完全フリータイムのフレックスタイム制を採用することができますか?

 コアタイムもフレキシブルタイムも設けないフレックスタイム制を採用することはできるのでしょうか。

上記「完全フリータイムのフレックスタイム制を採用することができますか?」に対する回答

 フレックスタイム制の法定要件を満たせば可能です。

 ここで、フリータイム制とは、いわゆる自由勤務制を指しているものと思われますが、コアタイムもフレキシブルタイムも設けないフレックスタイム制では、何時から何時まで働くかという制限はなく、また、理論上は清算期間の総労働時間を満たす限り清算期間中何日働いてもよいことになり、フリータイムで働くことができることになります。

 このようなフリータイム制もフレックスタイム制の法定要件を具備する限り有効と考えられますが、その際、次の諸点に留意して運用しなければなりません。

(1)労使協定で、対象者及び清算期間(起算日も)とその間の総労働時間を法定労働時間の総枠の範囲内で定めること、また標準となる1日の労働時間について明らかにすること。

(2)使用者は、清算期間中の労働時間を把握し、清算期間の総労働時間との間で労働時間を清算すること。

(3)休憩時間を法定どおり与えること。その際、いっせいに休憩を与える必要のない事業(通常の事業ではいっせい休憩除外申請をする)では「各日の休憩時間の長さを定め、それをとる時間帯は労働者にゆだねる旨」を就業規則に記載しておくこと。

(4)休日を明確にすること。少なくとも労働基準法に定める休日を与えること(この休日に労働した場合には、3割5分以上の率で計算した割増賃金を支払うこと)。

(5)深夜に労働した場合には、2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払うこと。

(6)三六協定を適正に締結すること。

 なお、フリータイム制では、上記の点に留意して運用する場合にも、特に休日、休暇、休憩があいまいになりやすいので、例えば、(1)毎週2日の休日をとること、(2)年次有給休暇等の休暇を取得する際は所定の手続きをすること、(3)休憩時間は、労働の途中に60分以上とること、などを労使協定等で明確にしておくことが大切です。

カテゴリー:変形労働時間

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