人のドラマは本当に幅広く想像を超えることが
経営の4要素である「ひと・もの・金・情報」の中で「人」を扱う社会保険労務士ですが、巷の同業者のホームページなどでは「人事労務サポート」を表面に出します。しかし、そんなに人事労務が強い人がいるとは思えない実情があります。
やはり「社会保険関係の手続代行」のイメージが強く、手続屋さんというのが実態ではないでしょうか。
当事務所は少し変わっており、代表の菅野は当事者意識が強いことが災いして、現地での問題解決に駆り出されることが多々あります。弁護士法72条、いわゆる非弁行為に注意を要しますが、お客様のご要望は、アドバイスというよりも、「火の粉を振り払ってください」という現実的なところがあり、その気持ちも良く分かり、思わず引きずられます。
従って、当事者の一旦として現地での問題に関わってしまうのです。
人が絡むが故に様々な出来事があり、想像を絶することが多々あります。そして人間の本質である「感情」を最終的に納得させないと解決しなければ、最終解決に至らないこともあり、想定の広さや深さを持って人間の達人でなければいけないという場面がそれなりに出てきます。
これまでに目の当たりにしてきた事件
実際にどのような場面に遭遇したか代表的なものをご紹介しましょう。
- 退社して労基署に駆け込み未払残業請求(とても多数あり)
- 未払残業請求にあたり裁判所で帳簿の差押命令を取る
- 入社時の住所を偽りお金を使いこんで逃げた
- 多額の会社資金の横領と会社への大背任
- 麻薬使用の現行犯逮捕
- 彼女と駆け落ちしてまったくの行方不明
- 幹部との人事面談時に会社の悪口を猛然と言って止まらなくなった
- 病歴を詐称して入社し、その病歴で事故を起こしてしまった
- 労働環境に対して親や妻などが殴り込みの勢いで乗り込んできた
- 顧客情報などを根こそぎ持って独立して競合した
- 就業規則の休職制度の穴を付いた悪用でいつまでも休職
- 能力不足での解雇に対して納得せず、いつまでも引っ張られた
上記は一部ですが、これに類するような相談が良く来るわけです。
そんな時、解決に向かおうとするのですが、解決の糸口がなかなか見つけられずにいたりします。大原則は当事者間双方の納得なのですが、なかなか合意に至るのは難しいですね。
問題解決には粘り強さと強い精神力が必要
しかし会社側も相手も人間なので、どこかに必ず落としどころが出てきます。そのためには何が真の原因なのかを掴まなくてはいけませんが、双方で隠していたり、大きく乖離したりしていて、違った道を探っては、また戻ってくるようなことになりえます。
時間が窮屈な中で処理に向かうので、そんな時に本音が出てきます。
「もう勘弁して」という感じです。
おそらく経営者もそんな気持ちでしょう。
しかし解決しなければ、次に向かえませんので、どうにかしようとします。そこで粘り強いというか、執念にも似た解決まで至るまでの強い執着心、そして精神力が必要になります。
人にはそれぞれ背負っているものがある
もめ事は大概、双方に原因があります。そして感情の奥で「絶対に許せない」という言動が喉に小骨が残っているが如くにあるものです。
経営側が一旦その真意を飲んで、次の人生出発に向けて花向けという感じだと、けっこう解決は早いのですが、そこはそれぞれに人なので、なかなか思うようには行きませんね。やむを得ないと思うところもあります。
しかし相手も人生を抱え、生きていく必要があります。負けるが勝ちではありませんが、相手の人生を慮る大きさも要求されるわけです。
そこに奥から気付いていただき、相手の人生を思いやった時に解決に向かいます。
そうなのです。誰にもかけがえのない大切な人生があります。それぞれにドラマを成しています。
求めるスキル・適格性の一つは「調整力」
従いまして、求めるスキルの一つに偏らずに調整できるバランスの良い「調整力」も要求され、これは人間力も要するので、なかなかのスキルです。ケンカを成敗したような経験が生きてきます。
当事務所代表の菅野は、小さい頃はジャイアンとあだ名されるような暴れん坊だったようですが、生命保険会社の営業所長をしていた時に、所属員全員に総スカンを食ったり、自分で泣かせておいて、その収束にあたらなければいけなかったような体験が非常に有用だったと回想しています。
へんな社労士なのです。でも逃げない社労士です。
達成感・貢献の実感・顧客密着感は強い
人生ドラマは、それぞれに重いものです。そこに影響を与える可能性がありますので、そうした自覚は重要です。責任重大ではありますが、熟慮して果断し、共に戦っていく姿勢が本当に重要だと感じます。
トラブル処理が好きな人、人間に強い興味のある人、社会保障制度に強い関心のある方でないと、なかなか難しいものがあるかも知れません。
しかし、克服したときの達成感やお客さまとの密着感、そして貢献できている実感は強いものがあります。
こうしたことをやりがいと感じれる方からの応募をお待ちしています。
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更新日:2019年03月03日