめ、厚生労働大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
3 共済契約者は、次の各号に掲げる場合には、退職金共済契約を解除することができる。
4 退職金共済契約の解除は、将来に向つてのみその効力を生ずる。
5 前条第二項の規定は、退職金共済契約の解除について準用する。
罰則:第八十九条(三十万円以下の罰金)
機構は、共済契約者から掛金月額の増加の申込みがあつたときは、これを承諾しなければならない。
2 機構は、共済契約者からの掛金月額の減少の申込みについては、前条第三項各号に掲げる場合を除き、これを承諾してはならない。
3 前二項の申込みは、被共済者の氏名及び増加後又は減少後の掛金月額を明らかにしてしなければならない。
4 第七条第一項及び第二項の規定は、掛金月額の増加又は減少について準用する。
罰則:第八十九条(三十万円以下の罰金)
機構は、被共済者が退職したときは、その者(退職が死亡によるものであるときは、その遺族)に退職金を支給する。ただし、当該被共済者に係る掛金の納付があつた月数(以下「掛金納付月数」という。)が十二月に満たないときは、この限りでない。
2 退職金の額は、次の各号に掲げる掛金納付月数の区分に応じ、当該各号に定める額とする。
3 前項第一号、第二号及び第三号イの政令で定める額は、納付された掛金及びその運用収入の額の総額を基礎として、予定利率並びに被共済者の退職の見込数及び退職金共済契約の解除の見込数を勘案して定めるものとする。
4 第二項第三号ロの支給率は、厚生労働大臣が、各年度ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、当該年度の前年度の運用収入のうち同号ロに定める額の支払に充てるべき部分の額として算定した額を当該年度に計算月を有することとなる被共済者の仮定退職金額の総額で除して得た率を基準として、当該年度以降の運用収入の見込額その他の事情を勘案して、当該年度の前年度末までに、労働政策審議会の意見を聴いて定めるものとする。
5 被共済者がその責めに帰すべき事由により退職し、かつ、共済契約者の申出があつた場合において、厚生労働省令で定める基準に従い厚生労働大臣が相当であると認めたときは、機構は、厚生労働省令で定めるところにより、退職金の額を減額して支給することができる。
退職金は、一時金として支給する。
機構は、前条の規定にかかわらず、被共済者の請求により、退職金の全部又は一部を分割払の方法により支給することができる。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
2 被共済者が退職金の一部について分割払の方法により支給を受けようとする場合における前項の請求は、当該分割払の方法により支給を受けようとする退職金の一部の額(以下この条において「分割払対象額」という。)を定めてしなければならない。
3 分割払の方法による退職金の支給期月は、毎年二月、五月、八月及び十一月とする。
4 分割払の方法による退職金の支給の期間(次項において「分割支給期間」という。)は、被共済者の選択により、第一項の請求後の最初の支給期月から五年間又は十年間のいずれかとする。
5 支給期月ごとの退職金(次条において「分割退職金」という。)の額は、退職金の額(退職金の一部について分割払の方法により支給する場合にあつては、分割払対象額)に、分割支給期間に応じ政令で定める率(次条第二項において「分割支給率」という。)を乗じて得た額とする。
6 第一項の規定に基づき退職金の一部を分割払の方法により支給することとした場合においては、当該退職金の全額から分割払対象額を減じた額を一時金として支給する。
機構は、退職金の全部又は一部を分割払の方法により支給することとした場合において、次の各号に掲げる事由が生じたときは、それぞれ当該各号に定める者に対し、その事由が生じた時までに支給期月の到来していない分割退職金の額の現価に相当する額(以下この条において「現価相当額」という。)の合計額を一括して支給するものとする。
2 現価相当額は、分割退職金の額を当該額に係る分割支給率の算定の基礎となつた利率として厚生労働大臣が定める利率による複利現価法によつて前項各号に掲げる事由が生じた後における直近の支給期月から当該分割退職金に係る支給期月までの期間に応じて割り引いた額とする。
第十条第一項の規定により退職金の支給を受けるべき遺族は、次の各号に掲げる者とする。
2 退職金を受けるべき遺族の順位は前項各号の順位により、同項第二号及び第四号に掲げる者のうちにあつては同号に掲げる順位による。この場合において、父母については養父母、実父母の順とし、祖父母については養父母の養父母、養父母の実父母、実父母の養父母、実父母の実父母の順とする。
3 前項の規定により退職金を受けるべき遺族に同順位者が二人以上あるときは、退職金は、その人数によつて等分して支給する。
故意の犯罪行為により被共済者を死亡させた者は、前条の規定にかかわらず、退職金を受けることができない。被共済者の死亡前に、その者の死亡によつて退職金を受けるべき者を故意の犯罪行為により死亡させた者についても、同様とする。
退職金共済契約が解除されたときは、機構は、被共済者に解約手当金を支給する。
2 第八条第二項第三号の規定により退職金共済契約が解除されたときは、前項の規定にかかわらず、解約手当金は、支給しない。ただし、厚生労働省令で定める特別の事情があつた場合は、この限りでない。
3 第十条第一項ただし書の規定は解約手当金について、同条第二項の規定は解約手当金の額について準用する。
4 機構は、第二項ただし書の規定により解約手当金を支給する場合又はその掛金につき第二十三条第一項の規定に基づく減額の措置が講ぜられた退職金共済契約が解除された場合に解約手当金を支給するときは、厚生労働省令で定めるところにより、その額を減額することができる。
第八条第二項第二号の規定により退職金共済契約が解除された際に、当該解除された退職金共済契約の共済契約者が、当該解除された退職金共済契約の被共済者に係る確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)第二条第一項に規定する確定給付企業年金(第三十一条の三及び第三十一条の四において「確定給付企業年金」という。)、確定拠出年金法(平成十三年法律第八十八号)第二条第二項に規定する企業型年金(第三十一条の三及び第三十一条の四において「企業型年金」という。)その他の政令で定める制度であつて、厚生労働省令で定める要件を備えているもの(以下この条において「特定企業年金制度等」という。)の実施の通知をした場合には、前条第一項の規定にかかわらず、機構は、当該被共済者に解約手当金を支給しない。この場合において、当該共済契約者が、当該解除後厚生労働省令で定める期間内に、当該被共済者の同意を得て、厚生労働省令で定めるところにより、当該通知に係る特定企業年金制度等への解約手当金に相当する額の引渡しに関する申出をしたときは、機構は、当該申出に基づき、当該被共済者に係る解約手当金に相当する額の範囲内の金額で厚生労働省令で定める金額を、確定給付企業年金法第三十条第三項に規定する資産管理運用機関等(第三十一条の三及び第三十一条の四において「資産管理運用機関等」という。)、確定拠出年金法第二条第七項第一号ロに規定する資産管理機関(第三十一条の三及び第三十一条の四において「資産管理機関」という。)その他の当該特定企業年金制度等を実施する団体として厚生労働省令で定めるものに引き渡すものとする。
2 機構は、前項後段の場合において、同項後段の規定により引き渡す金額が同項の被共済者に係る解約手当金に相当する額に満たないときは、その差額については、同項の規定にかかわらず、厚生労働省令で定めるところにより、当該被共済者に解約手当金として支給するものとする。
3 機構は、第一項の場合において、同項前段の規定による通知に係る被共済者について次に掲げる事由が生じたときは、同項の規定にかかわらず、当該被共済者に解約手当金を支給する。
機構は、退職金等の請求が円滑に行われるようにするため、退職金等の支給を受けるべき者に対し、退職金等の支給に係る情報の提供に努めなければならない。
被共済者が退職した後三年以内に、退職金を請求しないで再び中小企業者に雇用されて被共済者(当該請求をしたとした場合にその者に支給されることとなる退職金に相当する額の全部又は一部が第三十一条第一項の規定により同項に規定する団体に引き渡された被共済者を除く。)となり、かつ、その者の申出があつた場合において、退職前に締結されていた退職金共済契約に係る掛金納付月数が十二月以上であるとき、又は当該掛金納付月数が十二月未満であり、かつ、その退職が当該被共済者の責めに帰すべき事由若しくはその都合(厚生労働省令で定めるやむを得ない事情に基づくものを除く。)によるものでないと厚生労働大臣が認めたときは、厚生労働省令で定めるところにより、前後の退職金共済契約に係る掛金納付月数を通算することができる。この場合において、退職金等の額の算定に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
未成年者である被共済者は、独立して、当該退職金共済契約に係る退職金等を請求することができる。
退職金等の支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。ただし、被共済者の退職金等の支給を受ける権利については、国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押える場合は、この限りでない。
偽りその他不正の行為により退職金等の支給を受けた者がある場合は、機構は、その者から当該退職金等を返還させることができる。この場合において、その支給が当該共済契約者の虚偽の証明又は届出によるものであるときは、機構は、その者に対して、支給を受けた者と連帯して退職金等を返還させることができる。
2 機構が被共済者又はその遺族に退職金等を支給すべき場合において、前項の規定により機構に返還すべき金額があるときは、機構は、その退職金等とその者が返還すべき金額とを相殺することができる。
共済契約者は、退職金共済契約が効力を生じた日の属する月から被共済者が退職した日又は退職金共済契約が解除された日の属する月までの各月につき、その月の末日(退職の日又は退職金共済契約の解除の日の属する月にあつては、その退職の日又はその解除の日)における掛金月額により、毎月分の掛金を翌月末日(退職金共済契約が効力を生じた日の属する月分の掛金にあつては、翌々月末日)までに納付しなければならない。
2 毎月分の掛金は、分割して納付することができない。
機構は、中小企業者が退職金共済契約の申込みをすること及び共済契約者が第九条第一項の掛金月額の増加の申込みをすることを促進するため、厚生労働省令で定めるところにより、共済契約者の掛金に係る負担を軽減する措置として、一定の月分の掛金の額を減額することができる。
2 前項の規定に基づき掛金の減額の措置が講ぜられる月について、共済契約者が同項の規定に基づき減額された額により掛金を納付した場合には、第十条第二項(第十六条第三項において準用する場合を含む。)及び第五十五条第一項の規定の適用については、前条第一項の掛金月額により掛金の納付があつたものとみなす。
機構は、共済契約者が掛金をその月の前月末日以前に納付したときは、厚生労働省令で定めるところにより、その額を減額することができる。
機構は、納付期限後に掛金を納付する共済契約者に対して、割増金を納付させることができる。
2 割増金の額は、掛金の額につき年十四・六パーセントの割合で納付期限の翌日から納付の日の前日までの日数によつて計算した額を超えてはならない。
機構は、常時五人未満の従業員を雇用する共済契約者については、厚生労働省令で定めるところにより、三月の範囲内で第二十二条第一項の納付期限を延長することができる。
2 機構は、天災その他やむを得ない事由により共済契約者が掛金を納付期限までに納付することができないと認めるときは、その納付期限を延長することができる。
退職金共済契約の申込みを行おうとする者(その者の雇用する従業員について現に退職金共済契約を締結しているものを除く。)は、その申込みを行う際に、被共済者となるべき従業員(第三十一条の二第一項又は第三十一条の三第一項の規定による申出に係る退職金共済契約の被共済者を除く。)の過去勤務期間(当該申込みを行おうとする者に雇い入れられた日から退職金共済契約の効力が生ずる日の前日までの継続して雇用された期間から第三条第三項各号に掲げる者であつた期間のうち厚生労働省令で定める期間を除いた期間(その期間に一年未満の端数があるときは、これを切り捨てるものとする。)をいう。以下同じ。)の月数(その月数が百二十月を超えるときは、百二十月)を当該退職金共済契約に係る掛金納付月数に通算することを希望する旨の申出をすることができる。
2 前項の規定による申出は、退職金共済契約の申込みが行われることにより同時に退職金共済契約の被共済者となるべき全ての者(第三十一条の二第一項又は第三十一条の三第一項の規定による申出に係る退職金共済契約の被共済者を除く。)についてしなければならない。
3 第一項の規定による申出は、第二十九条第一項第一号の規定による退職金の額の算定の基礎となる過去勤務期間に係る掛金月額(以下「過去勤務通算月額」という。)を定めて、しなければならない。
4 過去勤務通算月額は、掛金月額の推移等を考慮し、第四条第三項に規定する区分に準じて厚生労働省令で定める額(五千円(短時間労働被共済者にあつては、二千円)以上の額とする。)のうちから、当該被共済者に係る退職金共済契約の効力が生ずる日における掛金月額を超えない範囲において定めなければならない。
5 第三項の規定により定められた過去勤務通算月額は、機構が当該被共済者に係る退職金共済契約の申込みを承諾した後は、変更することができない。
前条第一項の規定による申出をした共済契約者は、当該申出に係る被共済者について、退職金共済契約の効力が生じた日の属する月から五年(過去勤務期間が五年に満たないときは、当該過去勤務期間の年数)を経過する月(その月前に被共済者が退職したとき、又は退職金共済契約が解除されたときは、退職の日又は退職金共済契約の解除の日の属する月)までの掛金が納付されている各月につき、過去勤務通算月額に過去勤務期間の年数に応じ政令で定める率に次条第一項第一号の規定による退職金の額のうち第十条第二項第三号ロに定める額の支払に要する費用を考慮して厚生労働大臣の定める率を加えて得た率を乗じて得た額の毎月分の過去勤務掛金を翌月末日(退職金共済契約が効力を生じた日の属する月分の過去勤務掛金にあつては、翌々月末日)までに納付しなければならない。
2 前条第一項の規定による申出をした共済契約者は、厚生労働省令で定める一定の月分以上について過去勤務掛金の納付を怠つた場合(厚生労働省令で定める正当な理由がある場合を除く。)には、その時以後は、過去勤務掛金を納付することができない。
3 第七条第三項の規定により前条第一項の規定による申出に係る共済契約者に交付される退職金共済手帳は、過去勤務掛金の納付状況をも明らかにすることができるものでなければならない。
4 第二十二条第二項及び第二十四条から第二十六条までの規定は、過去勤務掛金の納付について準用する。この場合において、同条第一項中「第二十二条第一項」とあるのは、「第二十八条第一項」と読み替えるものとする。
過去勤務掛金が納付されたことのある退職金共済契約の被共済者(次項の規定に該当する被共済者を除く。)が退職したときにおける退職金の額は、第十条第二項の規定にかかわらず、次のいずれか多い額とする。
2 過去勤務掛金が納付されたことのある退職金共済契約の被共済者であつて、その者について、退職金共済契約の効力が生じた日の属する月から五年(過去勤務期間が五年に満たないときは、当該過去勤務期間の年数)を経過する月までの一部の月につき過去勤務掛金が納付されていないものが退職したときにおける退職金の支給については、次の各号に定めるところによる。
3 過去勤務掛金が納付されたことのある退職金共済契約が解除されたときにおける解約手当金の支給については、次の各号に定めるところによる。
機構は、退職金共済事業を行う団体であつて厚生労働省令で定めるものとの間で、当該団体が行う退職金共済に関する制度に基づきその退職につき退職金の支給を受けることができる者(当該退職をした者に限る。)が申し出たときはその者に係る退職金に相当する額を当該団体から機構に引き渡すことその他厚生労働省令で定める事項を約する契約を締結している場合において、当該退職をした者が退職後厚生労働省令で定める期間内に、当該退職金を請求しないで退職金共済契約の被共済者となり、かつ、厚生労働省令で定めるところにより申出をしたときは、当該団体との契約で定めるところによつて当該団体から引き渡される当該退職金に相当する額を受け入れるものとする。
2 機構が前項の受入れをした場合において、同項の退職金共済契約の被共済者となつた者が退職したときは、次に定めるところにより、退職金を支給する。
3 機構が第一項の受入れをした場合において、同項の被共済者となつた者に係る退職金共済契約が解除されたときは、次に定めるところにより、解約手当金を支給する。
4 過去勤務掛金が納付されたことのある退職金共済契約の被共済者のうち、その者について機構が第一項の受入れをしたものに対する前条の規定の適用については、同条第一項中「第十条第二項の規定にかかわらず」とあるのは「第十条第二項及び次条第二項第二号の規定にかかわらず」と、同項第一号中「第十条第二項(第一号を除く。)」とあり、及び同項第二号中「第十条第二項」とあるのは「次条第二項第二号」と、同条第二項第二号中「、第十条第二項」とあるのは「、第十条第二項及び次条第二項第二号」と、同号イ中「納付された過去勤務掛金の総額」とあるのは「次条第二項第二号イに規定する計算後受入金額に納付された過去勤務掛金の総額を加算した額」と、同号ロ及びハ中「第十条第二項」とあるのは「次条第二項第二号」とする。
機構は、退職金共済事業を行う団体であつて厚生労働省令で定めるものとの間で、その退職につき退職金共済契約により退職金の支給を受けることができる者(当該退職をした者に限る。)が申し出たときはその者に係る退職金に相当する額を機構から当該団体に引き渡すことその他厚生労働省令で定める事項を約する契約を締結している場合において、当該退職をした者が退職後厚生労働省令で定める期間内に、当該退職金を請求しないで当該団体が行う退職金共済に関する制度に基づき退職金の支給を受けるべき者となり、かつ、厚生労働省令で定めるところにより申出をしたときは、当該団体との契約で定めるところによつて当該退職金共済契約による退職金に相当する額の範囲内の金額で厚生労働省令で定める金額を、当該団体に引き渡すものとする。
2 機構は、前項の規定により引き渡す金額が同項の退職金共済契約による退職金に相当する額に満たないときは、その差額を当該被共済者に支給するものとする。
事業主(退職金共済事業を廃止した団体であつて厚生労働省令で定めるもの(以下この条において「廃止団体」という。)との間で退職金共済に関する契約(事業主が団体に掛金を納付することを約し、当該団体がその事業主の雇用する従業員の退職について退職金を支給することを約する契約をいう。以下この条において同じ。)を締結していたものに限る。)が、その雇用する従業員を被共済者として退職金共済契約を締結した場合において、当該廃止団体が、機構との間で、当該退職金共済契約の被共済者となつた者について当該退職金共済に関する契約に基づき当該廃止団体に納付された掛金の総額及び掛金に相当するものとして政令で定める金額並びにこれらの運用による利益の額の範囲内の金額を機構に引き渡すことその他厚生労働省令で定める事項を約する契約を締結しており、当該事業主が厚生労働省令で定めるところにより申出をしたときは、機構は、当該廃止団体との契約で定めるところによつて、当該退職金共済契約の被共済者となつた者に係る当該金額を受け入れるものとする。
2 機構が、前項の受入れをした場合において、当該受け入れた金額(以下この条において「受入金額」という。)のうち、同項の退職金共済契約の効力が生じた日における掛金月額その他の事情を勘案して政令で定める額については、厚生労働省令で定めるところにより、政令で定める月数を当該退職金共済契約の被共済者に係る掛金納付月数に通算するものとする。この場合において、その通算すべき月数は、当該退職金共済契約の被共済者となつた者が当該退職金共済に関する契約の被共済者であつた期間の月数を超えることができない。
3 受入金額から前項の政令で定める額を控除した残余の額を有する退職金共済契約の被共済者が退職したときにおける退職金の額は、第十条第一項ただし書及び第二項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる前項の規定による通算後の掛金納付月数の区分に応じ、当該各号に定める額とする。
4 前項の残余の額を有する退職金共済契約が解除されたときにおける解約手当金の額は、第十六条第三項の規定にかかわらず、前項の規定の例により計算して得た額とする。
5 第一項の規定による申出に従い受入金額を機構が受け入れたときは、機構は、その旨を当該事業主に通知するものとし、当該事業主は、その旨を当該受入金額に係る被共済者となつた者に通知しなければならない。
6 第一項及び前項の規定は、廃止団体との間で退職金共済に関する契約を締結していた事業主が、当該退職金共済に関する契約に係る従業員を被共済者とする退職金共済契約を当該廃止団体が退職金共済事業を廃止する前から引き続き締結している場合について準用する。この場合において、第一項及び前項中「被共済者となつた」とあるのは、「被共済者である」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
7 前項の規定により読み替えて準用する第一項の規定による申出に従い受入金額を機構が受け入れた退職金共済契約の被共済者が退職したときにおける退職金の額は、第十条第一項ただし書及び第二項の規定にかかわらず、第一項の受入れがなかつたものとみなして同条第一項ただし書及び第二項の規定により算定した退職金の額に、当該受入れのあつた日の属する月の翌月から当該被共済者が退職した日の属する月までの期間につき、当該受入金額に対し、政令で定める利率に厚生労働大臣が定める利率を加えた利率の複利による計算をして得た元利合計額(当該受入れのあつた日の属する月に当該被共済者が退職したときは、当該受入金額)を加算した額とする。
8 第六項の規定により読み替えて準用する第一項の規定による申出に従い受入金額を機構が受け入れた退職金共済契約が解除されたときにおける解約手当金の額は、第十六条第三項の規定にかかわらず、前項の規定の例により計算して得た額とする。
9 第二十九条第一項若しくは第二項又は第三十条第二項の規定の適用を受ける被共済者が、第一項(第六項の規定により読み替えて準用する場合を含む。)の規定による申出に従い機構が受け入れた受入金額に係る退職金共済契約の被共済者である場合における退職金の額は、第十条第一項ただし書及び第二項、第二十九条第一項及び第二項、第三十条第二項並びに第三項及び第七項の規定にかかわらず、第二十九条第一項若しくは第二項又は第三十条第二項の規定により算定される退職金の額に政令で定める額を加算した額とするほか、退職金等の額の算定に関し必要な事項は、政令で定める。
事業主(確定給付企業年金法第八十二条の五第一項又は確定拠出年金法第五十四条の六の規定による申出をしたものに限る。)が、その雇用する加入者(確定給付企業年金法第二条第四項に規定する加入者をいう。第六項及び次条第一項において同じ。)であつた者又は企業型年金加入者(確定拠出年金法第二条第八項に規定する企業型年金加入者をいう。第六項及び次条第一項において同じ。)であつた者を被共済者として退職金共済契約を締結する場合において、次の各号に掲げる者が、機構との間で、当該退職金共済契約の被共済者となつた者について当該各号に定める資産を機構に移換することその他厚生労働省令で定める事項を約する契約を締結しており、当該事業主が、機構に対して厚生労働省令で定めるところにより申出をしたときは、機構は、当該各号に掲げる者との契約で定めるところによつて、当該退職金共済契約の被共済者となつた者に係る当該資産の移換を受けるものとする。
2 機構が、前項各号に定める資産の移換を受けた場合において、当該移換を受けた資産の額(以下この条において「移換額」という。)のうち、同項の退職金共済契約の効力が生じた日における掛金月額その他の事情を勘案して政令で定める額については、厚生労働省令で定めるところにより、政令で定める月数を当該退職金共済契約の被共済者に係る掛金納付月数に通算するものとする。この場合において、その通算すべき月数は、当該退職金共済契約の被共済者となつた者の当該政令で定める額に係る確定給付企業年金法第二十八条第一項に規定する加入者期間又は確定拠出年金法第十四条第一項に規定する企業型年金加入者期間を超えることができない。
3 移換額から前項の政令で定める額を控除した残余の額を有する退職金共済契約の被共済者が退職したときにおける退職金の額は、第十条第一項ただし書及び第二項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる前項の規定による通算後の掛金納付月数の区分に応じ、当該各号に定める額とする。
4 前項の残余の額を有する退職金共済契約が解除されたときにおける解約手当金の額は、第十六条第三項の規定にかかわらず、前項の規定の例により計算して得た額とする。
5 第一項の規定による申出に従い移換額の移換を機構が受けたときは、機構は、その旨を当該事業主に通知するものとし、当該事業主は、その旨を当該移換額に係る被共済者となつた者に通知しなければならない。
6 第一項及び前項の規定は、確定給付企業年金又は企業型年金を実施していた事業主が、その雇用する加入者であつた者又は企業型年金加入者であつた者を被共済者として退職金共済契約を確定給付企業年金法第八十二条の五第一項又は確定拠出年金法第五十四条の六の規定による申出をする前から締結している場合について準用する。この場合において、第一項及び前項中「被共済者となつた」とあるのは、「被共済者である」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
7 前項の規定により読み替えて準用する第一項の規定による申出に従い移換額の移換を機構が受けた退職金共済契約の被共済者が退職したときにおける退職金の額は、第十条第一項ただし書及び第二項の規定にかかわらず、第一項の移換を受けなかつたものとみなして同条第一項ただし書及び第二項の規定により算定した退職金の額に、当該移換を受けた日の属する月の翌月から当該被共済者が退職した日の属する月までの期間につき、当該移換額に対し、政令で定める利率に厚生労働大臣が定める利率を加えた利率の複利による計算をして得た元利合計額(当該移換を受けた日の属する月に当該被共済者が退職したときは、当該移換額)を加算した額とする。
8 第六項の規定により読み替えて準用する第一項の規定による申出に従い移換額の移換を機構が受けた退職金共済契約が解除されたときにおける解約手当金の額は、第十六条第三項の規定にかかわらず、前項の規定の例により計算して得た額とする。
9 第二十九条第一項若しくは第二項、第三十条第二項又は前条第三項若しくは第七項の規定の適用を受ける被共済者が、第一項(第六項の規定により読み替えて準用する場合を含む。)の規定による申出に従い機構が移換を受けた移換額に係る退職金共済契約の被共済者である場合における退職金の額は、第十条第一項ただし書及び第二項、第二十九条第一項及び第二項、第三十条第二項、前条第三項及び第七項並びに第三項及び第七項の規定にかかわらず、第二十九条第一項若しくは第二項、第三十条第二項又は前条第三項若しくは第七項の規定により算定される退職金の額に政令で定める額を加算した額とするほか、退職金等の額の算定に関し必要な事項は、政令で定める。
共済契約者が会社法(平成十七年法律第八十六号)その他の法律の規定による合併、会社分割その他の行為として厚生労働省令で定める行為(以下この項において「合併等」という。)をした場合であつて、当該合併等により退職金共済契約が第八条第三項第一号の規定に基づき解除された被共済者を加入者とする確定給付企業年金又は企業型年金加入者とする企業型年金を実施するときは、機構は、当該共済契約者が当該被共済者の同意を得て厚生労働省令で定めるところにより行う確定給付企業年金又は企業型年金(厚生労働省令で定めるものに限る。)への解約手当金に相当する額の移換に関する申出に基づき、資産管理運用機関等又は資産管理機関に当該同意を得た被共済者に係る解約手当金に相当する額を移換するものとする。
2 前項の規定による申出があつた場合においては、機構は、第十六条第一項の規定にかかわらず、当該被共済者に解約手当金を支給しないものとする。
3 機構は、第一項の規定による申出に係る被共済者について次に掲げる事由が生じたときは、前項の規定にかかわらず、当該被共済者に解約手当金を支給する。
退職金等の額に一円未満の端数があるときは、これを一円に切り上げるものとする。
退職金等の支給を受ける権利はこれらを行使することができる時から五年間、掛金及び過去勤務掛金の納付を受ける権利並びに掛金又は過去勤務掛金の返還を受ける権利はこれらを行使することができる時から二年間行使しないときは、時効によつて消滅する。
2 退職金の支給を受ける権利を有する遺族が先順位者又は同順位者の生死又は所在が不明であるために退職金の請求をすることができない場合には、その請求をすることができることとなつた日から六月以内は、当該権利の消滅時効は、完成しないものとする。
退職金等の請求又は掛金若しくは過去勤務掛金の返還の請求に係る期間を計算する場合において、その請求が郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者による同条第二項に規定する信書便により行われたものであるときは、送付に要した日数は、その期間に算入しない。
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