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第二章 確定給付企業年金の開始(確定給付企業年金法

 社会保険労務士事務所の菅野労務FP事務所(茨城県石岡市)が作成した法令の参照集で、可能な限りリンクでつないでいます。各ページ基本は章ごとのページにしています。

第一節 通則

第三条(確定給付企業年金の実施)

 厚生年金適用事業所の事業主は、確定給付企業年金を実施しようとするときは、確定給付企業年金を実施しようとする厚生年金適用事業所に使用される厚生年金保険の被保険者の過半数で組織する労働組合があるときは当該労働組合、当該厚生年金保険の被保険者の過半数で組織する労働組合がないときは当該厚生年金保険の被保険者の過半数を代表する者の同意を得て、確定給付企業年金に係る規約(以下「規約」という。)を作成し、次の各号のいずれかに掲げる手続を執らなければならない。

2 確定給付企業年金は、一の厚生年金適用事業所について一に限り実施することができる。ただし、政令で定める場合においては、この限りでない。

3 二以上の厚生年金適用事業所について確定給付企業年金を実施しようとする場合においては、第一項の同意は、各厚生年金適用事業所について得なければならない。

第二節 規約の承認

第四条(規約で定める事項)

 前条第一項第一号の規約の承認を受けようとするときは、当該規約において、次に掲げる事項を定めなければならない。

第五条(規約の承認の基準等)

 厚生労働大臣は、第三条第一項第一号の承認の申請があった場合において、当該申請に係る規約が次に掲げる要件に適合すると認めるときは、同号の承認をするものとする。

2 厚生労働大臣は、第三条第一項第一号の承認をしたときは、速やかに、その旨をその申請をした事業主に通知しなければならない。

3 事業主は、第三条第一項第一号の承認を受けたときは、遅滞なく、同号の承認を受けた規約を実施事業所に使用される厚生年金保険の被保険者に周知させなければならない。

第六条(規約の変更等)

 事業主は、第三条第一項第一号の承認を受けた規約の変更(厚生労働省令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、その変更について厚生労働大臣の承認を受けなければならない。

2 前項の変更の承認の申請は、実施事業所に使用される厚生年金保険の被保険者の過半数で組織する労働組合があるときは当該労働組合、当該厚生年金保険の被保険者の過半数で組織する労働組合がないときは当該厚生年金保険の被保険者の過半数を代表する者の同意を得て行わなければならない。

3 前項の場合において、実施事業所が二以上であるときは、同項の同意は、各実施事業所について得なければならない。ただし、第一項の変更がすべての実施事業所に係るものでない場合であって、規約において、あらかじめ、当該変更に係る事項を定めているときは、当該変更に係る実施事業所について前項の同意があったときは、当該変更に係る実施事業所以外の実施事業所についても同項の同意があったものとみなすことができる。

4 前条の規定は、第一項の変更の承認の申請があった場合について準用する。

第七条

 事業主は、第三条第一項第一号の承認を受けた規約の変更であって前条第一項の厚生労働省令で定める軽微なものをしたときは、遅滞なく、これを厚生労働大臣に届け出なければならない。ただし、第四条第三号に掲げる事項その他厚生労働省令で定める事項の変更については、この限りでない。

2 第五条第三項並びに前条第二項及び第三項の規定は、前項の変更について準用する。ただし、当該変更が同項に規定する厚生労働省令で定める軽微な変更のうち特に軽微なものとして厚生労働省令で定めるものである場合においては、同条第二項及び第三項の規定は、準用しない。

 罰則:第百二十条(百万円以下の過料)

第三節 企業年金基金

第八条(組織)

 基金は、実施事業所の事業主及びその実施事業所に使用される加入者の資格を取得した者をもって組織する。

第九条(法人格)

 基金は、法人とする。

2 基金の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。

第十条(名称)

 基金は、その名称中に企業年金基金という文字を用いなければならない。

2 基金でない者は、企業年金基金という名称を用いてはならない。

 罰則:第百二十三条(十万円以下の過料)

第十一条(基金の規約で定める事項)

 第三条第一項第二号の基金の設立の認可を受けようとするときは、規約において、第四条第二号及び第四号から第七号までに掲げる事項のほか、次に掲げる事項を定めなければならない。

第十二条(基金の設立認可の基準等)

 厚生労働大臣は、第三条第一項第二号の設立の認可の申請があった場合において、当該申請が次に掲げる要件に適合すると認めるときは、同号の認可をするものとする。

2 第五条第二項及び第三項の規定は、第三条第一項第二号の認可について準用する。この場合において、第五条第三項中「同号の承認を受けた規約」とあるのは、「基金の規約」と読み替えるものとする。

第十三条(成立の時期)

 基金は、設立の認可を受けた時に成立する。

第十四条(理事長が選任されるまでの間の理事長の職務)

 基金が成立したときは、理事長が選任されるまでの間、基金の設立の認可の申請をした事業主が、理事長の職務を行う。この場合において、当該事業主は、この法律の規定の適用については、理事長とみなす。

第十五条(公告)

 基金は、政令で定めるところにより、基金の名称、事務所の所在地、役員の氏名その他政令で定める事項を公告しなければならない。

 罰則:第百二十二条(二十万円以下の過料)

第十六条(基金の規約の変更等)

 基金は、規約の変更(厚生労働省令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、その変更について厚生労働大臣の認可を受けなければならない。

2 前項の規約の変更は、厚生労働大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

3 第五条第二項及び第三項並びに第十二条第一項の規定は、第一項の変更の認可について準用する。この場合において、第五条第二項及び第三項中「事業主」とあるのは、「基金」と読み替えるものとする。

第十七条

 基金は、規約の変更であって前条第一項の厚生労働省令で定める軽微なものをしたときは、遅滞なく、これを厚生労働大臣に届け出なければならない。ただし、厚生労働省令で定める事項の変更については、この限りでない。

2 第五条第三項の規定は、前項の変更の届出について準用する。この場合において、同条第三項中「事業主」とあるのは、「基金」と読み替えるものとする。

 罰則:第百二十条(百万円以下の過料)

第十八条(代議員会)

 基金に、代議員会を置く。

2 代議員会は、代議員をもって組織する。

3 代議員の定数は、偶数とし、その半数は事業主において事業主(その代理人を含む。)及び実施事業所に使用される者のうちから選定し、他の半数は加入者において互選する。

第十九条

 次に掲げる事項は、代議員会の議決を経なければならない。

2 代議員会は、監事に対し、基金の業務に関する監査を求め、その結果の報告を請求することができる。

第二十条(政令への委任)

 前二条に定めるもののほか、代議員会の招集、議事の手続その他代議員及び代議員会に関し必要な事項は、政令で定める。

第二十一条(役員)

 基金に、役員として理事及び監事を置く。

2 理事の定数は、偶数とし、その半数は事業主において選定した代議員において、他の半数は加入者において互選した代議員において、それぞれ互選する。

3 理事のうち一人を理事長とし、事業主において選定した代議員である理事のうちから、理事が選挙する。

4 監事は、代議員会において、事業主において選定した代議員及び加入者において互選した代議員のうちから、それぞれ一人を選挙する。

5 監事は、理事又は基金の職員と兼ねることができない。

第二十二条(役員の職務)

 理事長は、基金を代表し、その業務を執行する。理事長に事故があるとき、又は理事長が欠けたときは、事業主において選定した代議員である理事のうちから、あらかじめ理事長が指定する者がその職務を代理し、又はその職務を行う。

2 基金の業務は、規約に別段の定めがある場合を除くほか、理事の過半数により決し、可否同数のときは、理事長の決するところによる。

3 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して、給付に充てるべき積立金の管理及び運用に関する基金の業務を執行することができる。

4 監事は、基金の業務を監査する。

5 監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長又は代議員会に意見を提出することができる。

第二十三条(理事長の代表権の制限)

 基金と理事長(前条第一項の規定により理事長の職務を代理し、又はその職務を行う者を含む。以下この条において同じ。)との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。この場合においては、監事が基金を代表する。

第二十四条(政令への委任)

 前三条に定めるもののほか、役員に関し必要な事項は、政令で定める。

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