社会保険労務士事務所の菅野労務FP事務所(茨城県石岡市)が作成した法令の参照集で、可能な限りリンクでつないでいます。各ページ基本は章ごとのページにしています。
この章において「海上保険契約」とは、損害保険契約のうち、保険者(営業として保険の引受けを行うものに限る。以下この章において同じ。)が航海に関する事故によって生ずることのある損害を塡補することを約するものをいう。
2 海上保険契約については、この章に別段の定めがある場合を除き、保険法(平成二十年法律第五十六号)第二章第一節から第四節まで及び第六節並びに第五章の規定を適用する。
保険者は、この章又は海上保険契約に別段の定めがある場合を除き、保険の目的について、保険期間内に発生した航海に関する事故によって生じた一切の損害を塡補する責任を負う。
保険者は、海難の救助又は共同海損の分担のため被保険者が支払うべき金額を塡補する責任を負う。
2 保険法第十九条の規定は、前項に規定する金額について準用する。この場合において、同条中「てん補損害額」とあるのは、「商法(明治三十二年法律第四十八号)第八百十七条第一項に規定する金額」と読み替えるものとする。
船舶を保険の目的物とする海上保険契約(以下この章において「船舶保険契約」という。)については、保険期間の始期における当該船舶の価額を保険価額とする。
貨物を保険の目的物とする海上保険契約(以下この章において「貨物保険契約」という。)については、その船積みがされた地及び時における当該貨物の価額、運送賃並びに保険に関する費用の合計額を保険価額とする。
保険契約者又は被保険者になる者は、海上保険契約の締結に際し、海上保険契約により塡補することとされる損害の発生の可能性(以下この章において「危険」という。)に関する重要な事項について、事実の告知をしなければならない。
保険者が海上保険契約を締結した場合においては、保険法第六条第一項に規定する書面には、同項各号に掲げる事項のほか、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める事項を記載しなければならない。
保険期間の始期の到来前に航海の変更をしたときは、海上保険契約は、その効力を失う。
2 保険期間内に航海の変更をしたときは、保険者は、その変更以後に発生した事故によって生じた損害を塡補する責任を負わない。ただし、その変更が保険契約者又は被保険者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。
3 到達港を変更し、その実行に着手した場合においては、海上保険契約で定める航路を離れないときであっても、航海の変更をしたものとみなす。
次に掲げる場合には、保険者は、その事実が生じた時以後に発生した事故によって生じた損害を塡補する責任を負わない。ただし、当該事実が当該事故の発生に影響を及ぼさなかったとき、又は保険契約者若しくは被保険者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。
貨物保険契約で定める船舶を変更したときは、保険者は、その変更以後に発生した事故によって生じた損害を塡補する責任を負わない。ただし、その変更が保険契約者又は被保険者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。
貨物保険契約において、保険期間、保険金額、保険の目的物、約定保険価額、保険料若しくはその支払の方法、船舶の名称又は貨物の発送地、船積港、陸揚港若しくは到達地(以下この条において「保険期間等」という。)につきその決定の方法を定めたときは、保険法第六条第一項に規定する書面には、保険期間等を記載することを要しない。
2 保険契約者又は被保険者は、前項に規定する場合において、保険期間等が確定したことを知ったときは、遅滞なく、保険者に対し、その旨の通知を発しなければならない。
3 保険契約者又は被保険者が故意又は重大な過失により遅滞なく前項の通知をしなかったときは、貨物保険契約は、その効力を失う。
保険者は、次に掲げる損害を塡補する責任を負わない。ただし、第四号に掲げる損害にあっては、保険契約者又は被保険者が発航の当時同号に規定する事項について注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。
保険の目的物である貨物が損傷し、又はその一部が滅失して到達地に到着したときは、保険者は、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合を保険価額(約定保険価額があるときは、当該約定保険価額)に乗じて得た額を塡補する責任を負う。
航海の途中において不可抗力により保険の目的物である貨物が売却されたときは、保険者は、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を控除した額を塡補する責任を負う。
保険者は、保険契約者又は被保険者が、危険に関する重要な事項について、故意又は重大な過失により事実の告知をせず、又は不実の告知をしたときは、海上保険契約を解除することができる。この場合においては、保険法第二十八条第二項(第一号に係る部分に限る。)及び第四項並びに第三十一条第二項(第一号に係る部分に限る。)の規定を準用する。
この章の規定は、相互保険について準用する。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
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