フレックスタイム制には、休日出勤や深夜労働という考え方はあるのでしょうか?

 フレックスタイム制を採用した場合にも、休日労働や深夜労働は、あるのでしょうか。

 また、これらに対しては、その割増賃金の支払は必要になるのでしょうか。

上記「フレックスタイム制には、休日出勤や深夜労働という考え方はあるのでしょうか?」に対する回答

 フレックスタイム制のもとで、法定休日や深夜に労働をしたときは、実際の労働時間が清算期間の総労働時間を超えないときにも、その時間についてそれぞれ、3割5分増し、または2割5分増しの割増賃金を支払わなければなりません。

 フレックスタイム制は、出勤および退勤の時刻を労働者の選択に委ねる制度であるため、日々の労働時間の過不足については、日ごとに清算せずに、清算期間の総労働時間に対する過不足によって清算します。

 そのため、清算期間を通じて労働時間が計算されるために、休日労働や深夜労働があいまいに処理される可能性がありますが、フレックスタイム制のもとでも休日労働および深夜労働に対する割増賃金の支払い義務がなくなるわけではありません。

 具体的に説明すると、たとえば、当月の総労働時時間を171時間とする場合、ある労働者の平日の実働時間の月間累計時間が163時間で、他に1日の休日労働8時間をしたというケースでは、清算期間を通じての労働時間は171時間となり、総労働時間を満たしたことになりますので、割増賃金の支払いは必要ないかのようにみえます。

 しかし、この場合には、実は休日労働が含まれていますので、その休日労働に対して3割5分増し(0.35)の割増賃金の支払いが必要になります。したがって、清算期間の実労働時間とは別に、休日労働について把握しておく必要があります。

 深夜労働に対しても同様に、フレックスタイム制のもとで適用が除外されるわけではありませんので、その時間を通常の労働時間とは別に把握しなければなりません。

 なお、深夜業を発生させないためには、フレキシブルタイムの開始と終了の時刻を午前5時から午後10時の間に設定しておくとよいでしょう。

カテゴリー:変形労働時間

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