人時生産性をアップさせないと意味がない

 働き方改革関連法案が本格施行され、社会保険労務士業は追い風が吹いているような状況です。
 当事務所にも、就業規則の見直し依頼は、様々な背景をベースにとても多くなっています。

 しかしながら、働き方改革の本質をきちんと理解しないといけません。決して就業規則の改定が本質ではありません。
 本質の理解やその対策をおざなりで進めると、大きな痛手を被ります。
 経営者サイドでは感覚的によく理解できています。「生産性は何があっても落とせない」ということです。

 有給休暇を付与したり、残業時間を抑制する世の中にあって、生産性を守ろう・アップさせようとしたら、人時生産性、すなわち、一人あたり一時間当たりの生産性を大いにアップさせないといけません。
 そのカギはどこにあるのでしょうか?

業務改革と人事改革をセットで推進する必要性が

 それは「業務改革」をセットで行わなければいけないということです。
 「働き方改革」を英語で表現すると、Work Reform です。働き方をリフォームして、目的地は同じであっても、働き方の姿を変化させて、人時生産性をアップさせることが重要です。

 業務改革・業務改善はとても困難な道でもありますが、これを解決しないことには、本当の働き方改革は推進できません。

 そしてもう一つの柱は、「人事改革」です。
 人事も範囲が広いのですが、生産性アップを紐解いていきますと、社員の能力開発が重要なことは論を待ちません。
 業務における能力開発は、活きた評価制度と連動してくるものと考えます。

 よって社労士は、人事評価をきちんと運用できるサポーターとして存在できないと、これからの世の中で残るのは厳しいのかも知れません。本来業務の一つでしょう。
 当事務所は、創業当初より人事評価制度は必須業務であると取り組んできた経過もあり、そのノウハウは莫大なものになっております。

組織における評価基準統一の重要性

 人事制度は人を育てる仕組み・ルールです。人事制度を作ることによって社員が成長しなければならないはずです。
 企業にとって社員が成長するとは、業績が向上することを意味します。もし、結果として業績が向上しなければ、失敗と考えます。

 業績向上を目的とすると、人事制度作りには驚くほどのメリットがあります。その一部を挙げると次の通りです。

  1. 業績が向上する、よって処遇・待遇がアップして満足感が高くなる
  2. 自社内での期待成果、重要業務、必要な力量、求める勤務態度が明確になる
  3. 管理者に人材育成への責任感が生まれる
  4. 評価に対する納得性が高まり、 賃金に対する不満が少なくなる
  5. 社員の成長が早く確実になる
  6. 管理者が経営者の立場で考えるようになる
  7. 組織風土がよくなり、社員が元気になる

人事制度運用にあっての最大の問題点

 最大の問題点は、人事制度を作り評価を実施すると管理者と社長との評価が一致しないことです。そのため、管理者の評価を社長が修正してしまいます。それは評価者訓練をやっても同じです。

 評価を安定させるには、社長がそのまま安心できる管理者の評価にしなければなりません。

 それには、二つのことをクリアする必要があります。
 一つは、社長の評価と同じように評価できるように社長の評価基準を示すことです。
 もう一つは、管理者同士の評価基準に対する解釈を一致させることです。

 通常人事評価シートには、評価基準があります。
 例えば評価シートの中に評価要素として「提案力」というのがあったとしましょう。どういう場合に5点なのか4点なのか、絶対評価できるように一応評価基準がついています。どんな表現の仕方をしようとその解釈にはバラツキがでます。特に第一回目の評価結果はばらつきます。

 そこで、評価決定会議をやります。その評価の理由を具体的な現場の状況で説明してもらうのです。
 ある管理者は「彼はここまで提案活動をやっています。だから4点です」と言います。
 別の管理者は「そういう場合には、私は3点と評価しました」となります。

 これは、どちらが正しいという検討ではありません。これを甘辛と言うと間違っています。
 この場合には4点なのか3点なのかを先ず決めなければなりません。甘辛という前に、この解釈の統一です。

 そこで、社長に決めてもらいます。
 「我が社では、その場合は3点とします」とやるだけです。ここで、具体的な現場の状況で理解がされたことになります。

 元来管理者は自分の部下がかわいいものです。何とか高い評価をしてやりたいと考えています。
 だから、この評価決定会議は大激論になります。部下の評価がこの場で決まるのですから。
 しかし、それには具体的な状況を説明し、全管理者の納得がなければなりません。この評価決定会議により、問題はクリアできます。
 『評価基準』を会社の幹部一致で決めることができれば、人事制度は人を育てる仕組みになっていきます。

賃金制度も重要だが評価制度が先

 人事制度は賃金制度が重要だと思っている向きがあります。私も独立初期はそんなふうに思っていました。この考えも訂正しましょう。
 賃金制度が上手に出来て成長した会社なんて聞いたことがありません。それにもかかわらず、賃金制度からつくろうとします。これは害です。

 何故なら、評価がないと賃金は決められないのです。まずは評価制度です。
 人事制度は「人を育てる仕組み」にしなければ意味をなしません。
 最初から完壁なものを目指す必要もありませんし、それは出来ない相談です。

 今後は人事制度の成功の判断基準は強く共有します。
 それは業績アップと連動することです。人事制度をより良いものへと改善されているかは業績結果をみれば良いことです。これが目的です。

 組織が一枚岩になり、リーダーが進むべき道を明確に示せるようになると、勢いをつけて組織は動き出します。
 組織を強固にするのは、幹部を集めて、期待成果、重要業務の優先順位付け、必要な技能や知識の確認とその鍛錬のための朝夕礼のあり方、そして基本となる勤務態度の徹底を継続して討議することにより、組織内で何が重要か、何が大切か、皆がしっかりと共有できることが大切です。

人事制度を通じて世に貢献したいからのお申込みを待っています

 人は誰しも認められたいものです。自分を認めてもらいたいものです。
 どのように行動すれば認められるのか、どういう考えが支持されるのか、この評価基準の統一は大変重要です。

 人事制度は業績向上への道しるべだになる必要がありますし、これからもそうでしょう。
 会社が時間とコストをかけて打つ解決手段で、業績が良くならなかったらおかしい。そう、感じますよね。

 今の時代や組織に合った人事制度を作り、業績向上させて欲しいと心から願います。
 そして、社労士事務所は、意義のある良い人事制度構築のサポーターでなければいけないというのが、当事務所の考えでもあります。

 人事制度構築や運用支援を通じて世の中に貢献したいと願っている貴方・貴女からのお申し込みを切にお待ちしています。

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更新日:2019年08月11日