1勤務8時間を超える労働契約を締結してもよいでしょうか?

 当社では、夜間配送業務にアルバイトを雇用しています。
 1日8時間を超える労働時間の労働契約は有効でしょうか。

 また、時給については日中のアルバイトに比べて高く設定していれば、残業手当や深夜勤務手当の支給は必要ないのでしょうか。

上記「1勤務8時間を超える労働契約を締結してもよいでしょうか?」に対する回答

 1ヵ月単位の変形労働時間制を採用すれば、1日の所定労働時間が8時間を超える労働契約も有効です。

 また、深夜労働に対する割増賃金分以上の時給を支給し、そのことが明らかであれば、さらに深夜割増手当を支払う必要はありません。

 労働基準法第32条では、使用者は、労働者に休憩時間を除き1日について8時間、1週間について40時間を超えて労働させてはならないと、労働時間の上限規制をしています。

 したがって、一勤務の所定労働時間が8時間を超えるような労働契約は締結することはできません。

 また、ここでいう1日とは、「原則として午前零時から午後12時までのいわゆる暦日」(昭42.12.27基収第5675号)をいいますが、継続した勤務であれば、「たとえ暦日を異にする場合でも1勤務として取うべき」(前掲通達)ものとされていますから、夜間勤務の場合も同様に、一勤務の所定労働時間は8時間以内でなければなりません。

 しかし、労働基準法第32条の2では、
1.労使協定または就業規則その他これに準ずるものに定めること、
2.1ヵ月以内の一定の期間を平均し1週間当たりの所定労働時間が40時間を超えない範囲内であること、
 を条件に特定された週に40時間、または特定された日に8時間を超えて労働させることを認めています。

 したがって、ご質問の場合も、上記の2つの要件を満たせば、1日の労働時間が8時間を超える労働契約を締結することができます。

 次に、割増賃金についてですが、上記の変形労働時間制を採用した場合、1ヵ月以内を平均して週40時間を超えない限り、特定の日に8時間、または特定の週に40時間を超えて労働させても、割増賃金を支払う必要はありません。

 ただし、この場合でも、深夜業に対する割増賃金までも免れているわけではありません。

 貴社では日勤者より、深夜勤務者の時給を高く設定しているとのことですが、その割額が深夜勤務時間相当分以上(2割5分増以上)であり、そのことが就業規則や労働契約で明らかにされていれば、さらに割増賃金を支払う必要はありません。

カテゴリー:労働時間

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