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労災法_3 [2023/08/29 21:59] – [第十二条の三] norimasa労災法_3 [2023/12/06 11:27] (現在) – [参考:支給制限] norimasa
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 2 労働者が故意の犯罪行為若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、負傷、疾病、障害若しくは死亡若しくはこれらの原因となつた事故を生じさせ、又は負傷、疾病若しくは障害の程度を増進させ、若しくはその回復を妨げたときは、政府は、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。 2 労働者が故意の犯罪行為若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、負傷、疾病、障害若しくは死亡若しくはこれらの原因となつた事故を生じさせ、又は負傷、疾病若しくは障害の程度を増進させ、若しくはその回復を妨げたときは、政府は、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。
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 +==== 参考:支給制限 ====
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 +=== 基発0817第1号 平成23年8月17日 厚生労働省労働基準局長「労災保険給付事務取扱手引の一部改正」労災保険法第12条の2の2関係 ===
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 +=== (1)支給制限の趣旨等 ===
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 + 労災保険法第12条の2の2第1項の規定は、業務上とならない事故について確認的に定めたものであって、結果の発生を意図した故意によって事故を発生させたときは当然業務外とし、労基法第78条が重大な過失による事故のみについて定めていることに対応するものである。\\
 + ただし、被災労働者が、結果の発生を認容していても業務又は通勤との因果関係が認められる事故については、同項の適用はないこと。また、同条第2項の「故意の犯罪行為」とは、事故の発生を意図した故意はないが、その原因となる犯罪行為が故意によるものであることをいうこと。この場合には必ずしも業務外又は通勤によるものではないとは限らないから、同条第1項の「故意」による事故発生と混同すべきではないこと(昭和40.7.31基発901号)。
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 +=== (2)支給制限の事由 ===
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 + 支給制限ぱ、労災保険法第12条の2の2の規定によって、次の場合に行う。
 +  - 労働者が故意に事故を生じさせたとき(第1項)。
 +  - 労働者の故意の犯罪行為若しくは重大な過失により事故を生じさせたとき(第2項前段)。
 +  - 労働者が、正当な理由がなく療養に関する指示に従わないことにより、負傷、疾病若しくは障害の程度を増進させ、若しくはその回復を妨げたとき(第2項後段)。
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 +=== (3)支給制限の運用(昭和40.7,31基発901号、昭和52.3.30基発192号) ===
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 +ア 第1項関係
 +
 + 第1項は、被災労働者に負傷、疾病、障害若しくは死亡又はその直接の原因となった事故(以下「事故」という。)の発生について、意図した故意がある場合について適用すること。\\
 + なお、故意とは、自分の行為が一定の結果を生ずべきことを認識し、かつ、この結果を生ずることを認容することをいうこと。\\
 + ただし、被災労働者が結果の発生を認容していても業務との因果関係が認められる事故については適用しないこと。
 +
 +イ 第2項前段関係
 +
 +  * (ア)第2項前段の規定は、事故発生の直接の原因となった行為が、法令(労基法、鉱山保安法、道路交通法等)上の危害防止に関する規定で罰則の附されているものに違反すると認められる場合について適用すること。
 +  * (イ)第2項前段の規定による支給制限は、次によリ行うこと。
 +
 +a 支給制限の対象となる保険給付
 +
 + 当該労働者の傷病に係る休業(補償)給付(療養の開始後3年を経過する月までの分の傷病(補償)年金を含む。)及び障害(補償)給付(再発に係るものを除く。)
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 +b 支給制限の期間
 +
 + 支給事由の存する間(障害(補償)年金については、当該障害の原因となった傷病について療養を開始した日の翌日から起算して、3年以内の期間において支給事由の存する期間)
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 +c 支給制限の率
 +
 + **保険給付の都度所定給付額の30パーセント**
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 +ウ 第2項後段関係
 +
 +(ア)第2項後段の規定は、労働者に適正な診療を受けさせることを目的とするものであるから、その適用に当たっては、労働者の療養指導に重点をおき、いたずらにその権利を害することのないよう特に慎重を期することとし、次の各号に該当する場合に適用すること。
 +
 +a 療養中の労働者が、診療を受けている医療機関又は所轄監督署長の療養に関する指示に従わないこと。
 +
 +(a)「医療機関の療養に関する指示」ぱ、療養担当者が、当該労働者に対し療養に関する具体的指示を行ったことが診療記録等から明らかに認められる場合をいうものである。
 +
 +(b)所轄監督署長の療養に関する指示」は、所轄監督署長が当該労働者に対し、文書で具体的に指示を行った場合をいうものであること。
 +
 +b 療養の指示に従わないことにつき、正当な理由がないこと。\\
 + 「正当な理由」とは、そのような事情があれば誰しもが療養の指示に従うことができなかったであろうと認められる場合をいい、労働者の単なる主観的事情は含まないものであること。
 +
 +c 療養の指示に従わないため、当該傷病の程度を増進させ又は回復を妨げたことが、医学上明らかに認められること。
 +
 +(イ)第2項後段の決定による支給制限は、次により行うこと。
 +
 +a 支給制限の対象となる保険給付
 +
 + 当該傷病に係る休業(補償)給付及び傷病(補償)年金
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 +b 支給制限の率
 +
 + 消滅するまでの日数分。当該労働者が、休業(補償)給付について既に第2項前段の規定による支給制限を受けている場合は、支給制限により減額された休業(補償)給付の10日分)相当額。\\
 + なお、支給制限は、所轄監督署長が当該傷病の程度を増進させ、又1ま回復を妨げたと認めた日以後において支給事由の発生した休業(補償)給付又は傷病(補償)年金について行うこと。
 +
 +参考リンク:[[http://www.joshrc.org/files2011/20110817-001.pdf|基発0817第1号 平成23年8月17日 厚生労働省労働基準局長「労災保険給付事務取扱手引の一部改正」]]
  
 ===== 第十二条の三 ===== ===== 第十二条の三 =====
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 3 [[徴収法_3#第二十七条(督促及び滞納処分)|徴収法第二十七条]]、[[徴収法_3#第二十九条(先取特権の順位)|第二十九条]]、[[徴収法_3#第三十条(徴収金の徴収手続)|第三十条]]及び[[徴収法_6#第四十一条(時効)|第四十一条]]の規定は、前二項の規定による徴収金について準用する。 3 [[徴収法_3#第二十七条(督促及び滞納処分)|徴収法第二十七条]]、[[徴収法_3#第二十九条(先取特権の順位)|第二十九条]]、[[徴収法_3#第三十条(徴収金の徴収手続)|第三十条]]及び[[徴収法_6#第四十一条(時効)|第四十一条]]の規定は、前二項の規定による徴収金について準用する。
  
-参考:[[https://jsite.mhlw.go.jp/ishikawa-roudoukyoku/library/ishikawa-roudoukyoku/rodohoken/kyufu/pdf/hiyochoshu.pdf|厚生労働省(石川労働局)「費用徴収制度について」]] → [[労災法_費用徴収|テキスト化したもの]]\\+参考:[[https://jsite.mhlw.go.jp/ishikawa-roudoukyoku/library/ishikawa-roudoukyoku/rodohoken/kyufu/pdf/hiyochoshu.pdf|厚生労働省(石川労働局)「費用徴収制度について」]] → [[労災法_費用徴収|テキスト化したページ]]\\
    100%、40%、30%負担    100%、40%、30%負担
  
労災法_3.1693313976.txt.gz · 最終更新: 2023/08/29 21:59 by norimasa

菅野労務FP事務所(茨城県石岡市の社会保険労務士事務所)