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第二章 第二節 全国健康保険協会(健康保険法

 社会保険労務士事務所の菅野労務FP事務所(茨城県石岡市)が作成した法令等参照集で、可能な限りリンクでつないでいます。各ページ基本は章ごとのページにしています。

第七条の二(設立及び業務)

 健康保険組合の組合員でない被保険者(以下この節において単に「被保険者」という。)に係る健康保険事業を行うため、全国健康保険協会(以下「協会」という。)を設ける。

2 協会は、次に掲げる業務を行う。

  • 一 第四章の規定による保険給付及び第五章第三節の規定による日雇特例被保険者に係る保険給付に関する業務
  • 二 第六章の規定による保健事業及び福祉事業に関する業務
  • 三 前二号に掲げる業務のほか、協会が管掌する健康保険の事業に関する業務であって第五条第二項の規定により厚生労働大臣が行う業務以外のもの
  • 四 第一号及び第二号に掲げる業務のほか、日雇特例被保険者の保険の事業に関する業務であって第百二十三条第二項の規定により厚生労働大臣が行う業務以外のもの
  • 五 第二百四条の七第一項に規定する権限に係る事務に関する業務
  • 六 前各号に掲げる業務に附帯する業務

3 協会は、前項各号に掲げる業務のほか、船員保険法の規定による船員保険事業に関する業務(同法の規定により厚生労働大臣が行うものを除く。)、高齢者の医療の確保に関する法律の規定による前期高齢者納付金等(以下「前期高齢者納付金等」という。)及び同法の規定による後期高齢者支援金等(以下「後期高齢者支援金等」という。)並びに介護保険法(平成九年法律第百二十三号)の規定による納付金(以下「介護納付金」という。)の納付に関する業務を行う。

第七条の三(法人格)

 協会は、法人とする。

第七条の四(事務所)

 協会は、主たる事務所を東京都に、従たる事務所(以下「支部」という。)を各都道府県に設置する。

2 協会の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。

第七条の五(資本金)

 協会の資本金は、健康保険法等の一部を改正する法律(平成十八年法律第八十三号。以下「改正法」という。)附則第十八条第二項の規定により政府から出資があったものとされた金額とする。

第七条の六(定款)

 協会は、定款をもって、次に掲げる事項を定めなければならない。

  • 一 目的
  • 二 名称
  • 三 事務所の所在地
  • 四 役員に関する事項
  • 五 運営委員会に関する事項
  • 六 評議会に関する事項
  • 七 保健事業に関する事項
  • 八 福祉事業に関する事項
  • 九 資産の管理その他財務に関する事項
  • 十 その他組織及び業務に関する重要事項として厚生労働省令で定める事項

2 前項の定款の変更(厚生労働省令で定める事項に係るものを除く。)は、厚生労働大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

3 協会は、前項の厚生労働省令で定める事項に係る定款の変更をしたときは、遅滞なく、これを厚生労働大臣に届け出なければならない。

4 協会は、定款の変更について第二項の認可を受けたとき、又は同項の厚生労働省令で定める事項に係る定款の変更をしたときは、遅滞なく、これを公告しなければならない。

第七条の七(登記)

 協会は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。

2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。

 罰則:第二百十七条の二(二十万円以下の過料)

第七条の八(名称)

 協会でない者は、全国健康保険協会という名称を用いてはならない。

 罰則:第二百二十条(十万円以下の過料)

第七条の九(役員)

 協会に、役員として、理事長一人、理事六人以内及び監事二人を置く。

第七条の十(役員の職務)

 理事長は、協会を代表し、その業務を執行する。

2 理事長に事故があるとき、又は理事長が欠けたときは、理事のうちから、あらかじめ理事長が指定する者がその職務を代理し、又はその職務を行う。

3 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して、協会の業務を執行することができる。

4 監事は、協会の業務の執行及び財務の状況を監査する。

第七条の十一(役員の任命)

 理事長及び監事は、厚生労働大臣が任命する。

2 厚生労働大臣は、前項の規定により理事長を任命しようとするときは、あらかじめ、第七条の十八第一項に規定する運営委員会の意見を聴かなければならない。

3 理事は、理事長が任命する。

4 理事長は、前項の規定により理事を任命したときは、遅滞なく、厚生労働大臣に届け出るとともに、これを公表しなければならない。

第七条の十二(役員の任期)

 役員の任期は三年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 役員は、再任されることができる。

第七条の十三(役員の欠格条項)

 政府又は地方公共団体の職員(非常勤の者を除く。)は、役員となることができない。

第七条の十四(役員の解任)

 厚生労働大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が前条の規定により役員となることができない者に該当するに至ったときは、その役員を解任しなければならない。

2 厚生労働大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が次の各号のいずれかに該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができる。

  • 一 心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認められるとき。
  • 二 職務上の義務違反があるとき。

3 理事長は、前項の規定により理事を解任したときは、遅滞なく、厚生労働大臣に届け出るとともに、これを公表しなければならない。

第七条の十五(役員の兼職禁止)

 役員(非常勤の者を除く。)は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。ただし、厚生労働大臣の承認を受けたときは、この限りでない。

第七条の十六(代表権の制限)

 協会と理事長又は理事との利益が相反する事項については、これらの者は、代表権を有しない。この場合には、監事が協会を代表する。

第七条の十七(代理人の選任)

 理事長は、理事又は職員のうちから、協会の業務の一部に関し一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する代理人を選任することができる。

第七条の十八(運営委員会)

 事業主(被保険者を使用する適用事業所の事業主をいう。以下この節において同じ。)及び被保険者の意見を反映させ、協会の業務の適正な運営を図るため、協会に運営委員会を置く。

2 運営委員会の委員は、九人以内とし、事業主、被保険者及び協会の業務の適正な運営に必要な学識経験を有する者のうちから、厚生労働大臣が各同数を任命する。

3 前項の委員の任期は、二年とする。

4 第七条の十二第一項ただし書及び第二項の規定は、運営委員会の委員について準用する。

第七条の十九(運営委員会の職務)

 次に掲げる事項については、理事長は、あらかじめ、運営委員会の議を経なければならない。

  • 一 定款の変更
  • 二 第七条の二十二第二項に規定する運営規則の変更
  • 三 協会の毎事業年度の事業計画並びに予算及び決算
  • 四 重要な財産の処分又は重大な債務の負担
  • 五 第七条の三十五第二項に規定する役員に対する報酬及び退職手当の支給の基準の変更
  • 六 その他協会の組織及び業務に関する重要事項として厚生労働省令で定めるもの

2 前項に規定する事項のほか、運営委員会は、理事長の諮問に応じ、又は必要と認める事項について、理事長に建議することができる。

3 前二項に定めるもののほか、運営委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。

第七条の二十(委員の地位)

 運営委員会の委員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

第七条の二十一(評議会)

 協会は、都道府県ごとの実情に応じた業務の適正な運営に資するため、支部ごとに評議会を設け、当該支部における業務の実施について、評議会の意見を聴くものとする。

2 評議会の評議員は、定款で定めるところにより、当該評議会が設けられる支部の都道府県に所在する適用事業所(第三十四条第一項に規定する一の適用事業所を含む。以下同じ。)の事業主及び被保険者並びに当該支部における業務の適正な実施に必要な学識経験を有する者のうちから、支部の長(以下「支部長」という。)が委嘱する。

第七条の二十二(運営規則)

 協会は、業務を執行するために必要な事項で厚生労働省令で定めるものについて、運営規則を定めるものとする。

2 理事長は、運営規則を変更しようとするときは、あらかじめ、厚生労働大臣に届け出なければならない。

第七条の二十三(職員の任命)

 協会の職員は、理事長が任命する。

第七条の二十四(役員及び職員の公務員たる性質)

 第七条の二十の規定は、協会の役員及び職員について準用する。

第七条の二十五(事業年度)

 協会の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる。

第七条の二十六(企業会計原則)

 協会の会計は、厚生労働省令で定めるところにより、原則として企業会計原則によるものとする。

第七条の二十七(事業計画等の認可)

 協会は、毎事業年度、事業計画及び予算を作成し、当該事業年度開始前に、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 罰則:第二百十七条の二(二十万円以下の過料)

第七条の二十八(財務諸表等)

 協会は、毎事業年度の決算を翌事業年度の五月三十一日までに完結しなければならない。

2 協会は、毎事業年度、貸借対照表、損益計算書、利益の処分又は損失の処理に関する書類その他厚生労働省令で定める書類及びこれらの附属明細書(以下「財務諸表」という。)を作成し、これに当該事業年度の事業報告書及び決算報告書(以下この条及び第二百十七条の二第四号において「事業報告書等」という。)を添え、監事及び次条第二項の規定により選任された会計監査人の意見を付けて、決算完結後二月以内に厚生労働大臣に提出し、その承認を受けなければならない。

3 財務諸表及び事業報告書等には、支部ごとの財務及び事業の状況を示すために必要な事項として厚生労働省令で定めるものを記載しなければならない。

4 協会は、第二項の規定による厚生労働大臣の承認を受けたときは、遅滞なく、財務諸表を官報に公告し、かつ、財務諸表及び事業報告書等並びに同項の監事及び会計監査人の意見を記載した書面を、各事務所に備えて置き、厚生労働省令で定める期間、一般の閲覧に供しなければならない。

 罰則:第二百十七条の二(二十万円以下の過料)

第七条の二十九(会計監査人の監査)

 協会は、財務諸表、事業報告書(会計に関する部分に限る。)及び決算報告書について、監事の監査のほか、会計監査人の監査を受けなければならない。

2 会計監査人は、厚生労働大臣が選任する。

3 会計監査人は、公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士を含む。)又は監査法人でなければならない。

4 公認会計士法の規定により、財務諸表について監査をすることができない者は、会計監査人となることができない。

5 会計監査人の任期は、その選任の日以後最初に終了する事業年度の財務諸表についての厚生労働大臣の前条第二項の承認の時までとする。

6 厚生労働大臣は、会計監査人が次の各号のいずれかに該当するときは、その会計監査人を解任することができる。

  • 一 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。
  • 二 会計監査人たるにふさわしくない非行があったとき。
  • 三 心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えないとき。

第七条の三十(各事業年度に係る業績評価)

 厚生労働大臣は、協会の事業年度ごとの業績について、評価を行わなければならない。

2 厚生労働大臣は、前項の評価を行ったときは、遅滞なく、協会に対し、当該評価の結果を通知するとともに、これを公表しなければならない。

第七条の三十一(借入金)

 協会は、その業務に要する費用に充てるため必要な場合において、厚生労働大臣の認可を受けて、短期借入金をすることができる。

2 前項の規定による短期借入金は、当該事業年度内に償還しなければならない。ただし、資金の不足のため償還することができないときは、その償還することができない金額に限り、厚生労働大臣の認可を受けて、これを借り換えることができる。

3 前項ただし書の規定により借り換えた短期借入金は、一年以内に償還しなければならない。

 罰則:第二百十七条の二(二十万円以下の過料)

第七条の三十二(債務保証)

 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内で、その業務の円滑な運営に必要があると認めるときは、前条の規定による協会の短期借入金に係る債務について、必要と認められる期間の範囲において、保証することができる。

第七条の三十三(資金の運用)

 協会の業務上の余裕金の運用は、政令で定めるところにより、事業の目的及び資金の性質に応じ、安全かつ効率的にしなければならない。

 罰則:第二百十七条の二(二十万円以下の過料)

第七条の三十四(重要な財産の処分)

 協会は、厚生労働省令で定める重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。

 罰則:第二百十七条の二(二十万円以下の過料)

第七条の三十五(役員の報酬等)

 協会の役員に対する報酬及び退職手当は、その役員の業績が考慮されるものでなければならない。

2 協会は、その役員に対する報酬及び退職手当の支給の基準を定め、これを厚生労働大臣に届け出るとともに、公表しなければならない。これを変更したときも、同様とする。

 罰則:第二百十七条の二(二十万円以下の過料)

第七条の三十六(職員の給与等)

 協会の職員の給与は、その職員の勤務成績が考慮されるものでなければならない。

2 協会は、その職員の給与及び退職手当の支給の基準を定め、これを厚生労働大臣に届け出るとともに、公表しなければならない。これを変更したときも、同様とする。

 罰則:第二百十七条の二(二十万円以下の過料)

第七条の三十七(秘密保持義務)

 協会の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、健康保険事業に関して職務上知り得た秘密を正当な理由がなく漏らしてはならない。

2 前項の規定は、協会の運営委員会の委員又は委員であった者について準用する。

 罰則:第二百七条の二(一年以下の懲役又は百万円以下の罰金)

第七条の三十八(報告の徴収等)

 厚生労働大臣は、協会について、必要があると認めるときは、その事業及び財産の状況に関する報告を徴し、又は当該職員をして協会の事務所に立ち入って関係者に質問させ、若しくは実地にその状況を検査させることができる。

2 前項の規定によって質問又は検査を行う当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。

3 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

 罰則:第二百十二条の二(三十万円以下の罰金)
 罰則:第二百十九条(二十万円以下の過料)

第七条の三十九(監督)

 厚生労働大臣は、協会の事業若しくは財産の管理若しくは執行が法令、定款若しくは厚生労働大臣の処分に違反していると認めるとき、確保すべき収入を不当に確保せず、不当に経費を支出し、若しくは不当に財産を処分し、その他協会の事業若しくは財産の管理若しくは執行が著しく適正を欠くと認めるとき、又は協会の役員がその事業若しくは財産の管理若しくは執行を明らかに怠っていると認めるときは、期間を定めて、協会又はその役員に対し、その事業若しくは財産の管理若しくは執行について違反の是正又は改善のため必要な措置を採るべき旨を命ずることができる。

2 協会又はその役員が前項の命令に違反したときは、厚生労働大臣は、協会に対し、期間を定めて、当該違反に係る役員の全部又は一部の解任を命ずることができる。

3 協会が前項の命令に違反したときは、厚生労働大臣は、同項の命令に係る役員を解任することができる。

 罰則:第二百十二条の二(三十万円以下の罰金)
 罰則:第二百十九条(二十万円以下の過料)

第七条の四十(解散)

 協会の解散については、別に法律で定める。

第七条の四十一(厚生労働省令への委任)

 この法律及びこの法律に基づく政令に規定するもののほか、協会の財務及び会計その他協会に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。

第七条の四十二(財務大臣との協議)

 厚生労働大臣は、次の場合には、あらかじめ、財務大臣に協議しなければならない。

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健保法_02_2.txt · 最終更新: 2024/05/31 11:06 by norimasa

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